
目次
- 学生時代のアルバイトから叔父の会社に就職した田中社長 バブル前 に様々なハウスクリーニング業務を受注し業容急拡大に
- バブル崩壊後、先代社長のつながりで大手ハウスメーカーからのクリーニング業務の受注により、そこから排水管洗浄の仕事も始まった
- コスコの強みは、キッチン配管内で硬化し石灰化した異物を除去するクリーニング技術
- 排水管洗浄は目に見えない業務だけに、メンテナンス時期を知ることと信頼できる業者への発注が重要
- 従業員が外出した時間帯に入る得意先からの重要なFAXを把握するためにNASを導入 外出先からのFAX情報の閲覧が可能になった
- リモートビューを活用し社内情報の閲覧と操作ができるので、外出中でも事務所にいる時とほぼ同じ仕事が出来る 更にICT導入を検討
- 家の中に入る仕事なので信用が第一 地元密着で信用の置ける企業として、「予防」「点検」「緊急対応」で頼られる存在でありたい
ハウスクリーニングの中でも排水管洗浄を得意とする株式会社コスコ(田中淳史代表取締役)は、創業40年を迎える優良企業。目に見えにくい住まいのインフラに携わる企業だからこそ、信頼と誠実な仕事が最も重要だという信念を実践している。(TOP写真:コスコホームページ)
※NAS(Network Attached Storage)とは、社内サーバーとしてだけでなく、インターネット経由でもつながる記憶装置。従って外出先からでもインターネット経由でつながる。
学生時代のアルバイトから叔父の会社に就職した田中社長 バブル前 に様々なハウスクリーニング業務を受注し業容急拡大に
1986年の創業以来、ファミリーレストランやファーストフード店、スーパーマーケットなどの店舗クリーニングを次々と手がけてきたコスコ。当時の業務はそのほとんどが夜間の作業だったという。朝から夕刻まで営業する店舗や施設のクリーニングを業とする会社がまだ少なかったこともあり、アルバイトを含め総勢30人余りを動員し、近畿各地の清掃業務をこなしていった。その頃まだ大学生だった田中社長も最初はアルバイトで従事し、卒業後はそのままこの会社に就職してしまったという。
日本中がまだ高度成長のただ中にあり、全国展開するチェーン店網が競って張りめぐらされていた時代。見えないところでコスコのような会社も、その繁栄を支える重要な役割を果たしていた。

バブル崩壊後、先代社長のつながりで大手ハウスメーカーからのクリーニング業務の受注により、そこから排水管洗浄の仕事も始まった
日本中が大騒ぎになったバブル崩壊後、コスコでも店舗や施設のクリーニング業務が横ばいになり出した頃、先代社長のつながりで大手ハウスメーカーが手がけた戸建住宅のハウスクリーニングの仕事が入ってくるようになった。それに伴い業務を行う時間帯も夜間から昼間に移行する割合が増え、それぞれに対応する社員やアルバイトも勤務時間の割り振りを変えていった。また、業務内容も屋内外の清掃だけでなく、キッチンを主とする排水管の洗浄も依頼されるようになった。コスコではそのノウハウを持つ業者に教えを請いつつ洗浄業務の技術を磨き、まだ競合の少なかった2000年代から様々なノウハウを築き上げていった。
コスコの強みは、キッチン配管内で硬化し石灰化した異物を除去するクリーニング技術
戸建住宅にはキッチンだけでなく浴室やトイレ、洗濯機などからの排水管が排水桝(ます)を通じて外部につながっており、それぞれの排水に特有の汚れがあるという。その中でも最も手こずる排水管がキッチンからのものだ。通常の汚れの代表的なものは料理に使われた油汚れだが、油を排水管に流しても詰まらないうちはほとんどの家庭では洗浄業者を呼ぶことはない。しかし、長い年月を重ねて排水管に溜まった汚れが硬化し石灰化する場合があり、それが原因で排水管が詰まると大慌てで業者を探すことが多い。
コスコはこの硬化し石灰化した汚れを解消する技術を持っている数少ない企業であり、困った時に頼りになる会社の一つだが、慌てたお客さんは冷静にネット検索などせずにクリーニング業者ならどこも同じだろうと、見つけたところに連絡をしてしまう。それで運よく解決できればいいが、この洗浄はなかなか難しい。今までコスコで洗浄業務を受注し石灰化した汚れを解消できなかったことはないそうだ。
排水管洗浄は目に見えない業務だけに、メンテナンス時期を知ることと信頼できる業者への発注が重要
普段自分の家を掃除する際に、目に見えない場所にある排水管や排水桝をきれいにしようと考える消費者は少ないだろう。排水が詰まったり流れにくい状況になって初めて、業者を探す人がほとんどではないだろうか。
田中社長は「そんな時にうちの会社に連絡してくれたら安心価格で完璧な掃除をしてあげるんやけどねー。まだまだうちの知名度が低いから連絡が入るのは少ないなー」と苦笑するが、清掃業者の中には法外な金額を請求してくところもあるらしく業界内でも問題になっている。
いざトラブルが起きてみないと気づかない排水管や排水桝の清掃は、田中社長によると5年に一回は実施したほうがよく、それを頼むのも信頼できるコスコのような会社かテレビでCMを流している大手やそのフランチャイズ店に限定した方がいいという。コスコでもハウスクリーニングを受注した住宅の近隣にチラシをまいたり、ホームページを更新しYouTubeなどにも広告を出したりしているが、困った時にしか思いつかない仕事だけに、なかなか心に留めて置いてくれる消費者は少ないようだ。
従業員が外出した時間帯に入る得意先からの重要なFAXを把握するためにNASを導入 外出先からのFAX情報の閲覧が可能になった
3人の従業員がいる大阪の拠点も含め、従業員が現場に出払ってしまうことが多いというコスコだが、そんな時に得意先や仕入先などから急ぎのFAXが入ったりすることがあった。
そのため、インターネットにつながる社内サーバーNASを導入した。複合機に来たFAX情報をデジタルに変換しNASに保存できるようにすることで外出中の従業員はインターネット経由でFAX情報を閲覧する事が出来るようになった。
リモートビューを活用し社内情報の閲覧と操作ができるので、外出中でも事務所にいる時とほぼ同じ仕事が出来る 更にICT導入を検討
会社に戻って来なくても外から社内情報にアクセスできるので、その点での安心感は大きい。これによって緊急の連絡や情報共有もスムーズになり、京都本社と大阪の出先とのやり取りも楽になったという。
今のところアルバイトを含め総勢10人で複数の現場に携わっているため、実働可能な範囲を超える受注が入っても対応しきれない状況だが、今後のことを考えると、もう少し人員も増やし勤怠管理も含めた社内業務のICT化も進めたい。同時に、地元近隣や関西圏での知名度を上げるための情報発信も進めていきたいと田中社長は話す。

家の中に入る仕事なので信用が第一 地元密着で信用の置ける企業として、「予防」「点検」「緊急対応」で頼られる存在でありたい
ハウスクリーニングという仕事は顧客の家の中に入っていき目の届かない箇所まで洗浄するような職種であるため、お互いの信頼がなければ成り立たない。そのためにも田中社長は関西圏を超えた広域での仕事より、地元密着の仕事をしていきたいのだと話す。
悪質な詐欺や詐欺まがいの取引などが大きな問題になっている昨今コスコは「困った時に確かな仕事をリーズナブルな価格で誠実に実施してくれる企業が地元にある」ということを、確実に消費者に伝えようとしている。
排水管や排水桝という目に見えない場所にあるものの詰まり予防も、洗浄やクリーニング後の経過観察も、そしてもしもの時の緊急対応も、普段から顔見知りの会社であれば安心して頼めるというもの。田中社長はそんなコミュニケーションが取れる方法を常に模索し、実践し続けている。

企業概要
会社名 | 株式会社コスコ |
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所在地 | 京都府京都市南区吉祥院長田町609 |
電話 | 075-672-1900 |
HP | https://cosco1986.com/ |
設立 | 1986年3月 |
従業員数 | 10人 |
事業内容 | 個人住宅専門の排水管洗浄、店舗清掃、窓・床・水まわり等ハウスクリーニング、木洗い及びシミ抜き、エフロ除去、クリーニング用品及び洗剤販売 |