3月9日〜12日の4日間にかけて千葉市美浜区の幕張メッセで開催された「フーデックスジャパン2021」の出展企業を紹介する。会場では、大豆ミートなどの植物性食品を出展する企業が目立ち、来場者の関心を集めていた。
あづまフーズ(三重県三重郡)はベジミート「ソイマイスター」を紹介した。同社はもともと生鮮水産加工食品の販売を行っており、居酒屋の王道メニューのたこわさを最初に開発した企業でもある。独特の魚介臭のマスキング技術を有していたことから、2014年からベジミートの取り組みを開始し、大豆臭の軽減を実現したという。
ラインアップは、照焼きチキン、焼き肉、台湾ミンチ、そぼろ味無しの4種類をそろえる。
「水産品の技術を応用できた。香りをうまくマスキングできている」と訴求する。ヴィーガンスペック(認証有り)、グルテンフリースペックで、解凍後すぐに使用できる。海外に向けては、希望の形状や味付けでのOEM実績も数社あるという。たこわさは2020年暮れに30周年を迎えており、発祥企業であることを再度周知するとともに、「大豆ミートを扱っていることを知られていないのでアピールしたい」とした。
また、開発途中の商品として、シシャモの卵、まさごを植物性素材で代替した「ウマミマサゴ」も展示した。白キクラゲを加工し、色付けした商品だという。
あづまフーズは水産品の商品で「まさごオレンジ」という、小鉢や寿司種など向けの商品を販売している。ただ、仕入れ国のアイルランドで2020年と2019年、からふとシシャモが禁漁となり、2021年は漁こそ始まっているが、通常の倍の価格になっているという。現状、商品の供給が難しいといい、持続可能な開発を目指すため「ウマミ マサゴ」の開発を行った。植物性のみにこだわるのではなく、オリジナルの「まさごオレンジ」に混ぜ込むなど、「多様性がある形で商品を提供できれば」としている。
また、「現在はフェイクまさごのみだが、ほかのベジシーフードの開発にも動いている」とし、その中には、大豆を使った商品も含まれているという。「水産品がメインの事業なので、次世代の水産品をつくる」と意気込みを述べる。
〈大豆油糧日報2021年3月15日付〉