注目のオークション結果から、アート市場の動向まで。今週、アートマーケットを賑わせたトピックを振り返ってみよう。

目次

  1. フリーズ・ロンドン、対面での展示会に276の出展者を発表。
  2. 元・アートバーゼルのエグゼクティブであるNoah Horowitzがサザビーズへ。オークションハウスとギャラリーの関係を構築へ。
  3. アリババがNFTマーケットプレイスを立ち上げ。作品の著作権も販売が可能に。
  4. ロンドンのトッテナム・ホットスパーFCサッカースタジアムに現代アートギャラリーを併設。
  5. デンマークの人魚像が著作権問題に。ただし、地元には利益が。
  6. マリメッコ、70周年を記念し、創業者の制作したスカートをオークションへ。
  7. ANDART、5作品目のバンクシー作品《HMV》の作品オーナー権販売へ。抽選開始は8月25日(水)から。
  8. アセットクラスとして人気が高まるファインアート。その中でも人気のジャンルは?

フリーズ・ロンドン、対面での展示会に276の出展者を発表。

Frieze London 2019の看板
(画像=Frieze London 2019の看板)

画像引用:https://www.artnews.com/

フリーズ・ロンドンとフリーズ・マスターズの主催者は、10月13日から17日まで、英国の首都リージェンツ・パークで開催予定のアート・フェアに参加する39カ国、276のギャラリーを決定した。これは2019年とほぼ同数となる。2019年以来の対面式での開催となるが、一方ではオンライン・ビューイング・ルームの設置や、デジタルプログラムの拡充も予定されている。Covid-19対策として、時間指定のチケット制を採用。来場者にはワクチン接種の証明書または最近のCovid-19テストの陰性証明書の提出を求めるとのことだ。(ARTnews)

元・アートバーゼルのエグゼクティブであるNoah Horowitzがサザビーズへ。オークションハウスとギャラリーの関係を構築へ。

Noah Horowitz氏
(画像=Noah Horowitz氏)

画像引用:https://news.artnet.com/

アートバーゼルのアメリカ大陸担当ディレクターだったNoah Horowitz氏が、サザビーズに入社し、新たに創設されたギャラリー・プライベートディーラーサービスの世界的責任者となることが分かった。サザビーズとギャラリーやディーラーとの間の関係を構築することを期待されているようだ。

サザビーズのファインアート部門では、事業規模の拡大や顧客層の拡大を図るための大規模な変革が行われており、今回の人事異動もその一環。オークションハウスは、長年にわたりプライベートセールでディーラーの領域に浸食してきていたが、最近では、プライマリーマーケットへの参入を目指して、さまざまなモデルを試している。(artnet news)

アリババがNFTマーケットプレイスを立ち上げ。作品の著作権も販売が可能に。

Alibabaグループ
(画像=Alibabaグループ)

画像引用:https://news.bitcoin.com/

中国のEコマース大手アリババグループは、NFTマーケットプレイスを立ち上げた。アリババのNFTプラットフォームは、顧客にNFTの売買機能を提供するだけでなく、ブロックチェーン技術によって著作権が付与されているため、知的財産(IP)をライセンスして販売することができる。アリババNFTマーケットプレイスの紹介ページによると、著作権は基本的にトークン化されており、トークンの所有者だけが本当の意味でコンテンツを所有していることになるという。(bitcoin.com)

ロンドンのトッテナム・ホットスパーFCサッカースタジアムに現代アートギャラリーを併設。

「OOF」ギャラリーに展示中の作品のひとつ ≪Endless Column III≫ / Hank Willis Thomas
(画像=「OOF」ギャラリーに展示中の作品のひとつ ≪Endless Column III≫ / Hank Willis Thomas)

画像引用:https://www.ekathimerini.com/

ロンドンのサッカートップクラブであるトッテナム・ホットスパーのスタジアムに、先月、現代アートのギャラリー「OOF」が新設された。オープニングショー「Balls」では、サッカーボールを使った、またはサッカーボールを表現した現代アートが17点展示されている。はじめて触れる現代アートに興味を持つ観客もいれば、「くだらない」とする人まで反応は様々なようだ。

ギャラリストは「アート作品が売れれば嬉しいです。でも、本当の成功は、普段は見向きもしないような多くの人々をこのギャラリーに招き入れ、現代アートに触れてもらうことです。」とコメントしている。(The New York Times)

デンマークの人魚像が著作権問題に。ただし、地元には利益が。

議論の的となっている新しい人魚像
(画像=議論の的となっている新しい人魚像)

画像引用:https://www.traveller.com.au/

デンマーク北部の小さな港町が、コペンハーゲンの有名な人魚像姫の彫刻に酷似しているとして、著作権争いに巻き込まれている。新しい人魚像は彫刻家・Palle Morkによって4年前に制作されたもの。これに対し、1913年にコペンハーゲン版を制作したアーティスト、Edvard Eriksenの相続人が今月、地元の市長に作品の撤去と破壊を要求する脅迫状を送ってきたという

「人魚姫」というキャラクターは、作家・アンデルセンの考案したものであるにもかかわらず、Eriksenの相続人は著作権の行使に厳しく、人魚像の画像を無断で使用した新聞社に罰金を科したり、デンマークの伝統を祝うために人魚像を制作したミシガン州の町に対してライセンス料を要求していたという。

Palle Morkは自身の作品をコペンハーゲンの人魚像をモデルにしてはいないと主張している。ただ、この論争によって新たな人魚像が有名となり、観光客が増えるなど、地元にとっては利益となっているようだ。(TRAVELLER)

マリメッコ、70周年を記念し、創業者の制作したスカートをオークションへ。

今回出展される マリメッコ創業者の制作したスカート
(画像=今回出展される マリメッコ創業者の制作したスカート)

画像引用:https://wwd.com/

来月ヘルシンキで開催されるオークションで、マリメッコは、創業者のArmi Ratiaが制作したスカートを出品する。このスカートは、1950年代に創業者の娘が母親から譲り受けたものだという。オークションは、マリメッコの70周年を記念して行われるもの。このスカートのほか、ヴィンテージドレスや、ドローイング、絵画、陶器、ガラス製品などのアート作品も出品されるという。過去のマリメッコのヴィンテージセールは、15分間で約60種類の商品が売り切れるほど講評を博したという。(WWD)

ANDART、5作品目のバンクシー作品《HMV》の作品オーナー権販売へ。抽選開始は8月25日(水)から。

《HMV》 / バンクシー
(画像=《HMV》 / バンクシー)

日本初、アート作品の共同保有プラットフォーム「ANDART」は、バンクシー《HMV》の作品オーナー権を抽選にて事前販売することを発表した。≪HMV≫は、大手レコード会社のロゴにも使われている犬のニッパーと蓄音機の絵画のオマージュ作品。犬の主人の声が流れる蓄音機に、耳を傾ける犬にバズーカを持たせることで支配への反抗心や、音楽業界などで大量生産する大手企業によって作り出される「文化の主流」に対するアンチテーゼなどの意味を含む作品だ。8月25日(水) 12:00 PMから抽選販売の受付を行い、一般販売は9月3日(金) 12:00 PM に開始する予定。

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アセットクラスとして人気が高まるファインアート。その中でも人気のジャンルは?

アセットクラスとして人気が高まるファインアート
(画像=アセットクラスとして人気が高まるファインアート)

20~30年前には、美術品を使って資産を増やすという発想はほとんどなく、疑問視されることもあった。しかしながら、現在、美術品への投資は、ポートフォリオを多様化する手段として、世界中で急速に普及しているという。UBSとアートバーゼルのレポートによると、2021年には個人投資家の67%が、投資の目的で美術品を購入しているという。これらの作品は、一時的に美術館で展示されることがあるというが、その中でも人気があるのは、印象派、モダン、コンテンポラリーの絵画や彫刻だという。これらのジャンルは国際的な市場で確立されており、市場の選別が厳しい他のジャンルよりも担保として適しているようだ。(Luxury Daily)

アートの共同保有プラットフォーム「ANDART」では、人気のコンテンポラリーアートの中でも、プロが目利きした作品のオーナー権を1万円から購入することができる。ポートフォリオのひとつとして、ぜひ検討していただきたい。