「もしマスクの着用や我々のルールに応じない場合、警察を呼ぶことになるかもしれない」——。新型コロナウイルス対策で、マクドナルド(McDonald's)のクリス・ケンプチンスキーCEO(最高経営責任者)が米テレビ局のインタビューにおいて、このように語っている。
ファストフード世界大手のマクドナルドの姿勢はほかの飲食チェーンへ影響を与える可能性が高い。同社の対応はコロナ対策の「ひな形」としてセオリー化するのだろうか。
連載「経営トップ、発言の真意——WORDS by EXECUTIVE」、今回はマクドナルドのクリス・ケンプチンスキーCEOの発言に焦点を当て、同社のコロナ対策やほかのチェーン店に与える影響などについて解説していく。
「マスクの着用をお願いするのが賢明だと判断した」
ケンプチンスキーCEOは米テレビ局CBSのインタビューにおいて「我々はクルー(従業員)とカスタマー(客)の安全の確保に向け、多くの時間を費やしてきた」とした上で、「カスタマーにもクルーと同様にマスクの着用をお願いするのが賢明だと判断した」と述べている。
マクドナルドはこのインタビューが行われる前の7月下旬に、アメリカの店舗において、全クルーのマスク着用に加え、客にもマスク着用を求めることを発表している。ただ客へマスク着用を求めることに関しては、いくつか工夫がしてある。