オンラインビジネス
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オンラインビジネスは、IT技術の発展や働き方改革の影響で大きな注目を集めている。ネット環境さえあれば店舗が無くても行えるオンラインビジネスは、ビジネスモデルも多岐に渡っている。今回は、オンラインビジネスの種類やメリット・デメリット、具体的な始め方について解説する。

目次

  1. オンラインビジネスとは?
  2. オンラインビジネスの種類5つ
    1. 1.製造または仕入れた商品を販売する
    2. 2.サービスを提供する
    3. 3.コンテンツの配信・販売
    4. 4.広告収入の獲得
    5. 5.クラウドソーシングでの受託
  3. オンラインビジネスのメリット3つ
    1. 1.初期費用や毎月の固定費をあまりかけずに行える
    2. 2.日本中もしくは世界中の人を相手にビジネスを行える
    3. 3.ストレスがかかりにくい
  4. オンラインビジネスのデメリット4つ
    1. 1.事業を軌道に乗せるまでに時間がかかる
    2. 2.オンラインビジネスごとに対応したスキルが必要
    3. 3.競合が多いので差別化が必要
    4. 4.孤独やモチベーション低下のリスク
  5. オンラインビジネスの始め方
    1. 受託型のオンラインビジネスから始めるのが低リスク
    2. インプットとアウトプットを繰り返す
  6. オンラインビジネスを働き方の選択肢に

オンラインビジネスとは?

オンラインビジネスとは、インターネット上で行われるビジネス全般を意味する言葉だ。「サイバービジネス」「インターネットビジネス」「ネットビジネス」とも呼ばれる。

人によって「オンラインビジネス」に対する認識は異なり、パソコンとインターネット環境さえあれば収益化できるビジネスを想像する人もいれば、実店舗でも販売している商品やサービスをインターネット上で販売することで収益化するビジネスを想像する人もいるだろう。

この記事では、インターネットを使って何らかの方法で収益化を図るビジネスモデル全般を「オンラインビジネス」と定義した上で、解説を進めていく。

オンラインビジネスの種類5つ

一口にオンラインビジネスといっても、その種類は多岐にわたる。オンラインビジネスは、主に以下の5つのビジネスモデルに分けられるだろう。

1.製造または仕入れた商品を販売する

自ら製造した商品や他社から仕入れた商品を、オンライン上で販売する方法だ。手作り商品をフリマアプリなどで販売するといった小規模なものから、価格差を利用した利ザヤを稼ぐ「せどり」ビジネス、実店舗を持つ企業がオンライン上で商品を販売することも含まれる。フリマアプリやECサイトなどの媒体を利用すれば、比較的誰でも手軽にオンラインビジネスを始めることが可能だ。

既に実店舗で商品を販売している経営者や、副業などで手軽にオンラインビジネスを行いたい人におすすめである。

2.サービスを提供する

オンライン上でサービスを提供することも、オンラインビジネスの一つだ。

例えば、経営コンサルティングや英会話のレッスン、カウンセリング・相談などをオンライン上で行うなどのサービスが該当する。商品の製造・仕入などのコストが抑えられため、高い利益率を維持することが可能だ。また、自身が持っているノウハウやスキルを最大限活かすことができるため、専門的な知識やスキル、ノウハウを持っている人にはおすすめのオンラインビジネスである。

3.コンテンツの配信・販売

ネット上でコンテンツを配信・販売するオンラインビジネスは、アプリやゲーム、音楽、動画配信など多岐にわたる。この方法で十分な収益を得るには、顧客のニーズに適したコンテンツを開発した上で、ターゲットに適した方法で宣伝・販売する必要がある。そのため、オンラインビジネスの中でも特に難易度は高い。

コンテンツ作成や集客が上手く進んで人気さえ出れば、多額の収入を得られる可能性も高く、ハイリスク・ハイリターンのビジネスモデルといえるだろう。

4.広告収入の獲得

インターネット広告を利用したオンラインビジネスでは、ブログやメディアサイト、YouTubeなどで集客し、記事や動画内に設置した広告から収益獲得することができる。インターネット広告には、クリックのみで収益が発生するアドセンス広告や、商品の購入などの成果発生により収益につながる成功報酬方(アフィリエイト)広告などがある。

手軽かつ低コストで始められる点がメリットである一方で、集客や成約に手間取って収益化までに時間がかかるデメリットもある。また、生活できるようになるまでの収益を得るには、SEO対策やセールスライティングなどのスキルやセンスを要するため、難易度は決して低くない。

5.クラウドソーシングでの受託

オンラインでの外注請負サービスである「クラウドソーシング」で、自分のスキルを活かせる仕事を受注して成果物を納品することで収益を得ることも、オンラインビジネスに該当する。

名刺情報などのデータ入力やテープ音声の文字起こしなどの単純な仕事もあり、オンラインビジネス初心者でも始めやすい点が最大のメリットだ。また、自ら積極的に営業活動を行わなくても、ライティングやSEO、プログラミングなどのスキルをプロフィールでアピールすることで発注依頼が来ることもあり、受注内容しだいではまとまった収入を得やすい点も魅力の一つだろう。

オンラインビジネスのメリット3つ

実店舗型のビジネスと比較した場合、オンラインビジネスには下記に示す3つのメリットがある。

1.初期費用や毎月の固定費をあまりかけずに行える

オンラインビジネスの最大のメリットは、初期費用や毎月の固定費などのコストを抑えられる点だろう。実店舗型ビジネスの場合、事業用設備の購入などに初期費用が必要な上に、開店後はオフィスの家賃をはじめとした多額の固定費がかかってしまう。一方でオンラインビジネスは、基本的にパソコンとインターネット環境があれば収益化が可能であり、固定費や初期費用を大幅に節約できる。

商品を仕入れて販売する場合でもオフィスの家賃がかからないため、実店舗を持つ場合よりも毎月の費用は安く済むだろう。

2.日本中もしくは世界中の人を相手にビジネスを行える

実店舗でビジネスを行うと、珍しい商品を取り扱うなどのケースを除いて、顧客は同一かつ近隣の市区町村に限られてしまいがちである。もちろん、やろうと思えば何百キロメートル離れた顧客相手に商売を行えるものの、交通費などの費用がかさんでしまうため、あまり現実的ではない。

一方でオンラインビジネスの場合は、インターネット環境さえあれば、日本全国はもちろん世界中の人を相手に商品やサービスを提供でき、顧客の数が圧倒的に増える点はオンラインビジネスならではのメリットだろう。

3.ストレスがかかりにくい

実店舗型のビジネスの場合、接客や商談、従業員の教育などで頻繁に人と接する必要がある。人と接する機会が多い以上、どうしても対人関係でのストレスがたまる可能性も高くなる。

一方でオンラインビジネスの場合、実店舗型ビジネスより人と接する機会を減らしながら収益を得ることが可能だ。ブログ経由でのインターネット広告収入やせどりのようなビジネスモデルならば、実質的に人と会うことなく収益が得られる。

「対人関係がうまくいかない」「ストレスがたまりやすい」といった人にとっては、このメリットは非常に大きいだろう。

オンラインビジネスのデメリット4つ

スマートに低リスクで始められるイメージのあるオンラインビジネスだが、メリットばかりではない。オンラインビジネスには、以下のような4つのデメリットもあるので、注意が必要だ。

1.事業を軌道に乗せるまでに時間がかかる

集客をインターネットで完結させる関係上、オンラインビジネスで収益化するまでには、それなりの時間を要する。

例えば、ブログを運営し始め、GoogleやYahooなどの検索エンジンのみで集客をしながら広告収入を得るならば、本格的に収益化するまでに半年から1年かかるとされている。ブログを運営開始してしばらくは収益がゼロということもあり、TwitterやFacebookなどのSNSなども利用して集客力を上げるか、他の収益源を持っておいたほうがいいだろう。

2.オンラインビジネスごとに対応したスキルが必要

オンラインビジネスで成功するには、それぞれのビジネスモデルに対応したスキルが必要だ。

例えば、ブログ運営による収益化を目指すならば、ライティングやSEO対策、セールスライティングなどのスキルが求められる。アプリの作成・販売をするならば、プログラミングやデザインなどのスキルが必要だろう。各オンラインビジネスに対応した明確な強みやノウハウがない場合は、先に強みを確立するか、スキルを有した人に該当業務を依頼するなどの対応をおすすめする。

3.競合が多いので差別化が必要

オンラインビジネスは、手軽に始めやすい上に国内外すべてが商圏となるため、競合となる企業や個人事業主が非常に多くなる傾向にある。そのため、単にスキルやノウハウがあるだけでは、安定して収益を得られない恐れがある。ハイレベルなスキルやノウハウを持つ競合も多く、同じビジネスモデルを選択するならば、競合との差別化が必要だろう。

例えば、ブログで稼ぐならば、有名ブロガーや企業サイトが取り扱っていないジャンルで収益化を目指すという方法もある。いずれにせよ、競合とかぶらない商品やサービスを提供できれば、安定的に収益を得られる可能性も高まるだろう。

4.孤独やモチベーション低下のリスク

オンラインビジネスにおける対人関係のストレスが減るというメリットは、裏を返せば人との接点が減ることで孤独になるというデメリットにもなり得る。

オンラインビジネスは基本的にパソコン1台あればできてしまうため、毎日引きこもって誰とも話さずに1日が終わってしまうこともあるだろう。誰とも話さない日々が続くことで、孤独感から精神的に疲弊してしまうこともあるので注意が必要だ。

また、1人で引きこもって働くため、モチベーションを維持し続けるのも困難だ。良くも悪くも他人の視線がない以上、カフェやコワーキングスペースを利用するなど、たまに働く場所を変えてモチベーションを維持するといった工夫が必要となる。

オンラインビジネスの始め方

最後に、オンラインビジネスの具体的な始め方について解説する。一般的には、以下の2つを意識してオンラインビジネスを始めるといいだろう。

受託型のオンラインビジネスから始めるのが低リスク

オンラインビジネスにはさまざまな種類があるが、その難易度は内容によって大きく異なる。コンテンツや商品を自身で作って販売する場合、顧客のニーズ調査や集客などを幅広く行う必要があるため、難易度が非常に高く初心者にはおすすめできない。また、ブログやYouTubeの運用によって広告収入を得るビジネスモデルも、収益化までに時間がかかったり規約の変更によって収益が低下するリスクもある。

新しくオンラインビジネスに取り組むのであれば、まずはクラウドソーシングなどを利用した受託型ビジネスから始めるのがおすすめだ。相手企業が求める成果物を納品する事で収益を得られるビジネスモデルなので、スキルさえあれば比較的安定して収益を得られるだろう。

インプットとアウトプットを繰り返す

オンラインビジネスに限った話ではないが、ビジネスを成功させるには常にインプットとアウトプットを繰り返すことが重要だ。

どれほど優れたスキルやアイデアがあっても、必ずしも成功するとは限らない。そこで重要となるのが、アウトプットを行って、成功や失敗から得られた気づきなどをインプットし、次のアウトプットを行う事だ。このインプットとアウトプットを繰り返すことで着実に成功に近づくことが期待できる。

オンラインビジネスを始める際には、失敗しても諦めず、常に試行錯誤を繰り返すことを意識してほしい。

オンラインビジネスを働き方の選択肢に

オンラインビジネスは、軌道に乗るまでに時間がかかるなどのデメリットはあるものの、比較的少ない労力で大きな収益を得られる可能性も秘めている。新型コロナウィルスの影響で、ウィズコロナという価値観が求められる中、オンラインビジネスは一つの働き方としてさらに注目されるであろう。

「実店舗を運営している」「これから新しく起業したい」といった人も、新しい働き方としてオンラインビジネスを選択肢に加えてみてはいかがだろうか。

文・THE OWNER編集部

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