小4で起業を決めた生来の起業家が作る「AI×音声」の唯一無二のサービスとは?

電話営業やコールセンターの電話応対業務を可視化して科学的に分析するツール「MiiTel(ミーテル)」が、コロナ禍において急激に導入件数を増やしている。MiiTelは何を可視化し、どんな効果を発揮するのか。“小4で起業を決意した”と語るRevComm會田代表取締役に、サービス内容や今後の展開、起業に至る思いを聞いた。

會田武史
會田武史(株式会社RevComm 代表取締役)
1989年生まれ。三菱商事株式会社にて自動車のトレーディング、海外市場での販売/マーケティング施策の企画・立案・実行、クロスボーダーの投資案件・新会社設立、政府向け大口入札案件、M&A案件等に従事。2017年7月に株式会社RevCommを設立し、2018年10月に電話営業・顧客対応を可視化するAI搭載型IP電話「MiiTel」を、2021年1月にオンライン商談ツール「MiiTel Live」を正式リリース。

ブラックボックス化された電話のやりとりを可視化する

――御社の提供する「MiiTel(ミーテル)」はどんなサービスでしょうか?

會田 電話営業やコールセンターの通話業務をAIで可視化し、生産性の向上やコスト削減を実現する音声解析AI搭載型クラウドIP電話サービスです
営業電話や顧客応対の現場では、顧客と担当者の電話やり取りがブラックボックス化してしまう問題があります。つまり、顧客と担当者が「何を」「どのように」話しているのか、上司や訪問営業担当者はわからないし、担当者本人も振り返るのが難しい。そのため、「なぜ」成約・失注したのかも、「なぜ」担当者ごとにアポ率の違いがあるのかわからない。

このような問題を解決するために開発したのがMiiTelです。通話内容を自動録音し、それをAIで詳細に分析することで、通話業務におけるブラックボックス問題を解消します。

――どのような機能を備えているのでしょうか。

會田 特徴的なのは通話音声分析機能です。話し方を自動で解析すると同時に、全文をAIが文字起こしして記録します。さらに文字起こしされた内容は自動で要約されシステムに入力されるので、システムへの入力、報告工数がゼロになり、圧倒的に生産性が向上します。

また、通話をAIが解析して定量評価します。評価項目としては、会話の速度、顧客が話している時間、担当者が話している時間、沈黙の時間、ラリーの回数、言葉をかぶせた回数・率、事前に設定したキーワードの発言回数などがあります。

さまざまな角度から通話内容を分析することで、「なぜ」成約・失注したのかも、「なぜ」アポイント獲得率が高い・低いのか、要因を把握できます。これにより、担当者はセルフコーチングで電話応対の品質を改善できますし、上司のフィードバックもやりやすくなります。

――文字起こしの精度についてはどうでしょうか。

會田 専門用語の有無などにより多少の差はありますが、おおよそ90~95%の精度です。自然会話かつビジネス会話に特化した解析エンジンを自社開発しているからこそ、このような高い精度を実現できています。

――インサイドセールスやコールセンターで使われるツールは他にもたくさんあります。それらとの違いは?

會田 会話内容を可視化して分析できる点です。音声を正確に認識し、文字起こしし、会話内容を分析できるツールは他に見当たりません。MiiTelはそれができる唯一のツールであり、しかも初期費用無料で、毎月の利用料は1IDにつき5,980円からとお手軽です。

なおMiiTelは、インサイドセールスやコールセンターで使われるSFA(営業支援)やCRM(顧客関係管理)、MA(マーケティングオートメーション)などのツールとも柔軟に連携可能です。2021年1月には、オンライン商談ツール「MiiTel Live(ミーテルライブ)」をリリースしました。これにより、電話営業からオンライン商談までワンストップで対応できるようになりました。

「仕事が楽しくなった」の声も

――MiiTel導入企業ではどんな効果が生まれていますか?

會田 電話対応履歴や会話内容を記録する作業を丸ごと削減できるので、生産性向上につながります。さらに通話音声分析によって通話の質が上がり、成約率も高まります。またMiiTelはクラウド型のIP電話なので、電話機やPBXといったハードウェアを削減することができます。セルフコーチング機能によって教育工数も削減できます。

あるお客様では、導入後4カ月で商談獲得率が62%アップした一方で、架電工数230日相当の削減、通話・録音費用42%の削減、教育工数30日相当の削減、ハードウェア費100万円のコスト削減も実現し、トータルのROIは500%を超える実績が出ています。

――定性的な効果はどうでしょうか?

會田 「電話が楽しくなった」という声は聞かれますね。電話応対の業務に対して、「つらい」「しんどい」と思いながら取り組んでいる人は多くいます。MiiTelを通した電話応対では、成功の理由や問題点が科学的に浮き彫りになりますから、「お客様への切り返しがうまくできた商談と分析結果をチームメンバーに展開しよう」「お客様の発言にかぶせて発言している回数が多いので、じっくりと待って話そう」といったように具体的に進化できるわけです。その結果、アポ率が上がったり顧客満足度が上がったりすることで、仕事の楽しさ・やりがいを感じられるようになるわけです。

またある会社では、「上司は担当者のコンディションをMiiTelで把握し、メンタル面で適切なフォローができるようになった」「従来なら育休からの復帰を諦めていた人が、MiiTelなら在宅でも仕事ができるので復帰できた」といった声も聞かれました。

――導入件数は?

會田 2018年のローンチから2020年12月までの約2年半で、業種や企業規模を問わず約400社・約1万5千ユーザーに導入いただいています。特に2020年のコロナ禍で、急きょ在宅勤務の仕組みを整えなければならなくなった企業様が導入されたケースが多いです。

海外展開、プラットフォーム化など広がる野望

――MiiTelは今後どのように展開していくのでしょうか。

會田 まず機能面を充実させていき、最終的には「自動アポ取りAI」を作ります。これにより人間を電話営業から解放することになります。これは1、2年でリリースできます。

また、現在は日本のみで提供しているサービスを海外にも広げていきます。直近ではインドネシアでテストマーケティングを始めています。

MiiTelがカバーする対象業務については、インサイドセールスやコールセンターだけでなく、ミーティングや経営にも広げます。アマゾンのレコメンド機能のような、「経営判断AI」を2027年頃までに作りたいと思います。

また、解析エンジンをプラットフォーム化して外部に提供できるようにします。医療、介護、不動産、HRなどのさまざまなビジネスでMiiTelの解析エンジンが使われる状況を想定しています。

このように4つの軸でプランを考えているので、あとは粛々と実行していくのみです。

小4の時、ビジネスの可能性と限界を知った

――會田さんがRevCommを起業したきっかけは?

會田 小学4年生の時に、将来起業することはすでに決めていました。私の祖父も父も事業を営んでおり、その影響を受けたからだと思います。ただ、具体的にやりたいビジネスはないまま大人になりました。

そして社会人6年目の時に「このままでは一生見つからない」と考え、今後数年の間にニーズが高まるもので、なおかつ自分が好きなことは何かと考えた時、「AI×音声×クラウド」という結論に至りました。その領域で市場を調査し、具体的な経営戦略に落とし込んでいったところ、MiiTelというビジネスモデルを思いついたというわけです。

そして2017年9月に当社を設立し、2018年2月にアルファ版、同7月に正式版をローンチするに至りました。

<会社情報>
会社名:株式会社RevComm
住所 :本社・〒150-0002東京都渋谷区渋谷1-3-9ヒューリック渋谷一丁目ビル7階
資本金:1,671百万円(資本準備金含む)
代表者:代表取締役 會田 武史
従業員数:83名
事業内容:AI × Voice × Cloudのソフトウェア、データベースの開発
電話番号:03-4405-4621
メール:info@revcomm.co.jp
URL:https://www.revcomm.co.jp/

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