WORDS by EXECUTIVE
(画像=Tobias Arhelger/stock.adobe.co)

「実現には多様なパートナーやテクノロジーが必要です」——。トヨタの自動運転関連ソフトウェアの開発を担うトヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント(TRI-AD)のジェームス・カフナーCEO(最高経営責任者)はこう強調した。

この発言は、運用総額8億ドルのグローバル投資ファンドの設立に関する発表に合わせて述べたものだ。来年トヨタが着工するWoven Cityプロジェクトの成功などに向け、さまざまな企業・技術に投資をしていくことに意欲を示した形だ。

連載「経営トップ、発言の真意——WORDS by EXECUTIVE」、今回はTRI-ADのジェームス・カフナーCEOの発言を取り上げ、Woven Cityプロジェクトの概要などに迫っていこう。

TRI-ADとはどんな企業?

現在、トヨタを含む日本そして世界の自動車メーカーやIT企業などが、自動運転技術を競うように開発している。

AI(人工知能)が運転操作を担う自動運転技術が進化すれば、人が運転するよりもはるかに交通事故が減ると考えられており、いずれは全てのクルマが自動運転化されるといわれている。つまり、自動運転は次なる有望市場であるとも言え、多くの企業がこの領域に参入しているのだ。

そんな自動運転技術の関連ソフトウェアを開発しているのがTRI-ADで、自動運転向け地図の作製などに関する取り組みで存在感を高めてきた。2021年にはウーブン・プラネット・ホールディングスを持株会社とした3社体制に移行し、事業をさらに加速することを発表している。