士業業界,悩み
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7年間ダメ営業マンだったという営業コンサルタントの菊原智明氏。
そんな彼をトップ営業マンに返り咲かせたのは、顧客との接触ツール「営業レター」だといいます。
菊原氏自ら営業術を伝授していただきました。

〝営業レター〞で定期的に接点をつくる

長く営業マンとして活躍する人は、保留になったお客様はもちろんのこと、
少しでも接点があった人へのフォローを欠かしません。
チャンスを無駄にせず、大切に育てています。
具体的にいうと、将来の見込み客に対して〝お役立ち情報〞を提供し続けているのです。
これを営業レターと呼んでいます。

どんなにすごい人でも一本釣りでは売り上げは安定しません。
やがて、営業アプローチに疲れ果てて成績が落ちていきます。
やはり育てるツールがなければ長続きしません。
人口減の令和の時代、お客様へ情報を提供し続けることで
接点を持てる営業レターは必須のツールになるのです。

現代のお客様は、ハードなアプローチを嫌います。
アポなし訪問やテレアポをされただけで、欲しいものでもいらなくなるお客様もいます。
一番怖いのは、そうすることで自分の価値を下げてしまうことです。
士業の方はとくに、ハードにアプローチすることで
自分の価値を下げてしまうと、仕事が依頼されにくくなるのです。
これが最大のデメリットです。

一方、商品に自信を持っていて、
なおかつ定期的に役立つ情報を送ってくる営業マンはどうでしょうか?
そうした営業マンに対しては、悪い印象は持たないものです。
まずは、定期的に接点を持つことが重要です。
そうすることでお客様の記憶に残ります。
ほとんどの営業マンは一回接触してダメならもうアプローチしません。
定期的に営業レターで接点を持っておけば、いざという時、真っ先に思い出してもらえます。

もし、現在契約している顧問理士に対して、
「こまめにフォロ ーをしてくれない」
「会社経営に有効な会計情報を提供してくれない」
といった不満を抱いている経営者がいれば、乗り換えのチャンスが訪れます。
営業レターを送っておけば、
「いつも資料を送ってくれている、あの先生に一度相談してみようかな」
と顔を思い出してくれる可能性が高くなります。
用も無い時にいつも顔を出していると、うっとうしいと思われますが、
遠くから見守り、本当に困った時に丁寧に対応すれば重宝されるのです。

お客様から声をかけてもらうためには、営業レターを効果的に組み合わせ、
定期的に情報提供していく必要があります。
お客様にとって役立つ情報をシリーズ化して数回に渡って送ることが大切です。

やみくもに営業活動をしても契約は取れません。

営業レターは残業減コスト減にもなる

従来はお客様と営業マンがいた場合、営業マンがお客様にアプローチをしていました。
しかし、営業レターが目指す先は、
お客様から「相談があるのですが」と声をかけてもらうことです。
そのほうが、断然仕事がしやすくなります。
これだけで無駄な残業が減り、効果的に時間を使えるようになります。

交流会で集めた名刺にも効果的にアプローチできます。
「名刺交換しても、今後につながるか分からない」という方には、効果的なツールになるでしょう。
現代のお客様は数年前と違い、 警戒心が強く、ガードも固くなっています。
その点営業レターであれば、ソフトに歩み寄ることができ、
お客様の手が空いた時にじっくり読んでもらえます。

また、コスト的にもメリットがあります。
直接お客様を訪問するとなれば、交通費や人件費などもかかります。
その点、ハガキなら62円、手紙でも82円で、全国どこでも送ることが可能です。
その上訪問するよりも何倍も自分の言いたい事が伝わります。特別な才能は必要ありません。
新入社員でも営業センスがなくても結果が出るようになります。
このようにして、接点のある見込み客に役に立つ情報を送ってみてはいかかでしょうか?


※月刊プロパートナー2019年8月号より抜粋

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プロフィール
菊原 智明氏
菊原 智明氏
営業コンサルタント
関東学園大学経済学部講師

トヨタホームに営業マンとして入社後、7年間クビ寸前の苦しい時代を過ごす。
訪問から「営業レター」に変えたことをきっかけにダメ営業マンから4年連続トップ営業マンに返り咲き。
現在は上場企業を中心に営業研修・講演を行う。
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