2019年の国内市場規模は前年比103.0%の9,851億円と微増ながらも3年連続増加
~2020年は前年比74.3%の7,320億円を予測、コロナ禍の影響はリーマンショックを超えるほどの落ち込みに~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内宝飾品(ジュエリー)市場につい て調査を実施し、現況、参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。
国内宝飾品(ジュエリー)市場規模推移と予測
1.市場概況
2019年の国内宝飾品(ジュエリー)小売市場規模は、前年比103.0%の9,851億円と、前年に引き続き微増ながらもプラス成長となり、3年連続で増加する結果となった。
2019年10月の消費税率引上げを受けて、10月以降は買い控えが顕著に表れたものの、増税直前である第3四半期(2019年7月~9月)の駆け込み需要が予想より大きく、金額ベースにおいて落ち込みを抑えることができた。一方で、クリスマス商戦においては実店舗における来店客数の減少に加え、成約に至るケースの落ち込みが大きかった。クリスマスプレゼントにおいても通販チャネルでの購買が年々目立つようになっており、店頭の賑わいを減らしている一因ともなっている。
2.注目トピック
令和婚によりブライダルジュエリー市場が12年ぶりに増加
令和元年になった年を結婚記念にしたいと考えるカップルによる「令和婚」により、2019年の婚姻組数は、前年比102.1%と7年ぶりに増加した※。その結果、2019年のブライダルジュエリー市場も前年比0.7%増とわずかではあるが12年ぶりに増加している。
※出典:厚生労働省「令和元年(2019)人口動態統計月報年計(概数)」(2020年6月5日発表)
一方で、昨今の若者は形式に拘らない風潮もあり、婚約指輪や結婚指輪の取得率は減少傾向にあるなど、婚姻組数の増加がそのままブライダルジュエリー市場の拡大には寄与していない現状もある。
3.将来展望
2020年の国内宝飾品(ジュエリー)小売市場規模は、前年比74.3%の7,320億円を予測する。
生活必需品と比較して不要不急にあたるジュエリーは、消費マインドが低下するなかでの購買に期待を持ちにくいものである。また、ジュエリー業界には中小零細企業が多く、在庫負担や営業の自粛による直接的な打撃を無視できないものとなっている。コロナ禍の影響は、リーマンショックを超えるほどの落ち込みになると考える。
調査要綱
1.調査期間: 2019年8月~2020年8月 2.調査対象: 宝石専門店チェーン、百貨店や時計宝石店および呉服などの異業種宝飾参入企業、インポートジュエリーブランド企業等 3.調査方法: 当社専門研究員による電話及び直接面談によるヒアリング、および郵送アンケートを併用 |
<宝飾品(ジュエリー)とは> 本調査における宝飾品(ジュエリー)とは、主に金やプラチナを素材に、ダイヤモンド、貴石、真珠などを使用した宝飾品を対象とし、宝飾時計、ならびに一部シルバー素材や半貴石の商品を含む。 |
出典資料について
資料名 | 2020年版 宝石・貴金属市場年鑑 <市場分析編> |
発刊日 | 2020年09月10日 |
体裁 | A4 1002ページ |
定価 | 150,000円(税別) |
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