インテリア商品の販売と施工を手掛ける少数精鋭の専門会社 快適な住空間提供にデジタル技術は欠かせない 林駒(香川県)

目次

  1. 本社機能を高松市に置く一方、丸亀市でショールーム兼店舗を運営 カーテンなどのウィンドウトリートメントを中心に数万点の商品を扱う
  2. 1980年代から、インテリアコーディネーターと連携して窓まわりや内装の施工業務にも乗り出す
  3. 最適なデザインの商品を提案できるようにインテリアコーディネーターの視点を身につけた
  4. 少数精鋭の運営体制の中で、「攻めの業務」の時間を作るために基幹業務でデジタル技術を活用 NASを活用してテレワークを実現
  5. 情報発信に力を入れるために2023年にホームページを開設 電子商取引にも力を入れる
  6. デジタル技術を活用しながら新しい視点でインテリア業界の進化に対応する
中小企業応援サイト 編集部
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建物の窓まわりを装飾するカーテン、ロールスクリーン、ブラインドといったウィンドウトリートメントは、日差しの調整、外部からのプライバシー保護、心地よい空間の形成で大きな役割を果たすインテリアの重要アイテムだ。香川県に拠点を置く林駒株式会社は、ウィンドウトリートメントを中心に内装関連の様々な商品の販売と施工を手掛ける専門会社として、地域のインテリア業界で存在感を放っている。インテリアのプロとしてプラスアルファの提案を行うことを重視し、クリエイティブな業務にあてる時間を捻出するための業務効率化や働き方改革にデジタル機器やICTを活用している。(TOP写真:林駒が施工を担当したインテリアの事例の一つ)

本社機能を高松市に置く一方、丸亀市でショールーム兼店舗を運営 カーテンなどのウィンドウトリートメントを中心に数万点の商品を扱う

インテリア商品の販売と施工を手掛ける少数精鋭の専門会社 快適な住空間提供にデジタル技術は欠かせない 林駒(香川県)
林駒丸亀店の外観

林駒は1956年、香川県丸亀市でカーテンを中心とした窓まわり商品の販売会社として事業をスタートした。現在は本社機能を高松市に置く一方、丸亀市でショールームを兼ねた店舗を運営している。ショールームでは、デザイン、素材、機能も様々な国内外のカーテン、カーペット、テーブルクロス、クッション、ベッドカバー、タペストリー、のれんなどの多彩な商品をそろえている。

インテリア商品の販売と施工を手掛ける少数精鋭の専門会社 快適な住空間提供にデジタル技術は欠かせない 林駒(香川県)
丸亀店のショールームではカーテンだけでなく、部屋を彩る様々な商品をそろえている

林駒が取り扱っている商品数は数万点にのぼり、部屋の広さや用途に合わせて最適なアイテムを提供できる体制を整えている。「取引先のインテリアコーディネーター、ハウスメーカーからの多種多様な依頼に的確に対応することはもちろん、エンドユーザーであるお客様に心から満足していただけるように品質と素材にこだわった商品をラインナップしています。国内の主要メーカーの商品をはじめ、国内では取り扱いが少ないスイスやドイツなどの海外ブランド商品も多数取り扱っています。カーテンの遮光、遮熱、UVカットといった機能についてもお気軽にご相談いただければ」。JR丸亀駅近くに立地する林駒の丸亀店で、林宏次代表取締役は、穏やかな表情で話した。

1980年代から、インテリアコーディネーターと連携して窓まわりや内装の施工業務にも乗り出す

インテリア商品の販売と施工を手掛ける少数精鋭の専門会社 快適な住空間提供にデジタル技術は欠かせない 林駒(香川県)
林駒の林宏次代表取締役

林駒は1980年代から、商品の販売だけでなく、インテリアコーディネーターと連携して窓まわりや内装の施工も手掛ける現在のビジネスモデルに転換していった。当時、30代で営業担当だった林社長は、室内装飾で存在感を発揮し始めたインテリアコーディネーターによって、業界に大きな変化が生じているのを目の当たりにしたという。

インテリア商品の販売と施工を手掛ける少数精鋭の専門会社 快適な住空間提供にデジタル技術は欠かせない 林駒(香川県)
部屋の内装工事に取り組む様子

「私が営業を担当していた当時のカーテンの売り方は、カタログをお客様のところに持参し、生地を決めていただいた上で、窓の寸法を測り、後日、取り付けにうかがうというものでした。ところが、インテリアコーディネーターとハウスメーカーが連携して、カーテンを住宅に最初から取り付けるというスタイルが生まれ、広がり始めました。カーテンを売る相手として企業にも目を向けなければならないと判断し、インテリアコーディネーターと連携してハウスメーカーの下請けとしてインテリアの施工事業に取り組むことにしたんです」と林社長は話した。結果的に一戸建て住宅の需要拡大を受けた大手のハウスメーカーから仕事を安定的に受注することにつながったという。以後、数十年にわたってウィンドウトリートメント、壁紙、床材といったインテリア施工で技術と経験を蓄積してきた。美しさと機能性を両立させた仕上がりを大事に、アフターケアまで総合的に対応している。

最適なデザインの商品を提案できるようにインテリアコーディネーターの視点を身につけた

世の中には様々な家があり、様々な窓がある。インテリア業界で信頼を勝ち取るには、窓の形、家の立地環境、依頼主の好みなど様々な条件を考えて最適なデザインの商品を提案できる能力が必要だった。林社長は、インテリアコーディネーターと対等に話をして、イメージやアイデアを具体化できるように室内装飾の幅広い知識を蓄え、デザイン力を養うことに力を入れたという。「インテリアコーディネーターの視点を身につけることを心掛けました。住空間のデザインは奥が深く、私自身の性に合っていたのか以前よりも仕事が楽しくなりました」と林社長は振り返った。

少数精鋭の運営体制の中で、「攻めの業務」の時間を作るために基幹業務でデジタル技術を活用 NASを活用してテレワークを実現

インテリア商品の販売と施工を手掛ける少数精鋭の専門会社 快適な住空間提供にデジタル技術は欠かせない 林駒(香川県)
システムを活用して基幹業務に取り組む様子

林駒は、少数精鋭の運営体制の中で、インテリアコーディネーターとの打ち合わせや取引先の新規開拓といった「攻めの業務」にあてる時間を捻出するために、基幹業務でデジタル機器やICTの導入を進めてきた。

2000年ごろから、商品名、単価、価格、施工内容などの項目を入力することで簡単に見積書を作成できるインテリア業界向けの見積管理システムをバージョンアップしながら活用している。

2021年10月にはコロナ禍を受けて、従業員が自宅でも経理や請求書作成といった基幹業務に取り組むことができる環境を整えるために、記憶装置がインターネットに接続されたNAS(ネットワーク接続型ストレージ)を導入した。以前は、本社に設置しているパソコンでしか業務に取り組めなかったが、NASを導入したことで自宅など本社の外部からでも記憶装置に保存しているデータにアクセスしてテレワークができるようになった。

従業員だけでなく林社長もNASの恩恵を受けている。以前は丸亀市内の自宅から高松市内の本社まで毎日、車で片道1時間以上かけて通勤していた。現在は、自宅で見積などの担当業務をこなせるようになったので、従業員と直接、対面で業務に取り組む必要がある日を除いて本社に赴く必要がなくなったという。「1日あたり往復で2時間以上の通勤時間を仕事に使えるようになったので本当に助かっています」と林社長。今後、新たに生み出すことができた時間を活用して、創業の地である丸亀市を中心に取引先や顧客の新規開拓に取り組んでいきたいという。

2022年から複合機のスキャン機能を使って過去の施工や注文の記録といった約6,000件の紙書類のデジタル化にも取り組んでいる。これによりペーパーレス化を進めると共に、会社全体での情報共有をより一層進めたいという。

情報発信に力を入れるために2023年にホームページを開設 電子商取引にも力を入れる

インテリア商品の販売と施工を手掛ける少数精鋭の専門会社 快適な住空間提供にデジタル技術は欠かせない 林駒(香川県)
林駒のホームページ

林駒は、情報発信に力を入れるために2023年にホームページを立ち上げた。事業内容のほか、カーテン、カーテンレール、ロールスクリーン、ブラインド、バーチカルブラインド、ローマンシェードといった各商品の詳しい説明と取扱メーカー、施工業務の内容と施工例、依頼の流れ、採用情報などを掲載している。採用情報ではメッセージのほか、求める人材像についての情報を発信している。ホームページを設けたことで、ウィンドウトリートメント関連の商品についての問い合わせが増えたほか、新しい従業員の採用にもつながった。今後は商品についての情報を掲載した製造元のホームページにアクセスできる外部リンクも掲載していきたいという。

今後、豊富な品ぞろえのインテリア商品を幅広いエリアの消費者に直接、販売する体制を整えたいという。そのためにフリーマーケットアプリ運営企業が法人向けに開設しているECサイトへの出店をはじめとするネット販売の取り組みに力を入れている。「丸亀市のショールームも活用しながらリアルとネットの販売を組み合わせることで相乗効果を生み出していきたい」と林社長は力強く話した。

デジタル技術を活用しながら新しい視点でインテリア業界の進化に対応する

品質と信頼を何より大事に考えて、顧客の理想的な空間の実現に取り組んできた林駒。林社長は「困りごとや要望に真摯に向き合って、豊かな暮らしを彩るサービスをこれからも提供していきたい」と前を見据える。より快適な住環境づくりを目指して、日々進化するインテリア業界で、林駒はこれからもデジタル技術を活用しながら新しい視点でチャレンジを続けていく。

企業概要

会社名林駒株式会社
本社香川県高松市観光町503-14
HPhttps://hayashikoma.co.jp
電話087-861-8219
設立1956年6月
従業員数6人
事業内容インテリア販売、内装工事