
ブロックチェーン分析企業DappRadarのレポートによると、NFTレンディングの月間取引高は2024年1月の約10億ドルから2025年5月にはわずか5,000万ドルへと急減し、97%の縮小となったことが明らかになりました。
取引高とユーザー数の急減


・借り手はピーク時の2万超から2,049人へ90%減、貸し手も3,700人から828人へ78%減少しています。
・平均ローン額は2022年1月の2万2,000ドルから2025年5月には4,000ドルへと71%下落しました。
・平均ローン期間は2023年の40日から31日へ短縮されており、短期流動性を目的とした“戦術的借り入れ”が増えていると分析されています。
GONDIがシェア54%で首位に
インセンティブの縮小で失速したBlurのBlend(シェア30%)を、GONDIが54%のシェアで逆転し市場首位に立ちました。
NFTfi(7%)、Arcade(4.7%)、JPEG’d(2%)など他のプロトコルは一桁台にとどまっています。

BlurやNFTfiなど従来のレンディングプラットフォームではPudgy Penguinsが貸付残高の40%(約2億300万ドル)を占める一方で、GONDIではCryptoPunksやFidenzaなどアート系NFTが主流となり、歴史のあるコレクションへの回帰が見られます。


再起の鍵はRWA連携とUX改善
DappRadarのアナリスト、サラ・ゲルゲラス氏は「現状を脱するには、現実世界資産(RWA) との連携や信用スコア・AIによるリスク評価など“スマートなインフラ”が必要」と指摘。
担保の多様化とユーザー体験(UX)の向上が、次の成長要因になるとまとめています。
NFT市場全体のフロア価格が下落しているのも融資縮小の大きな要因であり、今後は実需に裏打ちされたユーティリティと堅牢なリスク管理が、市場復活のカギを握りそうです。