儲かる会社
(画像=REDPIXEL.PL/Shutterstock.com)

(本記事は、牧野剛氏の著書『社員は1分で変わる! ──儲かる会社をつくる「できました」の魔法』自由国民社の中から一部を抜粋・編集しています)

「わかりません」は儲けのタネ

「わかりません」社員を大切にする一番の理由は、粗利アップに直結するからです。なぜなら、「わかりません」と正直に伝えれば、お客様の力を貸してもらうことができるようになるからです。「わかりません」は、お客様の協力を引き出す最強のツールなのです。

例えば、営業マンが「わかりません」と言えるようになると、契約件数が増えます。なぜなら、営業という仕事は、まずお客様から宿題をいただいてくることが、その先の展開につなげるきっかけになるからです。

宿題とは、お客様の「困りごと」です。それを、自社の強みを発揮して解決できるとわかった時、そこにビジネスが発生します。

例えば、お客様のお話の中で、何かわからないことがあった時、「申し訳ございませんが、少々わかりませんので、もう少し詳しく教えていただけませんか?」と言えば、お客様は快く教えてくれます。

人間は誰かから教えを請われると、自己重要感が上がるので、不快に取られることはそうそうありません。教えてもらったあとに、感謝と尊敬の念を込めて「ありがとうございます。〇〇様のお話がわかりやすかったおかげで、とても勉強になりました」と伝えれば、お客様との関係はますます良くなります。

また、こちらにわからないことがあったということは、お客様の状況をしっかり理解できていなかったことでもあります。わからなかったことを教えてもらい、お客様のことをきちんと理解できると、さらに提案できることが増える可能性もあります。そこには粗利アップのチャンスが隠れています。

さらに営業マンが、お客様から何か質問された時、すぐに答えがわからない場合は、「わかりませんので、お調べして、また伺います。次はいつが、ご都合がよろしいですか」と答えれば、次のアポイントにつなげるチャンスにすることができます。そして質問への回答を持って次回に臨めば、それが新規契約など、新規の粗利アップにつながります。

「わからない」は相手とのコミュニケーションを深めるチャンスなのです。

特に営業マンだと、「わかりません」と言うことで、次回の約束を取りつけたり、質問したりと、次のアクションにつなげることができます。接触頻度が増すに従い、お客様との関係性が良くなるので、儲けが実現するのです。

トークの実例はこのようになります。

・お客様との会話の中で、自分がわからないことがあった場合

社員「申し訳ございませんが、少々わかりませんので、もう少し詳しく教えていただけませんか?
お客様「いいですよ。これは詳しく言うと、~~ということです」
社員「教えていただいてありがとうございます。〇〇様のおかげで大変よく理解できました」

・お客様から、自分がわからないことを質問された場合

社員「恐れ入りますが、今はわかりかねますので、そういうことでしたら明日までに調べて、もう一度ご連絡させていただいていいですか?
お客様「それではお願いします」
社員「次にお伺いするのはいつがよろしいですか?」

もちろんこれらは、営業マンに限った話ではありません。どの部署の社員でも、「わかりません」と社内でもお客様に対しても言えるようにしておくことは、粗利アップのためには必須です。

社員は1分で変わる! ──儲かる会社をつくる「できました」の魔法
牧野 剛
社会保険労務士法人ローム代表社員。1961年、静岡県浜松市生まれ。静岡大学人文学部卒。1989年に社会保険労務士の資格を取得。2007年に社会保険労務士法人ロームを設立。社会保険労務士としての業務以外に、企業の研修講師なども行う。

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