矢野経済研究所
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2021年3月末のオートリース車両保有台数は前年同期比3.7%減の374万台の見込

~2020年3月末は388万台となるも、新型コロナウイルスによる経済低迷が打撃に~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のオートリース市場の調査を実施し、現況や参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。

オートリース車両保有台数規模推移と予測

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1.市場概況

 一般社団法人日本自動車リース協会連合会によると、2020年3月末時点のオートリース車両保有台数は、2019年3月と比較して4.1%増の388万台であった。2012年3月から9年連続で増加している。
 増加の背景には、法人向けオートリース市場においてリース化率の低い地方部における中小企業の顧客開拓が進んだこと、また個人向けオートリース市場において新規参入事業者による顧客獲得が加速したことが挙げられる。特に個人向けオートリース市場は、2020年3月末時点のリース車両保有台数が前年同期比21.7%増の37.4万台となるなど、オートリース市場全体の成長を牽引し始めている。

2.注目トピック

「モビリティサービス会社」への転換を図る動きが加速

 将来の成長を見据えた事業ドメインの拡大に向けて、既存のオートリース事業との相乗効果創出を図る企業が増加している。法人リースの顧客企業に対し、リース車両(社用車)における社員の私的利用を認めることでコスト削減や柔軟な自動車利用の実現に繋げる「法人リース×カーシェアリング」の新規サービスが登場した。また、個人向けオートリース市場においても新規参入者による「オートリース×カーシェアリング」のサービスが出現した。このように、オートリースと他の賃貸サービスを融合した新規サービスにより、オートリース市場全体の活性化が進んでおり、今後市場の拡大も加速していくものとみられる。

3.将来展望

 2020年は年初から新型コロナウイルスの流行により、経済全体が低迷している。オートリース市場の主要顧客である法人ユーザーにおいては業績悪化からコスト削減意識を強め、減車傾向を示すなど、市場への影響が懸念される。したがって、2021年3月末時点のオートリース車両保有台数は前年同期比3.7%減の374万台と見込む。さらに2023年3月末時点までのオートリース車両保有台数については、新型コロナウイルスの影響度合いに応じて3つのシナリオを想定し、それぞれ2023年3月末時点で【シナリオ1:順調成長パターン】412万台、【シナリオ2:成長鈍化パターン】395万台、【シナリオ3:減少基調パターン】353万台と予測する。

調査要綱

1.調査期間: 2020年5月~8月
2.調査対象: オートリース主要企業、自動車メンテナンス受託企業(整備業者含む)
3.調査方法:当社専門研究員による直接面談(オンライン含)、eメール・電話による取材、ならび郵送アンケート調査併用
<オートリースとは>
 オートリースは、設備投資の初期費用軽減や費用平準化といった会計面、金融機関の借入枠保全や資金の効率運用といった財務面、車両管理業務の負担軽減といった管理面のメリットなどから、法人ユーザーを中心に拡大してきた。現在は法人顧客のみならず、個人の利用者(個人事業主含む)を対象にした個人向けオートリース市場も順調に拡大している。
<市場に含まれる商品・サービス>
ファイナンスリース、メンテナンスリース

出典資料について

資料名2020年版 オートリース市場の現状と展望
発刊日2020年08月31日
体裁A4 220ページ
定価160,000円(税別)

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