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2023年度の国内鞄・袋物小売市場規模は前年度比125.0%の1兆6,911億円と推計

~鞄・袋物需要は新型コロナウイルス禍以前までに回復し、インバウンド需要の拡大などが加わり市場規模が拡大~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の鞄・袋物市場を調査し、製品セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

国内鞄・袋物小売市場規模推移

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旅行鞄小売市場規模推移

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1.市場概況

2023年度の国内鞄・袋物小売市場規模は前年度比125.0%の1兆6,911億円となった。2023年度は、5月に新型コロナウイルスが感染症法上の位置づけが5類に移行し、消費者の外出機会などはコロナ禍以前に戻り、鞄・袋物の購入頻度ともに鞄・袋物需要も回復した。加えて、インバウンド(訪日外国人客)需要が拡大したことで、市場規模は前年度を上回る結果となった。ただし、市場規模拡大においては、鞄の原材料や燃料費の高騰等による商品単価の全体的な上昇などによる影響もある。また、2023年度は、インポートブランドのハンドバックや、国内メーカーのキャリーケース(スーツケース)、メイドインジャパンブランド商品(日本での製造を訴求した日本誕生のブランド商品等)、アニメ等のキャラクターとのコラボレーション商品などが好調な売れ行きを示している。

2.注目トピック

旅行鞄小売市場

2023年度の旅行鞄小売市場規模は前年度比152.5%の2,120億円となった。旅行鞄において主流となっているスーツケースに対する需要は二極化しており、国内消費者には近隣国への渡航に適した機内持ち込みサイズ、訪日外国人観光客には、日本での購入品を収納するなどの理由から大型サイズが人気となっている。今後も、インバウンド(訪日外国人客)需要の拡大とともに旅行鞄小売市場規模は拡大基調にあるとみる。

3.将来展望

2024年度の国内鞄・袋物小売総市場規模は前年度比117.4%の1兆9,855億円を見込む。インバウンド(訪日外国人客)需要のさらなる拡大などが、市場規模の成長におけるプラス要因とみる。なお、インポートブランドにおいては、引き続き国内富裕層と訪日外国人観光客を主要顧客として売上を伸ばしていくほか、国内供給ブランドにおいては、スーツケースなどが市場を牽引していくと考える。一方、懸念としては、商品価格の値上げや物価高による買い控えの進行などが想定される。

調査要綱

1.調査期間: 2024年12月~2025年2月
2.調査対象: 鞄・袋物及び服装用ベルト業界に携わるメーカー、卸、小売業ならびに、周辺関連事業者(皮革・布帛・合皮等素材供給メーカー、卸ならびに副資材事業者等)、輸出入事業者、関連団体等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e-mail等によるヒアリング調査、ならびに文献調査併用
<鞄・袋物小売市場とは>
本調査における鞄・袋物とは、鞄は主に男性仕様の大型のもの、袋物は主に女性仕様のハンドバッグや小物入れをさし、ビジネス鞄や旅行用鞄、ハンドバッグなどに加え、財布・革小物類やベルトを含む。なお、鞄・袋物市場規模、旅行鞄市場規模は、いずれも小売金額ベースで算出している。
<市場に含まれる商品・サービス>
ショルダーバッグ、トートバッグ、リュックサック、ナップサック、バックパック、ボストンバッグ、ボディバッグ、ウェストバッグ、セカンドバッグ、クラッチバッグ、手提げバッグ、アタッシュケース、ハンドバッグ、ポシェットなど

出典資料について

資料名2025年版 鞄・袋物産業年鑑
発刊日2025年02月27日
体裁A4 399ページ
価格(税込)165,000円 (本体価格 150,000円)

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