
NFTマーケット大手OpenSeaが5月に記録した月間アクティブユーザー数は 46万7,322人 と、2023年半ば以来で最多となりました。

一方で、同月の取引高は 8,100万ドル にとどまり、NFTブーム最盛期だった2022年1月の 50億ドル超 と比べて約2%の水準に過ぎません。
月間ユーザー46万人超えの背景
Dune Analyticsのデータによると、6月も現時点で 23万6,000人 を超えており、OS2正式版の公開や報酬制度「Voyages」への期待が利用者を呼び戻していると考えられます。
OS2のベータ版は1月27日に開始され、5月29日に正式リリースされました。
取引高はピーク時の60分の1
活発なログイン数とは対照的に、取引高は依然として低空飛行です。

5月の8,100万ドルは2024年後半~2025年前半の平均をわずかに上回る程度で、2022年初頭のピーク 50億ドル超 と比べると98%下落したままです。市場全体の流動性不足が続いていることが浮き彫りになりました。
OS2正式版と「Voyages」が牽引
正式版OS2は、19チェーン対応・クロスチェーンスワップ・ミント機能などを統合し、ユーザー体験を一新しました。
また新たな報酬プログラム「Voyages」は、ギャラリー共有やクロスチェーン取引などのタスクを達成することでXPを付与し、将来のトークンエアドロップに備えた“実績づくり”を促していると言えるでしょう。
SEAトークン発行は「ユーティリティ重視」
ユーザーの関心はOpenSeaの独自トークンSEAにおけるTGE(トークン生成イベント)に集まっています。
しかしOpenSeaのCMO、アダム・ホランダー氏は「いくつかの重要機能を実装してからでなければ発行しない」と述べ、具体的な日程は示しませんでした。
「これは“ただのTGE”ではなく“THE TGE”だ。コミュニティと長期的に利害を一致させるため、慎重に進める必要がある」(ホランダー氏)
OpenSeaは今後数か月でさらなる機能強化とVoyagesの拡張を予定しており、ユーザー定着と取引高回復に向けた取り組みが続きます。