新型コロナウイルス感染拡大による経済への打撃が止まらない。業績悪化の懸念が急速に高まるなか、一部の企業では4月に予定していた新入社員を雇用することができず、「内定取り消し」という事態が起こっている。
一方で、そんな「内定取り消し」となった学生を対象に追加採用を発表する企業も続々と出ている。各企業の採用動向に注目が集まるなか、経営者がどのように採用と経営を両立していくべきか、事例と最新動向をもとに検討したい。
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相次ぐ「内定取り消し」
新年度が始まり、多くの新入社員が社会人の第一歩を踏み出した春がやってきた。しかしその陰で、新型コロナウイルスによる影響を理由に、企業から採用内定を取り消された学生がいる。
時事通信社によると、内定取り消しを出した企業には、ウエディング会社や携帯電話の販売代理店などがあるという。いずれも採用担当者から突然告げられ、学生は企業への不満や疑念が拭えない様子である。なかには「感染被害削減」を理由にされたことに対して、業績悪化による採用中止の口実ではないかと不信感を募らせる学生もいるという。
一方で、先の見えない業績悪化で「仕事がなく、新卒を雇いたくても雇えない」「企業努力ではどうにもできない」と企業から切実な声が聞こえてくるのも事実だ。