注目度が高まる「環境ラベル」 企業が取得すべき理由とは
(画像=PIXTA)

建築業者などが工事を進める上で、施工計画書は必須となるものだ。施工計画書は工事全体のクオリティに関わってくるため、経営者や作成担当者は正しい知識を身につけておく必要がある。そこで今回は、施工計画書の作成方法やポイントを分かりやすくまとめた。

施工計画書とは?作成する目的やタイミング

施工計画書とは、工事現場の安全性・効率性を高める目的で事前に作成しておく計画書のことだ。建設工事はもちろん、土木工事や電気設備工事など、あらゆる工事現場において施工計画書は必須のものとなる。

施工計画書の作成者はケースによって異なるが、基本的には施工会社による作成が望ましい。実際に工事にあたるものが作成することで、改善点や修正点などを見極めやすくなるためだ。

したがって、下請け業者が施工にあたる場合は、その業者の現場監督者が施工計画書を作成し、完成した計画書を請負業者に提出する流れが一般的となっている。

施工計画書を作成するタイミング

施工計画書の作成期間は、一般的に3週間~1ヶ月程度と言われている。工事の規模によっては作成期間を短縮することも可能だが、内容次第では役所から承認されない恐れがあるため、施工計画書はできる限り早めに作成しておくことが重要だ。

施工計画書は遅くても工事開始の3週間前までに提出する必要があるので、工事日程が決まった段階で全体のスケジュールを策定しておこう。

施工計画書の記載内容は?必要な項目の一覧

施工計画書の形式は企業によって異なるが、記載内容のなかには確実に必要な項目がいくつか存在する。そこで以下では、施工計画書に記載すべき項目を一覧表としてまとめた。

施工計画書の必要項目概要
1.工事概要工事名や工期、工事内容、工事場所、請負金額など、工事全体の概要を記載する。
2.計画工程表施工順序や工種ごとの施工期間を記載する。
3.現場組織表現場の命令系統や業務分担など、工事における組織構成を記載する。
4.指定機械設計図書で指定した機械の情報(名称や台数、規格など)を記載する。
5.主要船舶・機械指定機械以外の機械(工事で使用するもの)の情報を記載する。
6.主要資材工事で使用する資材の情報(品名や数量、規格など)を記載する。
7.施工方法主要な工種の施工方法や順序を、計画工程表よりも詳しく記載する。
8.施工管理計画出来形や品質、工程など、工事全般の管理方法を記載する。管理方法を明示するために、必要に応じて図表などを使用することが多い。
9.安全管理事故防止に関する事項に加えて、安全管理組織や現場内の点検整備などを記載する。
10. 緊急時の体制及び対応事故や災害が発生したときの連絡体制や、資材・設備の確保体制などを記載する。
11.交通管理現場周辺の交通安全対策や規制方法、過積載防止対策などを記載する。
12.環境対策公害の発生を防ぐために、騒音や振動などへの対策を記載する。
13. 現場作業環境の整備現場や事務所の環境整備に関する計画を記載する。周辺環境に即した内容に調整する必要がある。
14. 再生資源の利用の促進と建設副産物の適正処理方法建設副産物の処理方法や、再生資源の活用方法について記載する。

上記のほか、企業によっては「安全・訓練の活動計画」や「イメージアップの実施内容」なども記載項目に含めている。施工計画書に必要な情報はケースによって異なるため、現場の状況や工事内容を踏まえて記載項目を都度調整していこう。

施工計画書の作成手順

上記の通り、施工計画書にはさまざまな情報を記載しなくてはならない。では、質の高い施工計画書をスムーズに作成するには、どのような手順で作業を進めるべきだろうか。

ここからは、施工計画書の一般的な作成手順を紹介していく。

【STEP1】工事に関する書類の確認

施工計画書を作成するには、最初に工事の全体像を把握する必要がある。その第一段階として、まずは工事に関する書類を細かくチェックしていこう。

具体的な書類としては、設計図書や図面などが挙げられる。また、施工計画書には請負金額を記載する必要があるので、各契約書類のチェックも必須だ。

これらの書類を細部までしっかりと確認し、工事の要点を事前にまとめておこう。

【STEP2】現場状況のチェック

施工計画書は、工事現場や周辺状況に合わせて内容を調整する必要がある。そのため、現場状況を細かく把握できていない場合は、直接足を運んで状況をチェックしなければならない。

現場状況のチェックは、単に目で確認するだけでは不十分だ。実際の工事内容をシミュレーションしながら、各工程に関する精査を行う必要があるので、ある程度の時間がかかることは覚悟しておきたい。

【STEP3】発注者との協議

施工計画書の作成前には、発注者と細かく意識共有をすることも重要だ。完成形と発注者のイメージとの間にズレがあると、大きなトラブルに発展しかねない。

したがって、ここまでの段階で疑問点・懸念点などが生じた場合は、発注者にその内容を早めに伝えて、必要があれば時間をかけて協議しよう。この協議を挟むだけで、想定外のトラブルやリスクを防止できる。

【STEP4】ひな形の入手・作成

白紙の状態から施工計画書を作り始めると、必要な項目の記載を忘れてしまうリスクがある。そのため、施工計画書の作成前には、全体の型となる「ひな形」を用意しておきたい。

前述の通り、工事内容によって施工計画書の必要項目は変わるため、ひな形を準備する際にも工事内容を強く意識することが重要だ。該当する工事には「どんなリスクや不安要素があるのか?」を考えながら、必要な項目をひとつずつ書き出していこう。

【STEP5】施工計画書の作成

ひな型を用意したら、いよいよ施工計画書の作成に取りかかる。作成したものがそのまま承認・承諾されるとは限らないため、前述で解説したスケジュールを意識しながら、可能な限り早めに施工計画書を完成させよう。

施工計画書を作成する際のポイントや注意点3つ

ここからは、施工計画書を作成する際のポイントや注意点を紹介していく。以下のポイントや注意点を軽視すると、作成した施工計画書の質が大きく下がってしまうので、ひとつずつ丁寧に読み進めていこう。

1.すべての工程において「5W1H」を明確にしておく

施工計画書を作成する上で最も重要になる点は、手戻りを防ぐことだ。内容の不備によって手戻りが生じると、さまざまな関係者に迷惑をかけてしまう。施工計画書をチェックするのはあくまで他人であるため、誰が見ても分かるような計画書を作成しなければならない。

そこで意識しておきたいポイントが、すべての工程において「5W1H」を意識すること。以下のように5W1Hを明確にするだけで、施工計画書は非常に見やすいものとなる。

5W1Hの種類概要
・Who誰が(どの現場担当者・作業員が)
・Whenいつ(どのタイミングや日時で)
・Whereどこで(工事現場のどの場所で)
・What何を(どのような作業を)
・Whyなぜ(どのような理由で)
・Howどのように(何を使って行うのか)

すべての関係者が工事内容をイメージできるように、上記の5W1Hは必ず意識しておこう。

2.現場作業員の負担を増やしすぎない

質の高い施工計画書を作成するために、安全管理や交通管理の内容に力を入れる企業は少なくない。しかし、内容にこだわりすぎて作業量が増えると、現場作業員に無茶をさせることになるため要注意だ。

現場作業員の負担を増やしすぎると、工事が計画通りに進まなくなってしまう。例えば、「機械の安全管理に1時間かける」「交通整備に10人の作業員を投入する」などの記載内容があると、現場の人間はそのルールを遵守して作業にあたるため、確実に進捗が遅れるだろう。

これは極端な例だが、工事を進める上でスケジュールを守ることは前提となるため、特に安全性を高めたい場合は「進捗とのバランス」を意識しよう。

3.実際の工事では、施工計画書と同等以上のクオリティが求められることを理解する

工事が完了した後の評価は、施工計画書の内容をもとに行われる。つまり、実際の工事のクオリティが施工計画書の内容より低いと、高い評価を受けることは難しい。

この点は、施工計画書の作成者が確実に理解しておきたい落とし穴だ。例えば、手戻りを恐れて現実的ではない施工計画書を作成すると、関係企業全体の評価が下がることになる。

したがって、施工計画書の作成時には質の高さだけではなく、「実現性」にも強くこだわっておきたい。

施工計画書をスムーズに作る方法は?活用したいツール2つ

施工計画書を手作業で作成すると、必要項目の記載だけでも多くの時間を費やしてしまう。作成時間を少しでも削減したいのであれば、世の中のツールをうまく活用することが必要だ。

そこで以下では、施工計画書の作成に活用したい2つのツールを紹介する。

1.表計算ソフト

パソコンの文書作成ソフトや表計算ソフトを使用すると、作成した施工計画書をデータとして保存できる。特に表計算ソフトは、インターネット上に公開されているテンプレートと組み合わせて使用できることがあるため、ぜひ活用を検討したいツールだ。

例えば、一般社団法人の日本建設連合会は、表計算ソフト(Excel)に対応した形でさまざまなテンプレートを公開している。ただし、テンプレートに必要な項目がすべて含まれているとは限らないので、使用前には必ず内容をチェックしておこう。

2.専用のソフトウェア

パソコンで使用するソフトウェアのなかには、施工計画書の作成に特化したものがいくつか存在する。例えば、項目の設定変更が容易であったり、工事成績評定の考査項目一覧が搭載されていたりなど、専用のソフトウェアには便利な機能が数多く備わっている。

ただし、専用のソフトウェアは基本的に有料であるため、導入コストについては慎重に検討しなければならない。また、製品によって機能は大きく異なるので、導入するのであれば製品同士の比較も忘れないようにしよう。

施工計画書の内容は、工事全体のクオリティに影響する

質の悪い施工計画書を作成すると、工事全体のクオリティも下がってしまう。また、手戻りを繰り返すと、当初のスケジュールに間に合わなくなる恐れがあるため、施工計画書は丁寧に作成することが必要だ。

スムーズかつ質の高い施工計画書を作成するには、作成者本人の能力だけではなく周りの環境も重要になるため、必要に応じてツールを導入するなどの施策を考えていこう。

著:片山 雄平
1988年生まれのフリーライター兼編集者。2012年からフリーライターとして活動し、2015年には編集者として株式会社YOSCAに参画。金融やビジネス、資産運用系のジャンルを中心に、5,000本以上の執筆・編集経験を持つ。他にも中小企業への取材や他ライターのディレクション等、様々な形でコンテンツ制作に携わっている。
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