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日本M&Aセンターが行うM&A大学。

その卒業生として最前線で活躍するOB・OGバンカーにインタビューする企画の第13弾。 今回は北都銀行 営業推進部 コンサルティング営業室 田口 和史氏にインタビューした。

M&A大学とは
日本M&Aセンターが協業する地域金融機関に向けて行う、研修・出向制度。M&A大学入学者(地銀からの出向者)はM&Aシニアエキスパート研修(JMAC)、評価・概要書研修などの座学と日本M&AセンターとのコンサルタントによるOJTなどを経て、自ら顧客への提案からM&Aの成約、契約の締結までを完結できるM&Aコンサルタントとなることを目指す。

ーー出向期間はどのくらいでしたか?

ちょうど半年間ですね。

ーーM&Aの部署への配属は希望されたのですか?

いえ、全く予想していなかった異動で大変驚きました。当時は入行して4年目でしたが、お恥ずかしい話、そのとき初めて銀行でM&Aが出来ること知りました。そのぐらい何も知りませんでした。

ーー出向に来られる前は、どのような業務をなさっていたのですか?

半年間は本部に在籍し、M&Aチームの上司の下、OJTでM&Aに関しての知識や話法などを勉強しました。 その前は営業店で法人や個人事業主のお客様への融資を担当しておりました。

ーー現在、北都銀行のM&Aチームには何名いらっしゃいますか?

M&A専門は2名です。人数は少ないですが、営業店からの要請に応じてお客様へご訪問させていただいたり、具体的な情報、例えば日本M&Aセンター様の譲渡案件情報などをノンネームでこちらから営業店へ案内し、マッチングできそうな先の情報を収集したりと様々な活動を行っています。

ーー営業店でのM&Aに関する意識はどうでしょうか?

事業承継に関するご相談は非常に多くなってきておりますが、M&Aに関しての意識はまだまだ高いとは言えない状態だと思います。
今年初めに事業承継・M&Aに関するWEBセミナーを日本M&Aセンター様協力のもと開催し、多くのお客様にご参加いただきました。
今後は行員の知識を増やすためにも、日本M&Aセンター様など提携機関先の力を借りながら啓蒙活動を進めていく必要があると考えています。

実務を通して「仲介」業の仕事を知る

ーー半年間の出向期間で、印象的だったことや勉強になったことはありますか?

全国津々浦々色々な場所で様々なお客様のご案件に同行させていただきました。
特に、北海道のお客様のご案件が印象に残っています。TOP面談に同席させていただいたのですが、面談中の仕切りといいますか、オーナーさん同士の会話が弾む流れを最初から最後まで作られていて驚きました。「仲介」業務の意味、大切さを感じる経験となりました。和やかな雰囲気づくりという点でも、学ぶことが多くありました。

ーー銀行に戻られてから、大切にされていることはございますか?

特に売り手のオーナーさんの気持ちに寄り添うことを大切にしています。心情的な面で不安定になりやすいため、ディールを進める上で細かいフォローは非常に重要だと考えています。

ーー出向前後で、当社へのイメージの変化はありましたでしょうか?

出向前は、恐縮ながら詳しくは御社のことを存じ上げておりませんでしたが、成長している会社、バリバリの営業マンが集まる会社、というイメージがありましたね。

実際に出向してみると、本当に皆さん意識の高い方ばかりで、自分自身の仕事との向き合い方についても色々と考えさせられました。厳しい環境の中でやられていて、すごいなと感じました。

ーー日本M&Aセンターのリーダー陣の印象はどうでしょうか?

分林会長や三宅社長など経営陣の方々がオフィスで社員の皆様と積極的にコミュニケーションをとられているのを見て、経営陣と社員の距離が非常に近いと感じました。毎月開催される会議では、営業数字のことだけではなく、結婚祝いや出産祝いなど、経営陣から社員の家族への配慮を感じるようなことも多く、個人も家族も会社も大切にしている会社なのだと感じました。

ーーM&A大学のご出向者さん同士のつながりはいかがでしょうか?

同じ時期のご出向者さん同士で連絡先を交換したので、今でも情報交換などは行っています。銀行の取り組みなどについて時々電話で話す方もいらっしゃいますね。
新型コロナウィルスの影響で出向中に懇親会をすることは難しかったので、基本的にランチに出かけて親交を深めました。皆さんには公私共に色々と教わりながら楽しく過ごしました。

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オーナー自身の意志で決断してもらい、納得のいく選択を

ーー出向から戻られてから、地域創生の為、今どのような想いで業務をされていますか?

秋田の県民性として控えめな方が多いため、M&Aについては決断までに時間がかかる方も少なくないと思います。企業のオーナーさんにどのように自分の意志で納得して決断してもらうかが大切だなと思います。
ただでさえ秋田県は全国的に見ても高齢化や人口減少が進んでおり、このままだと経済面での盛り上がりも少なくなる一方だと考えています。そんな秋田県を少しでも盛り上げるには、事業承継・M&Aはポイントとなります。一つでも多くの企業のお力になれるよう頑張っていきたいと思います。

ーー北都銀行として、お客様に対して取り組んでいることはございますか?

昨年冬から今年にかけて秋田県南部が災害レベルの豪雪に見舞われ、本部からも行員が現地へ向かい営業店やお客様の自宅などで雪掻きをさせていただきました。困っている方々の助けに少しでもなれればと思いました。
これからも事業承継・M&Aをはじめ、北都銀行としてその時々に地域の為になることを考えて行動していきたいと思います。

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