食べログ1位店やミシュラン3つ星店などの人気飲食店や一流シェフとコラボし、主に駅ナカにおけるFC事業の企画・販売を手掛けてきたMIGホールディングス(東京都港区)。2019年神田カレーグランプリで優勝経験もあり、カレー好きから根強い人気のある「カリガリ」が今年5月から初の路面店でのFC事業展開を始動した。(※2021年8号「注目のNEW FCビジネス」より)

FC営業部 杉本直樹氏(43)
(画像=FC営業部 杉本直樹氏(43))

出店数は全国50店舗まで
ブランド価値と本店の味を追求

MIGホールディングスが事業提携し、FC展開を手掛ける「カリガリ」本店はカレー激戦区として名高い千代田区秋葉原にある。2019年神田カレーグランプリで400店以上の中から予選を勝ち抜いた20店舗が競う決勝戦で、5万人から見事1位に選ばれたのがカリガリだ。

カリガリカレーはもともと銀座の老舗クラブでボーイとして働いていたオーナーシェフの二木博氏が、お客様からのリクエストで作っていた裏メニューの一つだった。銀座のクラブで愛されたカレーを世に広めようと2005年に渋谷でわずか10席程の小さなお店から始め、2015年に秋葉原でカリガリをスタートした。日本人好みの味付けにしたエスニックカレーの中でも一番人気が「超スパイスカレー」。20種類以上のスパイスが旨味を引き出し、辛くても一度食べたらやみつきになる味だ。「ユキノスカレー」はチーズとうずらの卵という珍しい組み合わせが甘めのルーと絶妙にマッチし、女性人気が非常に高いという。

ファンも多いカリガリカレー
(画像=ファンも多いカリガリカレー)

MIGホールディングスは今年3月からカリガリのキッチンカーFC事業を全国展開しており、今年5月から路面店でのFC事業の募集を開始した。月々の売上は300万円を想定しており、食材仕入費110万円や人件費51万円、家賃30万円やロイヤリティ15万円を除いた利益は約60万円となる試算だ。平均客単価はランチおよそ1100円、ディナー1300円で、利益率は19%以上と高い数字を期待できる。食材仕入費は110万円と少し高く設定されているが、その分店内のオペレーションは1〜2名体制として人件費を抑え、お客様に納得してもらえる食材と味を担保する。

開業の初期費用は加盟金180万円、研修費用50万円、施工工事費1000万円など合わせて1806万円となっており、物件取得費を除いた初期費用は35ヶ月で回収できる想定。店舗は基本的に10坪程で、コロナ禍のニーズに合わせ12席全てをカウンターにし回転率を上げる計画だ。店内の内装やインテリアは二木氏が全面的にバックアップする。出店立地はまずは全国の主要駅前を想定しているが、駅近であればどこでも出店するという訳ではなく、ブランド価値を下げないよう本部でかなり精査するという。路面店の出店数は全国で50店舗までと決めており、希少性を高めカリガリとしてのブランド価値を重視する方向性だ。当初FCで本店と同じ味を出せるのか不安視されていたが、こだわりの食材とマニュアル化された調理工程で本店の味の実現に成功した。まずは全国で知名度を上げ、「カリガリだからわざわざ食べに行きたくなる」という他にはないカレーブランドを目指す。