「とんこつ鶏ガラ醤油 ばり馬」「丸鶏醤油ラーメン とりの助」「石焼濃厚つけ麺 風雲丸」運営
ウィズリンク[広島市安佐南区]
富谷 薫社長(56)

濃厚さを売りにしたラーメンが特徴のウィズリンク。同社は「とんこつ鶏ガラ醤油 ばり馬」「丸鶏醤油ラーメン とりの助」「石焼濃厚つけ麺 風雲丸」の3ブランドで、国内外79 店舗を展開するFC本部だ。同社の特長は商品力やオペレーション、教育体制といったチェーンでは必須の項目それぞれで高いレベルを保っている点。また郊外立地であることから、コロナ禍でも大幅な打撃を受けず堅調な売上を保っている部分も特長だ。(※2020年12月号「特集●コロナ禍でも強い地方・郊外型FCビジネス 」より)

富谷 薫社長(56)
(画像=富谷 薫社長(56))

ウィズリンクは2003年の初出店後、地元広島を中心に中国地方でのドミナント出店を行ってきた。以前よりロードサイドや地方の郊外立地で出店してきたが、コロナ禍でも6月以降の売上平均は、昨年対比で85%で推移している。

コロナ禍でも比較的打撃を受けずに運営ができているのは、「メニューラインアップの豊富さ」と同社の富谷薫社長は話す。ご飯類やから揚げ、餃子など、ラーメン以外の商品を以前より充実させてきたことから、幅広い年代のお客を対象にできたことが大きいという。

また常連客の来店を促すために寄与したのが、各店で行っている「漬物バイキング」だ。これは各店舗で1種類以上用意しており、「ばり辛漬け」や「たくあん漬け」「壺漬け」や「白菜漬け」などがある。また店舗によってはそれ以外の漬物を置いている店舗もあるが、ラーメンが来るまでのツマミとして、またご飯のお供として気軽に食せることから、「お客様からの反響が一番多い」(富谷社長)という。

同社が展開する3ブランドは、ブランドごとで見ると専門店に分類される。しかしこのような多種メニューやおまけ商品のような施策が結果的に来店者層の幅を広げることにつながっている。

▲視認性の高い店舗作りも特長
(画像=▲視認性の高い店舗作りも特長)

スープの準備は開店1時間前から

ウィズリンクが他のラーメンチェーンと比べ、大きく異なる点といえば、「フォーマット化されたモデル」であること。表向きには属人的な個店のテイストを持たせつつ、内側のビジネスモデルとしては各所で体系化されている。

たとえば提供する食材だが、麺は店舗によっては自店の製麺室で行われている。これは鮮度はもちろんのこと、食材原価の低減にもつながる。

そしてスープについても、同社のセントラルキッチンで生成されたものを急速冷凍した上で、各店舗へ配送している。そのため、現場ではポーション加工されたスープを分量調整するだけでよい。

「ラーメン屋さんは夜中か朝早い時間から時間をかけてスープの仕込みをしているイメージがありますが、我々は開店の1時間前に来ればスープの準備も完結します。そのため労働時間や教育の時間を削減できますし、味のクオリティも安定する。なおかつそれで専門店の味が出せるとなれば、文句はないかと」

また社員やスタッフの研修体制も同様だ。開業の際に行う研修期間は約1週間設けられており、本社のトレーニングセンターでOFF-JTとOJTの双方で学ぶ。そして基礎を学んだ後、実際に直営店の研修店舗にてシフトインし、店長のマネジメント業務に至るまでを学んで習得する。

スタッフの研修についても「店長マニュアル」や「仕込みマニュアル」「接客マニュアル」といったツールをそれぞれで提供している。このように細部に至るまでを体系化することで、未経験者や異業種参入に対する障壁を下げることができているという。