2024年の国内宝飾品(ジュエリー)小売市場規模は地金価格上昇による単価の上昇とインバウンド需要の急増により、プラス成長を予測
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内宝飾品(ジュエリー)市場について調査を実施し、製品セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
国内宝飾品(ジュエリー)市場規模推移と予測
1.調査結果概要
2024年の国内宝飾品(ジュエリー)小売市場規模は、前年比104.7%の1兆953億円を予測する。
2024年に入っても地金価格が上昇基調にあることや、円安を受け、参入企業各社が販売価格の値上げに踏み切ったこともあり、購入単価が上昇していること、インバウンド(訪日外国人客)の増加にともなって宝飾品(ジュエリー)に対する需要が急増していることが主な要因である。
2025年の国内宝飾品(ジュエリー)小売市場規模は、前年比96.0%の1兆514億円を予測する。ここ数年は富裕層を中心にコロナ禍後の反動消費の動きが見られたものの、富裕層においても長引く物価高騰によって宝飾品に対する需要は落ち着くものとみられ、市場全体は再び停滞局面に入ってくると考える。
2.注目トピック
ブライダルジュエリーに回復の兆し
2023年後半になって、ブライダルジュエリーに明るい兆しが見えてきた。その要因は、素材価格の高騰による販売価格アップに起因する。結婚するカップルにおける結婚指輪の取得率は9割を超えている(矢野経済研究所推計)。そのため、販売価格が上昇しても購入する傾向がある。またコロナ禍後、外出機会が増え、出会いの場が増加していることも婚姻組数に好影響を与えたものとみる。
一方で、若者を中心に結婚に対して必要性を感じなくなってきているという意識の変化もある。コロナ禍で生活様式が見直されるなか、今後、結婚という形式にとらわれないカップルが増加することも想定され、ブライダルジュエリー業界にとっては需要の底上げが必要とされている。
調査要綱
1.調査期間: 2023年9月~2024年8月 2.調査対象: 宝石専門店チェーン、百貨店や時計宝石店および呉服などの異業種宝飾参入企業、インポートジュエリーブランド企業等 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話によるヒアリング、および郵送アンケートを併用 |
<国内宝飾品(ジュエリー)小売市場とは> 本調査における宝飾品(ジュエリー)とは、主に金やプラチナを素材に、ダイヤモンド、貴石、真珠などを使用した宝飾品を対象とし、宝飾時計、ならびに一部シルバー素材や半貴石の商品を含む。なお、市場規模は小売金額ベースで算出している。 |
出典資料について
資料名 | 2024年版 宝石・貴金属市場年鑑 <市場分析編> |
発刊日 | 2024年08月30日 |
体裁 | A4 1000ページ |
価格(税込) | 198,000円 (本体価格 180,000円) |
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