
LINE NEXT Inc.のWeb3プラットフォーム「Dapp Portal(ダップポータル)」は、リリースからわずか3ヶ月で4,800万回の利用回数に達し、グローバルで700万人超のユーザーが利用しています。
事業パートナーである0x Consulting Groupと共にエコシステムの拡大にも注力しており、2025年内に1,000本以上のMini Dapp提供を目指すそうです。
前編ではDapp Portalの概要を紹介しましたが、今回の後編ではビジネスへの活用アイデアや導入までの流れについて詳しく伺います。
LINE NEXT Start株式会社 Web3Business 日本事業統括本部長 栗原 俊幸(くりはら としゆき) 日本市場におけるDapp Portalの事業拡大を統括。前職ではゲームプロデューサーやVR事業部ディレクターとして活躍し、2018年にLINE株式会社(現:LINEヤフー株式会社)へ入社。学生の頃からプログラミングに触れており、IT業界で15年以上のキャリアを持つ。 |
0x Consulting Group PTE.LTD. Chief Strategy Officer / Head of Token Economics Consultant 中田 翔平(なかた しょうへい) トークンエコノミクス設計のスペシャリスト。2018年に国産ブロックチェーンゲームに関心を持ち、ブロックチェーン取引所の開発に参加。その後DeFiとGameFiのシミュレーターを作成し、投資によって約3億円の利益を出す。その知見をもとに「Akiverse」や「NOT A HOTEL」などの有名プロジェクトに企画、設計、レビュー、アドバイスを行う。 |
株式会社NFTMedia 代表取締役 小林 憲人(こばやし けんと) 2006年より会社経営。エンジェル投資を行いながら新規事業開発を行う株式会社トレジャーコンテンツを創業。2021年にNFT Mediaを新規事業として立ち上げる。「NFTビジネス活用事例100連発」著者。ジュンク堂池袋本店社会・ビジネス書週間ランキング1位獲得。 |
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Dapp Portalは焼き鳥屋でも活用できる!?

Chief Strategy Officer / Head of Token Economics Consultant
中田 翔平氏(写真右)
小林:前編ではゲーム分野のお話を伺いましたが、Dapp Portalはゲーム以外でも活用できるのでしょうか。
中田:はい。店舗予約など、既存のスマホアプリで実現できるサービスはMini Dappでも同様に可能です。
Mini Dappを活用すると、現実とデジタルを連動させた形でプロモーション施策が展開できます。例えば焼き鳥店のアプリでは、累積の注文金額に応じてNFTの配布が可能です。
焼き鳥店で10万円分の食事をしないと手に入らない「伝説の焼き鳥NFT」を発行したら、顧客体験として面白いかもしれません。さらに、「伝説の焼き鳥NFT」の保有者しか口にできない極上の焼き鳥を提供すれば、話題性も相まって十分なプロモーション効果があるはずです。
来店回数や購入金額など、企業のKPI(重要業績評価指標)に紐づく条件をゲーム形式で楽しくクリアしてもらえる点が、事業者側にとっての魅力です。Mini Dappには、アイデア次第で無限の可能性があると考えています。
小林:前編でMini Dapp活用の具体的なイメージが湧いてきました。ただ一方で、スタンプカードのような仕組みはこれまでにも存在していました。Web3ならではの利便性は、どのような点にあるのでしょうか。
中田:従来の仕組みでは、クーポンの持ち主だけが恩恵を受けられました。これに対してMini Dappを活用すると、NFTを第三者へ譲渡できるようになります。
例えば「伝説の焼き鳥NFT」を何枚も保有する人が、「あの人にもぜひ味わってほしい」とNFTをプレゼントすることだってできます。
栗原:Mini Dappを活用すれば、企業の枠組みを超えたキャンペーンも可能です。
これまでの仕組みでは、各社がそれぞれ独立してポイントシステムを運用していました。これに対してMini Dappの場合、顧客のウォレットアドレスは共通であるため、組織を横断した施策ができます。ライバル同士の焼き鳥店が協力してプロモーションを実行する場面であっても、システム連携など面倒な作業は必要ありません。
この他に、「伝説の焼き鳥NFT」を保有しているウォレットアドレスに対して、競合店が自発的に自社のクーポンを送る場合もあるでしょう。なぜなら、このNFTを保有している人は食通や富裕層である可能性が高く、自分の店に来てもらうメリットが見込めるためです。
このように、Dappならではの特徴によりプロモーションの幅が大きく広がります。
Mini Dappのリリースを一気通貫で支援する

Web3Business 日本事業統括本部長
栗原 俊幸氏(写真中央)
小林:Mini Dappを実際にリリースした企業について、これまでの実績を教えてください。
栗原:躍進した事例のひとつが、株式会社Mint Town(以下、Mint Town)の『キャプテン翼 -RIVALS- on LINE』です。
Mint Townは、いくつものブロックチェーンゲームを手掛ける企業です。とはいえWeb3愛好家の人口は限られているため、ゲームの利用者は数万ユーザーに留まっていました。
しかしDapp Portal上に展開したところ、1ヶ月ほどで200万ユーザーにまで伸びたのです。その後も勢いは持続し、今ではDapp Portal上で2番目に利用者の多いサービスへと成長しました。
Dapp Portalの強みは、LINEアプリの利用者数がそのまま潜在顧客となる点です。Mini Dappを遊ぶにあたって、暗号資産ウォレットやガス代を用意する必要はありません。これによりLINEの利用者がスムーズに流入できるため、ポテンシャルの高いプラットフォームだといえるでしょう。
小林:短期間でそれほどユーザー数が増加するのは驚異的ですね。では、事業者がDapp Portal上でアプリを展開しようとする場合、0x Consulting Groupからどのようなサポートを受けられるのでしょうか。
中田:企画から運用までを一気通貫でサポートします。
Mini Dappの企画を打ち出す上で、事前のマーケット分析が欠かせません。0x Consulting Groupの社内にはこれまでに蓄積したデータとノウハウがあるため、これを活かして企画の立案から伴走します。
もちろん企画だけに留まらず、インセンティブ設計や要件適宜、開発業者の選定などの各ステップに携わります。
また、Mini Dappを登録する際には、Dapp Portalによる審査を通過しなければなりません。このために必要な作業や申請手続きも0x Consulting Groupが代行します。
プロジェクトを成功させるには、リリース後のプロモーション戦略も重要です。そこで0x Consulting Groupでは、Mini Dappを盛り上げるための支援サービスも提供しています。施策の立案からキャンペーンの実行まで、プロモーション全体の運用が可能です。
このように企画段階からリリース後までを包括的に請け負える点が、0x Consulting Groupならではの強みです。

小林:それだけ手厚いサポート体制だと、依頼費用も高額なのではないでしょうか。
中田:一般的なDapp開発と比較すると、コストは低く抑えられます。
なぜなら、Dapp Portal SDK(Software Development Kit)などの開発環境があらかじめ整備されているからです。このSDKの活用によって開発の工数を削減できますし、依頼者側でブロックチェーンエンジニアを雇う必要もありません。
小林:ゼロからのDapp開発と比較して、マンパワーが掛からないのですね。Dappをリリースするまでに、どれくらいの期間が必要ですか。
中田:Mini Dappの規模によりますが、アプリ開発に要する時間は最短3ヶ月から半年ほどです。
小林:依頼者側でブロックチェーンの知識を身に着けなくても、半年ほどの期間でMini Dappを投入できるのですね。
良いプロダクトを送り出せば、世間は評価してくれる
小林:ブロックチェーンやNFTに関するお二人の展望を教えてください。
中田:市況は落ち込んでいますが、事業として参入するには絶好のタイミングです。
時価総額や取引総額だけに注目すると、盛り上がっていない印象を受けるかもしれません。しかし、個々のプロジェクトを観察すると、社会的に意義のあるNFTプロジェクトは真っ当に評価されています。言い換えると、これまではNFTに対する期待感のみで評価されてきましたが、徐々にプロジェクトの真価が問われるフェーズに突入したようです。
良いプロダクトを出せば正当に評価される世の中になったため、Mini Dappに参入する時期として最適だと感じています。

栗原:誰でも簡単に扱えるWeb3サービスが出現すると、ブロックチェーンは急速に広まるはずです。
今までは、暗号資産ウォレットのような複雑な仕組みが一般ユーザーの参入を阻む障壁となっていました。しかし今回リリースしたDapp Portalによって、誰でも扱いやすいWeb3サービスがひとまずは実現できたと自負しています。
ブロックチェーン事業者の中には、「Web3技術の存在を感じさせないほど自然に溶け込ませよう」と取り組む人もいます。ですが反対に、「これがWeb3か!」と感動するほどの体験がなければ、ブロックチェーンの普及は難しいだろうと私は考えています。
実際にChatGPTの登場によって、多くの人が生成AIの可能性を実感しました。これと同様の感動をブロックチェーン分野でも生み出せれば、より深く世の中に浸透するはずです。
小林:たしかに、ChatGPTが登場した時は衝撃的でしたね。では、Dapp Portalが掲げる今後のビジョンを教えてください。
栗原:まずは、高品質なMini Dappを数多く揃えることが目標です。
2025年4月時点で60タイトルのMini Dappを、年内に1,000タイトルまで拡充します。さまざまなユースケースを実現し、感動を与えられるWeb3体験を増やしていきたいです。
最後に
小林:最後に、Dapp Portalへの参入を考えている事業者の方に向けてメッセージをお願いします。
中田:Web3に興味があるなら、まずは気軽にご相談ください。
Dappやガス代などの専門用語を聞くと、多くの人はWeb3への参入を尻込みしてしまいます。
しかし、たとえ前提知識がない状態であったとしても、ご相談いただければ我々0x Consulting Groupが丁寧に説明します。
また、仮にMini Dappのローンチへと繋がらなかった場合でも、この時の経験がいずれ役に立つはずです。
Web3に興味を持つ人が一人でも増えれば、0x Consulting Groupが目指すWeb3の社会実装に近づいていくと信じています。
小林:「少しでも興味があれば、とりあえず相談してほしい」ということですね。続いて栗原さん、お願いします。
栗原:新たにブロックチェーンのサービスを提供する際に、一番手軽に始められる手段が、Dapp Portalです。
メッセンジャーアプリのLINEから誰でも簡単にアクセスできる点は、他社にはない強みです。Dapp Portal上でのサービス展開に少しでもご興味があれば、ぜひ0x Consulting Groupにご連絡ください。中田さんが課題解決に向けて導いてくれます。
小林:スッと中田さんにパスを渡しましたね(笑)。とても興味深い話をお聞きできました。ありがとうございました!

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