矢野経済研究所
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2019年の国内アイウエア小売市場は、健康や美容で訴求した機能性アイウエアの需要に一服感がみられ、前年比99.6%の5,040億円と微減推移

~ビジネスマン向け疲れ目サポートレンズやシニア向けアシストレンズの販売は好調~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内アイウエア市場を調査し、製品セグメント別の動向、注目トピック、将来展望を明らかにした。

国内アイウエア小売市場推移

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1.市場概況

2019年の国内アイウエア小売市場規模は前年比99.6%の5,040億円の微減と推計した。老眼鏡やキッズ用アイウエアは引き続き好調であったが、ここ数年、健康や美容(紫外線対策商品等)で訴求した機能性アイウエアの需要に一服感がみられた。

2019年は働き方改革によるテレワーク導入企業が増えたことで、ビジネスマン向けの疲れ目サポートレンズや、過度に感じる眩しさを解消するシニア向けアシストレンズなどが好調な売れ行きを示した。レンズは機能性を求める傾向が強いことからオプションレンズとしての利用が増えている。こうした機能性レンズが好調だった要因として、近年、各社が注力しているコンサルティング接客やアイケアサービスのアプローチによりレンズの重要性がユーザーに浸透してきたことが挙げられる。
その他、幅広い世代に好評のワンタッチでレンズが交換できる商品が好調なこと、頭部に固定できるスポーツ用グラスがヒットしたこと、団塊ジュニアが老眼市場にエントリー(初期老眼)してきたこと、EC販売が拡大していること、などで好調となった。ただし、ここ数年来、市場をけん引してきた紫外線対策商品の需要の一服感により全体としては微減に推移した。

2.注目トピック

国産アイウエアのブランディング強化

アイウエアを展開するセレクトショップが、眼鏡産地鯖江のモノ作りをコンセプトにした新業態の店舗を出店した。福井県のアイウエアメーカーと協力し、メイド・イン・ジャパン、メイド・イン・福井にこだわったアイテムとして販売し、高い注目を集めている。
流行に敏感な人が集まる商業施設内のセレクトショップでの販売展開は、国産アイウエアのファッション化、ブランディングという意味でも重要なポイントとなっている。

3.将来展望

2020年のアイウエア小売市場は、新型コロナウイルスの影響により、店頭における販売が大きく減少し、前年比87.8%の4,425億円と予測する。しかしながら企業側から顧客のもとに出向いたり(移動販売)、EC販売などの取り組みが奏功しており、必ずしもマイナス面ばかりがあるわけではない。

コロナ禍において生活様式が大きく変革し、デジタルトランスフォーメーション(DX)が加速しているなかにあって、アイウエア参入企業は課題解決に向けた商品提案など様々なチャレンジを行っている。ステイホーム・外出規制による疲れ目に対する累進レンズや、在宅勤務・テレワーク増加に対するブルーライトカットレンズ、除菌の意識向上に対するアイウエアの除菌サービス、目の健康に対するUVカットレンズ、技術を活用したフェイスシールドやマスク用ストラップの開発等々があり、いずれもニーズに対する価値を提供している。このように新しい生活様式による行動の変化に柔軟に対応していくことが大きなビジネスチャンスと捉え、業界全体がポジティブに前に進むのであれば、アイウエア市場は再び活性化し、早期回復していくものと考えられる。

調査要綱

1.調査期間: 2020年6月~8月
2.調査対象: アイウエア関連企業(メーカー・卸売業・小売業)
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに郵送アンケート調査併用
<国内アイウエア小売市場とは>
本調査における国内アイウエア市場とは、①眼鏡フレーム、②眼鏡レンズ、③既製サングラス、④既製老眼鏡の4アイテムを含む。商品アイテムは、インポートブランドやライセンスブランド、ハウス(自社)ブランド、機能性アイウエア、スポーツアイウエアなど全ジャンルを対象としている。
<市場に含まれる商品・サービス>
鏡フレーム、眼鏡レンズ、既製サングラス、既製老眼鏡

出典資料について

資料名2020 アイウエアブランドマーケット
発刊日2020年08月27日
体裁A4 494ページ
定価125,000円(税別)

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