ブライダル市場に関する調査を実施(2020年)
(画像= taka/stock.adobe.com)

2019年のブライダル関連市場規模(主要6分野計)は前年比99.5%の2兆3,760億円と縮小の見込

~挙式披露宴市場の単価アップによるプラス材料はあるもマイナス面のカバーには至らず~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のブライダル関連市場を調査し、主要分野別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

ブライダル関連市場規模推移

ブライダル市場に関する調査を実施(2020年)
(画像=矢野経済研究所)

1.市場概況

2019年のブライダル関連市場規模(主要6分野)は前年比99.5%の2兆3,760億円と縮小を見込む。主要6分野のうち、結婚情報サービス・仲介業市場は唯一の伸長分野であるが、これ以外は前年を下回る見込である。ブライダル関連市場の過半を占める挙式披露宴・披露パーティ市場はゲスト一人あたりの単価アップというプラス材料はみられるが、婚姻件数減少、なし婚層の増加、披露宴の少人数化に伴う組単価の低下など、マイナス要因が顕在化している。今後もより一層の婚姻件数の減少※が顕著になるとともに、価値観の多様化による挙式実施率の低下、ならびにブライダル関連分野への支出低下が懸念される(※データ出所:厚生労働省データ)。

2.注目トピック

式場エージェントの影響力が顕在化

挙式披露宴の会場選びにおいて、式場エージェント(仲介事業者)の影響力が強まっている。挙式披露宴会場は、流行トレンドが生まれると会場運営事業者各社が追随するという動きになる。昨今それが加速し式場の“同質化”が進んでいる。初めて挙式を検討する人にとって結婚式場の違いを把握し選別することは容易ではない。利用者がインターネットを通じて情報収集がしやすくなっていることは、同時に情報の取捨選択を難しくさせている面もある。そこで力を発揮しているのが、式場エージェントである。一般に、会場運営事業者は式場エージェントからの送客で手数料を払うというビジネスモデルが存在する。情報収集の目的だけでなく、実際に式場エージェントを経由する利用者が増えていることで、会場運営事業者にとっては、結果として一組あたりの利益を圧迫するようになりつつあり、運営上の新たな課題となっている。

3.将来展望

2020年のブライダル関連市場規模(主要6分野)は、前年比94.3%の2兆2,400億円を予測する。2020年の市況においては、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、特に市場のおよそ6割を占める挙式披露宴市場に大きく影響するものと考えられる。4月から5月の施行分を中心に今夏までの挙式披露宴に関しては、その多くが延期またはキャンセルとなった。また、さらに懸念されるのは、2020年の後半に挙式披露宴の実施を考えていた人たちのマインドの冷え込みである。挙式時期の数ヶ月前には会場の見学を行ない予約を済ませているのが一般的であるが、同時期の問合せや見学予約は大きく減少している。

調査要綱

1.調査期間: 2019年12月~2020年2月
2.調査対象: ブライダル産業に参入しているサービス業や物販業を中心とした企業 及び関連団体等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、電話・e-mail等によるヒアリング調査および文献調査併用
<ブライダル市場とは>
本調査におけるブライダル関連市場とは、挙式披露宴・披露パーティ、新婚家具、新婚旅行、ブライダルジュエリー、結納式・結納品、結婚情報サービス・仲介業の主要6分野を対象とする。また、挙式披露宴・披露パーティ市場規模には、国内拠点で手配された海外挙式事業の売上を含む。なお、市場規模予測については2月下旬に行なっており、2020年上期中に新型コロナウイルス感染が概ね終息するものと仮定、また厚生労働省「人口動態統計」における婚姻件数については、算出当時データから減少継続と想定の上、算出している。
<市場に含まれる商品・サービス>
挙式披露宴・披露パーティ、新婚家具、新婚旅行、ブライダルジュエリー、結納式・結納品、結婚情報サービス・仲介業

出典資料について

資料名2020年版 ブライダル産業年鑑
発刊日22020年03月09日
体裁A4 633ページ
定価120,000円(税別)

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