子どもの親権
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小林 芽未
小林 芽未(こばやし・めみ)
2011年早稲田大学第二文部卒業。2014年日本大学大学院法務研究科卒業。2015年司法試験合格。司法修習終了後,都内の企業法務を扱う法律事務所で勤務弁護士として執務した後,東京神田にてS&M法律事務所を開所。大学時代に学んだ心理学を生かし,依頼者に寄り添いながら男女問題・離婚問題に注力した業務をおこなう。司法試験を目指す前は,不動産業等事業会社にて勤務していた。弁護士、宅地建物取引士、APCカウンセラー認定講座修了。

子どもに関することは離婚前に取り決めをしておくべき

離婚は夫と妻とが将来に向かって婚姻関係を解消するものである。離婚をすれば、これで夫婦が相互に負っていた同居義務や協力義務、扶助義務そして貞操義務もなくなり、結婚前の関係と同様の全くの他人となるのだ。

しかしながら、夫婦の間に子どもがいる場合にはそう単純にはいかない。離婚に伴い、相手が親権を持ったとしても法律上は親子であることになんら変わりはない。たとえ相手が別の人と再婚し、わが子がその再婚相手と縁組しようとも親子関係が切れることはないのである。

法律上は親子のままでも、離婚により夫と妻が別々に住むことになり、子どもの親権者(監護権者)とならなかった親は、子どもと共に暮らし、生活することができなくなる。親権を持った側の身勝手な理由で、子どもと会わせてさえもらえないということも起こりうる。

子どもとの生活の全てを奪われないためにも、離婚をするにあたっては子どもに関してしっかりと取り決めをしておく必要がある。

知っておきたい親権にまつわる5つのこと

ではここからは意外と知らない親権にまつわる3つのことを見ていこう。

1.親権に関して民法に規定がおかれている

「成年に達しない子は、父母の親権に服する(民法818条1項)」と子どもが親権者に従うべきということが明記されている。そして、親権者に対しては「親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う(民法820条)」とその権利と義務が定められている。