矢野経済研究所
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2024年のスポーツ用品市場規模(国内出荷金額ベース)は前年比101.3%の1兆6,734億6,000万円の見込み

~スポーツシーンでの需要伸びずも、ライフスタイル需要の拡大、値上げによる単価上昇、インバウンド需要というプラス要因から微増成長の見込~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のスポーツ用品市場を調査し、製品分野別の市場動向や参入企業の動向、将来展望を明らかにした。

スポーツ用品分野別国内出荷市場規模推移

スポーツ用品分野別国内出荷市場規模推移
(画像=矢野経済研究所)

1.市場概況

2024年のスポーツ用品国内市場規模は前年比101.3%の1兆6,734億6,000万円(国内出荷金額ベース)になると見込む。

分野別ではここ数年好調の続くアウトドア用品について、特に市場規模の大きいアウトドアウエアがライフスタイル需要を取り込み高成長し、市場全体を牽引した。また2023年に続いて、2024年も原材料価格高騰や円安が続いていることを背景にメーカー各社が相次いで商品を値上げしたことで市場全体として単価も上昇している。さらに、訪日外国人観光客数が過去最高※を記録するなかで、スポーツ用品についてもインバウンド(訪日外国人客)需要が再度拡大した。(※出所:日本政府観光局(JNTO)「訪日外客統計」)

こうしたプラス要因がある一方、需要の根幹となるスポーツにおける需要が少子化を背景に伸び悩んでいる。また、秋以降に気温が下がりづらく暑い時期が長期化していることにより、単価の高い秋冬物の需要が減退しているというマイナス面もあり、市場全体としては前年から微増にとどまる見通しである。

2.注目トピック

インバウンド需要拡大

競技系スポーツについては、若年プレイヤー層の需要が大きな割合を占めるカテゴリーも少なくないが、少子化を背景に競技者数が減少傾向にあり、需要は伸び悩んでいる。そうした競技系も含め、インバウンド(訪日外国人客)需要が多様なスポーツ用品分野を底上げした。

そうしたなかで、2024年はコロナ禍前にも人気の高かった多目的シューズやライフスタイルウエアといったライフスタイル系アイテム、東南アジアで人気の高いJリーグのレプリカユニフォーム、サッカーシューズをはじめとした「MADE IN JAPAN」のアイテムなどの需要が再度拡大し、同年におけるスポーツ用品市場拡大の一因となっている。

3.将来展望

2025年のスポーツ用品国内市場規模は前年比104.2%の1兆7,442億4,000万円(国内出荷金額ベース)を予測する。

特にもともと規模の大きいアウトドア用品について2025年も高い成長が予測され、2024年に続いてスポーツ用品市場全体の成長ドライバーとなる可能性が大きい。キャンプ用品の需要は落ち着いているものの、アウトドアウエアの好調が見込まれ、アウトドア用品全体のけん引役になるという構図も続くと予測する。

調査要綱

1.調査期間: 2024年12月~2025年3月
2.調査対象: スポーツ関連企業、メーカー、卸売業、輸入商社、小売業等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話によるヒアリング、ならびに郵送アンケート調査併用
<スポーツ用品市場とは>
本調査におけるスポーツ用品市場とは、ゴルフ、スキー・スノーボード、釣り、アスレチックウエア(トレーニングウエア、ライフスタイルウエア(カジュアルウエア)、フィットネスウエア、陸上競技・ランニングウエア)、アウトドア(アウトドアウエア、アウトドアシューズ、キャンプ用品等)、スポーツシューズ(ランニングシューズ、ウォーキングシューズ、多目的シューズ(カジュアルスニーカーを含む)、キッズシューズ、トレーニングシューズ(フィットネスシューズを含む)、スポーツサンダル)、テニス、スイム、野球・ソフトボール、サイクルスポーツ、バドミントン、武道、卓球、サッカー・フットサル、バスケットボール、バレーボール、ラグビーの主要17分野の関連用品を対象とし、メーカー出荷金額(国内出荷金額)ベースで市場規模を算出した。
<市場に含まれる商品・サービス>
ゴルフ用品、スキー・スノーボード用品、釣用品、アスレチックウエア、アウトドア用品、スポーツシューズ、テニス用品、スイム用品、野球・ソフトボール用品、サイクルスポーツ用品、バドミントン用品、武道用品、卓球用品、サッカー・フットサル用品、バスケットボール用品、バレーボール用品、ラグビー用品

出典資料について

資料名2025年版 スポーツ産業白書
発刊日2025年03月26日
体裁A4 581ページ
価格(税込)198,000円 (本体価格 180,000円)

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