2021年9月5日(日)、渋谷フクラス(SHIBUYA FUKURAS)の商業施設「東急プラザ渋谷」2Fに「世界一小さな美術館@GMOデジタル・ハチ公」がオープン。展示の第1弾企画として、「Banksy Artworks from Masatoshi Kumagai Collection(バンクシー展)」が開催されます。
本展で展示されるのは、バンクシー作品の中でも、もっとも知られた作品シリーズのひとつである「Girl With Balloon(風船と少女)」。通称「赤い風船に手を伸ばす少女」と呼ばれ、初出の作品は、ロンドンで2002年にステンシルで描かれました。以降、バンクシーは2005年にパレスチナで複数の風船につかまった少女を描いたバージョンや、2013年にブルックリンで絆創膏を貼った風船のみを描いたバージョン、2014年にシリア難民の少女を描いたバージョンを発表するなど、社会情勢を反映してアレンジした作品を世界の街角で制作しています。
一躍話題になったのが、2018年10月にロンドン・サザビーズで起きた裁断事件。バンクシーの《Girl With Balloon》(2006)が落札された瞬間、額縁に内蔵されたシュレッダーが起動し、作品を切り刻んでいきました。バンクシーはその後、自身のInstagramで「オークションにかけられるようなことがあった時のために」とコメントし、数年前から額縁に仕掛けを潜ませていたことを明かしています。このとき落札予想価格の30万ポンド(約4400万円)を大きく上回る100万ポンド(約1.5億円)で落札されましたが、作品が破損しているにも関わらず、注目を集めたことでさらに価格が上昇したとも言われています。
画像引用:https://www.instagram.com/
今回、「世界一小さな美術館」に展示される《風船と少女》(2004)は、GMOインターネットグループ代表の熊谷正寿さんのアートコレクションの中の1点で、エディション数150のサインが入ったシルクスクリーンプリント作品となっています。
画像引用:https://twitter.com/hachiko_gmo
希少な作品をミニマムに展示する、「世界一小さな美術館」のコンセプトもユニークですが、他の展示にない見どころとなっているのが、デジタル技術を駆使した展示空間。今展で使用する額物は、2018年にサザビーズ・ロンドンで《風船と少女》を裁断し話題となったシュレッダー付きの額縁を、3Dプリンター等を使って再現した1点もののフレームです。
さらに、高精細な全面巨大スクリーンと最新の音響技術を使用したムービーも上映。没入できるデジタルアート空間となっています。
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2021年7月29日からリニューアル工事を行っていた「GMOデジタル・ハチ公」は、渋谷のアイコンであるハチ公をホログラム化したデジタルアートとして2019年12月5日に誕生。スマートシティ化が進む渋谷らしい、新たな待ち合わせスポットとして注目されていました。
天王洲の寺田倉庫でも大規模な展覧会(「バンクシーって誰?展」(会期:2021年8月21日〜12月5日)が開催されている、話題のバンクシーの代表作が見られる本展。バンクシーがオークション中に仕掛けたストーリーも追体験できるデジタルアート空間を体験しに、渋谷に足を運んでみては?
【イベント情報】
「Banksy Artworks from Masatoshi Kumagai Collection(バンクシー展)」
■会期:2021年9月5日(日)~
■会場:「渋谷フクラス」2F 世界一小さな美術館@GMOデジタル・ハチ公
■展示会公式HP:https://hachiko.gmo/ ■住所:東京都渋谷区道玄坂1-2-3
■休館日:「渋谷フクラス」に準ずる
■開館時間:11:00~20:00(1公演20分の入れ替え制、鑑賞人数制限あり)
※開館情報は変更となる場合があります。最新情報は公式HPやSNS等でご確認ください。
■入館料金:一般・大学生:300円/小・中・高校生:100円/未就学の子供:無料
※障がい者とその介護者各1名は無料。入館時に障がい者手帳等を提示
■チケット購入URL:https://www.e-tix.jp/gmo-art/
■その他:入館時に検温を実施。37.5度以上の場合、入館は不可。入館にはマスクの着用が必要。アルコール消毒、所定の感染予防策にご協力ください。
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