MA Channel:ちょっとためになるコラム
(画像=takasu/stock.adobe.com)

いよいよ、激動だった2020年も終わりを迎えようとしてます。まさにコロナにはじまりコロナで終わったそんな1年でした。そんな激動の1年の中、日本M&Aセンターには2020年4月の緊急事態宣言の発令以降、多くの「事業承継」に関するご相談をいただきました。
コロナ禍という非常事態の中、事業承継が前倒しとなっている印象を受けたのと同時に、まだまだ「M&A」が事業承継のツールだという認知を広げる必要性があると感じた1年となりました。

過去最多ペースで推移する「廃業」

2020年、新型コロナウイルス感染症は、日本経済に大きな影響を与えました。
「倒産」が新型コロナウイルス感染拡大への政府の資金繰り支援や金融機関の弾力的な対応等で抑制傾向にある中、「廃業」が急増しています。
11月26日に公表された東京商工リサーチの調査によると、2020年1~10月の「休廃業・解散」累計件数は4万3,802件に達し、2019年の年間件数(4万3,348件)をすでに上回っており、このペースで推移すると2000年以降で最多だった2018年(4万6,724件)を上回るのは確実な状況にあります。

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(画像=2020年1~10月「休廃業・解散、倒産件数」推移(東京商工リサーチ) MA Channel:ちょっとためになるコラム)

3年連続で低下も相変わらず高水準の後継者不在率

また、11月30日に公表された帝国データバンクの最新の「後継者不在率動向調査」では、2020 年の後継者不在率(全国・全業種)は 65.1%と3 年連続で低下していますが、3社に2社が後継者不在という高水準になっています。
これは、官民一体となった後継者問題に対する支援で一定の効果が出ていると推察されますが、事業承継の検討時期に入る50代の後継者不在が70%近いという点は、引き続き大きい課題といえます。

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(画像=「後継者不在率(全国・全業種)」推移(帝国データバンク) MA Channel:ちょっとためになるコラム)

絶対に避けていただきたい「廃業」、会社が存続可能な「M&A」という選択肢

このような直近の経済動向の中で、絶対に避けていただきたいのが「廃業」という選択肢です。現在のコロナ禍において、真っ先に「廃業」を思いうかべてしまう経営者の方々も多いのではないかと思います。
ですが、仮に廃業を選択した場合、基本的に会社が存続しないことを意味します。これにともない従業員は次の職を探さなくていけなくなり、得意先も新たな取引先を探さなくてはいけなくなるなどの影響があり、場合によっては連鎖廃業の可能性もあります。
地域経済ひいては日本経済に影響がでることが想定され、「廃業」という選択肢の前に会社が存続するほかの選択肢も視野に入れていただければと思います。

「廃業」とは異なり、会社を存続させることができる選択肢の一つに「M&A」があります。M&Aは、基本的に従業員の雇用は守られ、得意先との取引も継続されます。そしてなにより、これまで育ててこられた大切な会社への“熱い想い“を存続させることができるのが「M&A」の最大の特徴です。経営者の方々にとって、自ら経営されてきた会社は”お子さま“のような存在だとおっしゃられる方が多くいらっしゃいます。その大切な会社を存続させることこそ最も重要なことだと思います。

年末年始でご検討いただき、早めのご準備を

2020年は新型コロナウイルスに翻弄された1年となりましたが、年末年始で改めてご自身の経営されている会社について深く考えるお時間があるかと思います。
コロナ禍が浮き彫りにしたのが、外部環境による変化はいつなんどき訪れるか予想することが困難であるということです。今後もコロナ禍が続くと想定される中、重要となるのが「早めの準備」です。
今回の年末年始では、なかなかご家族で団らんすることは難しいかと思いますが、ご子息の事業承継をお考えの場合は、ぜひ「M&A」という選択肢も入れていただき、「早めの準備」に備えていただければと思います。
「事業承継」についてなにかお困りの場合は、遠慮なくご相談ください。

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齊藤 宗徳(さいとう・むねのり)
営業企画部 広報・PR課
立教大学経済学部卒業後、2007年国内大手調査会社へ入社。国内法人約1,500社の企業査定を行うとともに国内・海外データベースソリューション営業を経て、Web戦略室、広報部にてWebマーケティング・広報業務を経験。2019年に日本M&Aセンターに入社し、営業企画部にて広報・Web業務に従事。
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