日本においては、コロナウイルスの感染者数は4月をピークに減少傾向にある。しかしながら、特効薬やワクチンがない以上、依然としてコロナウイルスの脅威は残るだろう。緊急事態宣言が解除になったとしても、我々は「コロナと共に生きる」ことを余儀なくされることは間違いない。では、そういった中で、どのように生き方、働き方を変えていくべきだろうか。
コロナウイルスとの戦いは終わらない
コロナウイルスの新規感染者数は、4月をピークに減少傾向にある。また、日本の死亡者数は各国に比べても少なく、ひと安心している人も多いだろう。
しかしながら、完全にコロナウイルスの脅威が消えたわけではない。世界中でワクチンの開発が急ピッチで行われているものの、現時点ではコロナウイルスの特効薬やワクチンはなく、インフルエンザワクチンのように一般化するまでには時間がかかるだろう。
一方で、緊急事態宣言は、いずれは解除しなければならない。仮に、コロナウイルスが6月末で一時的に収束し、そこから経済活動が復活してきたとしても経済的な損失は免れないだろう。三菱総合研究所によると、世界的な経済損失は200兆円、日本だけを見ても10兆円の損失と推測されている。もちろん、コロナウイルスを恐れて、経済活動を抑制すればするほど、この損失額は拡大していくだろう。
我々人類は、コロナウイルスと共生しながら生きていく、「ウィズコロナ」の時代を迎えたといえる。
ウィズコロナ時代の働き方とは?
では、そういったウィズコロナの時代において、我々はどのように生きるべき、働くべきなのだろうか。
従来型の足で稼ぐ営業は厳しい?
第一に、間違いなく言えるのは従来型の仕事の仕方は通用しなくなる、ということだ。
ウィズコロナの世界では、「3密」を避けることやソーシャルディスタンスを守る、といった取り組みは継続されるだろう。そのため、リモートワークは引き続き推進され、出張や接待等にも規制が入ることが予想される。実際、アメリカのIT大手企業の中には、2020年いっぱいまでは、リモートワークを行うことを公表している企業もある。そういった中においては、昭和の営業マンのように足で稼いだり、接待を使って取る営業のようなスタイルは激減するだろう。
また、ビジネスの出張や海外旅行もしばらくの間は完全復活とはいかないだろう。そのため、航空業界や、鉄道業界などもしばらくは厳しい状態が続くと予想される。
人に依存した仕事から、ジョブ型の仕事に変わる?
第二に、ウィズコロナの世界では現在多くの会社が採用しているメンバーシップ型の雇用から、ジョブ型の雇用に変わる契機になる可能性がある。
これまで日本企業では、ジョブローテーションとOJTにより新入社員を育てるといった会社が多い傾向にあった。これは、「人」を前提としたメンバーシップ型の雇用制度だ。
しかしながら、今後、リモートワークが増えてくると、先輩が横について1から指導するというのは難しくなるだろう。また、実際に顔を合わせることも少なくなり、ジョブローテーションで育てるということも現実的ではなくなる可能性が高い。
そこで、欧米ではすでに一般的である、職務で人を採用する、「ジョブ型」の雇用が増えてくるのではないだろうか。リモートワークが前提であれば、複数の会社で同じようなジョブで働くということも出てくる可能性もある。高いスキルや専門性があれば、ウィズコロナの世界では働き方の選択肢が増えるだろう。
ウィズコロナ時代にどう生きるか
我々がウィズコロナの時代にどのように生きていけば良いかは、重要な視点だ。
必要となってくるのは、「どこでも働くことのできる普遍的なスキル」だろう。先ほど説明したように、ウィズコロナの世界では、リモートワークがある程度前提となる。そのため、これまでの足で稼ぐ営業から、ジョブ型のスキルへと求められる能力が変わってくるだろう。
今後、普遍的なスキルを持つ人とそうでない人との間の格差は、より広がっていくことが予想される。まずは、自分のスキルを棚卸し、どの部分を伸ばしていくのか考えると良いだろう。
一方で、高いスキルさえあれば、副業を含めた収入の複線化、マルチな働き方も検討できる。リモートワークが増えると、働く場所や時間の自由度は圧倒的に高くなるだろう。今の仕事以外に、自分に何ができるか、新しいチャレンジができるという意味では、ウィズコロナの世界はプラスに働く可能性を秘めている。
ウィズコロナの時代に合わせた働き方・生き方をめざそう
コロナウイルスと共に生きる、ウィズコロナの世界では、これまでの常識とは全く異なった働き方、生き方が求められる。従来型の仕事が通用しなくなることもあれば、新しいスキルを持った人材が活躍することもあるだろう。
ウィズコロナの世界に向けて、これまでとは違う働き方、生き方になることを認識しつつ、自分がその世界で価値ある人材になるために、自分の強み、できることを見直してみてはどうだろうか。
文・THE OWNER編集部