コロナ禍の産業全般の生産落ち込みで、2020年の小型モータ世界出荷数量は前年比93.7%の62億3,219万個の見込
~従来からのアプリケーションでは限られたパイの奪い合いへ、メーカー各社には今後、周辺部品等を含めたユニット製品としての提案が求められる~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、2020年の小型モータ・産業用モータ世界市場を調査し、モータ種別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。ここでは、小型モータの世界出荷動向について、公表する。
小型モータ世界市場規模推移・予測
1.市場概況
車載向けを除いた2020年の小型モータ世界市場規模は、メーカー出荷数量ベースで前年比93.7%の62億3,219万個を見込む。2020年は新型コロナウイルスの影響で、PCや通信関連機器、医療機器向けのモータ需要が増えているものの、グローバル経済の低迷により産業全般の生産が落ち込み、小型モータ市場も減少の見込みである。
用途(アプリケーション)別にみると、これまで好調であった家電・住宅設備機器、産業機器関連の需要が一番影響を受けており、前者は消費者の収入減による消費金額が減少し、後者は各産業における設備投資が減少や先送りされる状況となっている。
2.注目トピック
今後、新たな用途に周辺部品を含めたユニット製品としての提案が進む
小型モータを取り扱う日系メーカー各社は従来のアプリケーションの他に、今後、新たに複数種類のモータが採用され、拡大傾向にある車載向けや産業機器向け、医療機器向けなどに注力する動きを見せている。
搭載アプリケーションに対してモータに求められるのは、顧客がイメージするモーション、アプリケーションの付加価値創造に繋がるようなモーション(動作性能)を最適な形で実現することである。そのためには一種類のモータではなく、複数種類のモータならびに周辺部品等も含めたユニット製品として提案することが有効だと考える。
既にこのような取り組みを実践しているモータメーカーも見られるが、今後は海外モータメーカーを含めた競争が今後更に激しさを増す見通しで、もう一段上のものづくりを目指すことが世界を舞台とした生き残りを図る上で、より重要度を増していると言える。
3.将来展望
小型モータの出荷数量は2021年から徐々に回復し、微増で推移する見通しで、2022年の小型モータ世界市場規模(メーカー出荷数量ベース)は65億900万個になると予測する。需要の回復が遅れるブラシ付きDCモータ(コアレス)、ACインダクションモータは今後も減少傾向になるが、その他のモータは落ち込み率が徐々に改善する見込みである。
調査要綱
1.調査期間: 2020年5月~8月 2.調査対象: モータ関連企業(小型モータ、産業用モータ) 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面接取材、ならびに文献調査併用 |
<小型モータ世界市場とは> 本調査における小型モータ世界市場は、主に出力1kW以下のブラシ付DCモータ(コアード/コアレス)、ブラシレスDCモータ、振動モータ、PM型ステッピングモータ、HB型ステッピングモータ、DC軸流ファンモータ、ACインダクションモータを対象として、メーカー出荷数量ベースで算出した。 また、車載用小型モータは対象外としたが、カーAV関連機器用小型モータのみ含まれる。 |
<市場に含まれる商品・サービス> 【小型モータ】ブラシ付DCモータ(コアード/コアレス)、ブラシレスDCモータ、振動モータ、PM型ステッピングモータ、HB型ステッピングモータ、DC軸流ファンモータ、ACインダクションモータ、【産業用モータ】サーボモータ、標準・プレミアム効率モータ、産業用PMモータ |
出典資料について
資料名 | 2020年版 小型モータ・産業用モータ市場の現状と将来展望 |
発刊日 | 2020年08月28日 |
体裁 | A4 151ページ |
定価 | 180,000円(税別) |
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