ピエトロ「シェフの休日 イベリコ豚のカルボナーラ」
(画像=ピエトロ「シェフの休日 イベリコ豚のカルボナーラ」)

ピエトロは、冷凍食品の販売を大きく伸ばしている。配荷店が2020年と比べて約2倍になっており、高付加価値商品の可能性を感じさせる。執行役員で広報室長の籠島知宏氏に聞いた。

――現在の販売状況はいかがですか。

2020年4〜12月の推移は、冷凍食品全体で前年同期比134.7%増と伸長しました。普段使いでも少し良いものを食べたいというニーズが高まったためと見ています。販売チャネルは、小売店、通販・オンラインともに販売を伸ばしました。

小売店向けカテゴリー別の売上では、冷凍ピザは前年同期比69%増、冷凍パスタでは、高級感のある「シェフの休日」シリーズは66%増、2020年3月に発売した「シェフの休日」より求めやすい価格の「洋麵屋ピエトロ」シリーズは、計画比81%増で推移しています。中でも、「洋麵屋ピエトロ」シリーズと、冷凍ピザの配荷店は、2020年春と比べて2倍近くに広がりました。このコロナ禍でも定番化の提案を行えたことは大きいです。SNSなどによる口コミの効果もあり、認知は全国へ広がりを見せています。来期は、この配荷店を現在の2倍まで増やせればと思います。また通信販売では、2020年に実施した「通販限定商品」の発売も計画しています。

4月1日には、「洋麵屋ピエトロ博多辛子明太子のクリームソース」を新発売します。当社レストランで定番のクリームソースと、辛子明太子がマッチした一品です。また、「洋麺屋ピエトロなすとひき肉の辛味スパゲティ」と「洋麺屋ピエトロ海老とマッシュルームのバジルクリーム」も味をリニューアルして、発売いたします。

――手ごたえはいかがですか。

そうですね。レストラン発祥のメーカーなので、シェフが開発から製造まで携わった良い商品を提案できたことが大きいと思います。商品の認知も広がっており、これまでは存在しなかった高価格帯の市場が生まれてきているのではとも感じています。

食品販売ではこれまで、ドレッシング、パスタソース、スープの3本柱で進めて来ましたが、新たに冷凍食品を加えて展開します。3月には冷食営業部も立ち上げ、さらに営業強化を進めます。

――市場の動向についてはどのように考えていますか。

先ほども少し触れましたが、付加価値商品の引き合いが増えているのではないでしょうか。今は家でレストランのような味を楽しみたいという人が増えていると感じます。また、日常使いの商品に品質を求めている人が増えてきたり、自分が好きな商品を家族や知人にプレゼントするという買い方もあります。今まではレストランを入口に、パスタソースや冷凍食品などを知るという形でしたが、今後は物販を入口にレストランを知る、という逆の形もあるかもしれませんね。

――今後の取り組みは。

ピエトロは、ファンベースの取り組みを進めてまいります。利用してくださる方の家族や友人に口コミなどで広げてもらえればと考えています。ピエトロが、パスタ専門店だということもSNSなどを通じて全国に認知が広がっています。信頼のある人から「美味しいよ」と言われた方が、「買ってみよう」と思ってもらえるのではないでしょうか。

2020年4月にコミュニティサイトを立ち上げました。コロナが落ち着けば、ピエトロのレストランやショップを、ファンコミュニティの場として冷凍食品紹介を含めた様々なイベントが行えればと思います。

また、春からレストランの出店計画を進めます。ピエトロ商品を直接購入できるリアル店舗として、ピエトロブランドの認知を広げられればと思います。

〈冷食日報2021年3月31日付〉