2018年のスポーツシューズ国内市場規模は数量ベースで前年比104.5%、金額ベースで同103.9%と、ともにプラス成長
~2019年以降、日本では国際的なスポーツイベントが続き、スポーツを楽しむ人は増加し、スポーツシューズ市場全体も拡大の見込~
株式会社 矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、2019年のスポーツシューズ国内市場を調査し、製品セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
スポーツシューズ国内出荷数量推移・予測
スポーツシューズ国内出荷金額推移・予測
1.市場概況
2018年のスポーツシューズ国内市場規模(メーカー出荷ベース)は、数量ベースで前年比104.5%の1億507万足、金額ベースで同103.9%の4,212億2,000万円となった。
とくに金額規模で3割以上のシェアを占める多目的シューズ(カジュアルスニーカー)の2018年国内市場規模は、数量ベースで前年比107.6%の3,794万足、金額ベースで同108.4%の1,585億2,000万円と成長し、市場全体を牽引した。インバウンド(訪日外国人客)消費や、スポーツブランドのウェア・シューズを街着としてコーディネートに組み込むアスレジャー需要などが背景にある。
2.注目トピック
ミズノとマドラスが協業 スポーツシューズの製品開発は新たな局面へ
カジュアルスニーカーのブームによって需要が流出して以降、ウォーキングシューズは新しい価値を創出できないまま低迷が続いている。これまでの中心顧客となってきた中高年層もカジュアルスニーカーを着用するようになり、人口減少も加わってウォーキングシューズのターゲットは縮小の一途をたどる。
こうした厳しい市場環境のなかで活路を見出すべく、大型のコラボレーションが発表された。ミズノ株式会社と革靴メーカーのマドラス株式会社が協業することになったのである。ウォーキングシューズ市場と同様に、革靴市場もカジュアルスニーカーへの需要流出によってシュリンクが続いている。マドラスは、生き残りを図るうえで多くのスポーツテクノロジーを有するミズノに対し協業を働きかけた。両社の強みを融合することで、最も相乗効果を発揮できる協業先がミズノだったという。
革靴メーカーとスポーツ用品メーカーがコラボレーションするという局面を迎え、スポーツシューズ市場はビジネスパーソンを新たな顧客として開拓できる土壌ができあがった。これを新たな商機とできるか、今後おおいに注目したいところである。
3.将来展望
2019年のスポーツシューズ国内市場規模(メーカー出荷ベース)は、数量ベースで前年比102.2%の1億734万足、金額ベースで同102.7%の4,326億2,000万円で推移すると予測する。
2019年から2021年にかけて、日本では国際的なスポーツイベントが続く「ゴールデン・スポーツイヤーズ」となることから、日常的に気軽にスポーツを楽しむ人は増加すると見られ、スポーツシューズ市場全体の拡大が見込まれる。