飲食店の客席にあるサーバーからサワーが飲める業態が、近年盛り上がりを見せている。中でも「三世代で来ても楽しめる」「焼き肉のクオリティも十分満足できる」「郊外型で営業利益20%以上」というモデルで差別化を図るのは、ミナモト(埼玉県入間市)の「焼肉ホルモンたけ田」だ。今年1月にFC募集をリリースしたばかりの同ブランドについて、細田源太社長に強みを聞いた。

(※2021年6月号「注目のNEW FCビジネス」より)

細田 源太社長
(画像=細田 源太社長)

客単価3000円で高クオリティ

焼肉ホルモンたけ田(以下「たけ田」)は2019年にリニューアルオープンした、焼き肉ホルモン居酒屋だ。卓上のサーバーからのサワーは60分飲み放題500円で、有料のフルーツなどのトッピングも楽しめる。人手不足を解消するとともに、エンターテイメント性の要素を取り入れた形だ。郊外型のモデルであるたけ田にはファミリーも来店するため、子どもが父親のサワーを注いであげるといった場面も想定している。「焼き肉は日常食」と、客単価3000円を目指した。4人家族ならお酒と食事を楽しめて1万円以内に収まり、居酒屋としても焼肉店としても月に何度でも利用できるよう、20 種以上ある肉メニューのほとんどを380円の設定にしている。卓上サーバーやタッチパネルオーダーなどのセルフ化により人件費率を一般の居酒屋より約10%下げ、その分原価にしっかり還元する形で品質を担保。「380円でこんなにうまいとは」と言われることもあるという。

会社関係、若いカップル、ファミリーと幅広い客層を対象とするたけ田では、全方位的なサービスを心がける一方で、手づくりの接客にも力を入れている。スタッフはお勧めやプラスアルファの会話をするようにして、人間関係のきっかけを作る。各店舗には、地域の企業や団体が加盟する法人会員制度があり、限定クーポンやサービスは会員家族も利用できる。お祝いには「肉ケーキ」や横断幕を作って提供することもある。「コロナ禍にあっても強いのは人的つながりだから、仕掛けづくりはこれからもしていきたい」(細田社長)

活気ある店内
(画像=活気ある店内)

500万円売上で営業利益 20%

たけ田の直営1号店は入間市の武蔵藤沢駅から徒歩8分の通勤動線上にある。2号店は2010年11月にオープンした立川駅前の地下店舗だ。郊外住宅地型と郊外繁華街のモデルを用意し、基本的なパッケージは25坪で、最低20坪以上。乗降客数2・4万人の武蔵藤沢店をもとに控えめに見積もって売上は平常時400万〜450万円、繁忙期で500万〜550万円を想定している。原価が35%、人件費率20%がめやすだが、実績値では33%、 18%も出ている。「FLをコントロールすれば、20%以上の営業利益を残せます」ロイヤリティは3%だ。開業時には同社の規定での居抜きでは坪33万円でダクト工事まで完了する。準スケルトンでは坪58万円。 加盟金300万円、加盟保証金100万円、設計施工監修費50 万円、研修費50万円に什器備品を加えて、1500万〜2000万円以内に収まる計算だ。

研修は22日間のカリキュラムを設定。肉はカット済みのものが真空のリキッド凍結で店舗に納品されるので、仕込みは野菜を切る程度だ。「店長は飲食未経験でも管理能力に長けた人ならできます」。4月16日には北浦和店をオープン。今後一都三県の郊外で繁華街と住宅地が混在する地域を中心に、年内15店出店が目標だ。