Zoom
(画像=Sundry Photography/adobe.stock.com)

新型コロナウイルスの影響で在宅勤務をする人が一気に増え、ウェブ会議ツールの需要がかつてないほど高まっている。ただ、ウェブ会議ツールの選択肢は増えてきており、どれを使うか考える際には各社のサービスの特徴を最低限知っておきたいところだ。この記事では、3つのウェブ会議ツールを比較して紹介する。

ウェブ会議ツールの選び方

ウェブ会議ツールを使えば、自宅にいながらにして社内ミーティングや取引先との打ち合わせをこなしていくことができる。

ITがビジネスで活用されるのも当たり前の時代となり、ウイズコロナ(Withコロナ)時代にはさらにその流れが進展することを考えれば、ウェブ会議ツールに関する知識はすでに、ビジネスパーソンにとって「教養」とも言えるほど重要なものになっている。

では「どのウェブ会議ツールを使えばいいのか」という点だが、2つの視点で考えたい。1つ目は「どれでも使いこなせた方がよい」という点、2つ目は「自分のメインツールを決めておく」という点だ。

ウェブ会議をする場合、相手側からウェブ会議ツールが指定されることもあるため、どのツールが指定されても対応できる準備をしておくことが重要だ。一方、自分からウェブ会議に誰かを誘う場合には、自分が使っているメインツールを利用することになる。

この記事では、主にこの2つ目の「自分のメインツールを決めておく」という視点で各サービスの特徴を紹介しておくが、どのツールでも使いこなせるよう、幅広くどのサービスのことについても先入観を持たずに興味を持って読んでほしい。

急成長中のZoom(ズーム)

アメリカのZoom Video Communicationsが提供しているウェブ会議ツールが「Zoom(ズーム)」だ。最近ユーザー数を急速に伸ばしており、同社の2020年4月の発表によれば、1日当たりのウェブ会議の参加者数は、世界で3億人以上に達しているという。

Zoomの強みは「使いやすさ」とされる。例えば、スマートフォン向けのアプリ版Zoomをインストールすればユーザー登録なしでもすぐに使い始めることができる。その場合、相手から会議のURLを教えてもらえば、すぐに会議に参加できる(ブラウザ版ではユーザー登録が必要)。

無料でも利用できるが、1ヵ月2,000円を支払うとウェブ会議の上限時間が40分から24時間まで増える。ニーズに応じて有料プランも検討したいところだ。

老舗のSkype(スカイプ)

ウェブ会議ツールの老舗といえば「Skype(スカイプ)」だろう。Skypeの提供企業はMicrosoftだ。同社によれば、2020年3月時点でSkypeのユーザー数は4000万人で、過去半年のアクティブユーザー数は世界で2億人に上っているようだ。

Skypeは主に1対1のウェブ会議向けに設計されたツールだったが、最近「Meet Now」という新サービスを導入し、Zoomのように多人数でのウェブ会議でも対応しやすいようになった。Zoomを意識してか、アカウント登録不要かつアプリのインストールも不要ということが強みとされており、以前よりもSkype利用のハードルがぐんと低くなった印象だ。

新注目のMeet(ミート)

米Googleが提供しているウェブ会議ツールもある。「Meet(ミート)」だ。以前は教育機関を対象に提供していたが、2020年5月から一般向けにも提供を開始している。

Zoomの無料プランでは時間制限がある一方、Meetでは時間制限が設けられていない。一部の有料機能も現在は無料で提供しており、まずユーザー数を増やすことに力を入れている。Zoomについてはセキュリティに関する懸念の声もあるが、Meetはセキュリティに定評がある。

ウェブ会議ツールの使い方(Zoomのケース)

ウェブ会議ツールの実際の使い方を、Zoomのケースで紹介していこう。Zoomの場合、公式サイトやアプリ上でミーティングIDを入力して会議に参加するか、相手から届いたURLをクリックしてウェブ会議に参加する形となる。

前述の通り、アプリ版の場合はユーザー登録なしでゲストとして参加できるが、ブラウザ版で参加する場合にはユーザー登録が求められる。

自分から相手を招待する場合は、招待URLをメールやSNSで通知し、参加を促す形となる。あらかじめ開催時間を決めて事前に会議をスケジューリングすることもでき、パスワードの要否などの設定をすることも可能となっている。

デメリットもあるが、それをはるかに上回るメリット

これらのツールは、通信状況によって会議が中断してしまうほか、音質や画質が極端に落ちるリスクもある。また、それによってリアルの会議より表情がわかりにくい、思いが伝わりにくいというデメリットもある。それらを考慮し、特に大事な会議の場合は事前に接続テストなどをして、トラブルにならないように配慮したい。

ただ、在宅勤務でも会議をすることを可能にするというメリットは、このようなデメリットを完全にかき消すほど多くの人に恩恵を与えるものだ。一個人としてもビジネスパーソンとしても、ITにおける最低限の「教養」として、ウェブ会議ツールについてはよく知っておきたい。

文・岡本一道(経済・金融ジャーナリスト)

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