儲かる会社
(画像=Antonio Guillem/Shutterstock.com)

(本記事は、牧野剛氏の著書『社員は1分で変わる! ──儲かる会社をつくる「できました」の魔法』自由国民社の中から一部を抜粋・編集しています)

「できました」社員が育つと社長業がラクになる

私は仕事をするうえで、「ラク」という言葉をとても大事にしています。「ラク」と聞くと、「さぼる」とか「なまける」といったニュアンスを感じる人もいるかもしれませんが、私の中での「ラク」とは、「効率的、効果的、ストレスフリー」といった意味で、良いことづくめの前向きな言葉なのです。

今までご説明してきたこの「できました」教育を社内で徹底的に実践するだけで、社長は驚くほどたくさんの「ラク」を手に入れることができます。そして「ラク」をして増えた時間を、例えば、今までできていなかった自社の発展のための展開を考える時間に充てることもできるのです。

以下に、「できました」教育で得られる社長の「ラク」をご紹介していきます。

【ラク1】報告を聞くのが「ラク」になる

報告を「できました」に変えると、結論が一番最初に来るので、たいていの報告が1分で完了します。忙しい上司も部下の報告を短時間で受けることができるようになります。

【ラク2】部下のミスが減るので社員教育が「ラク」になる

「できました」という報告は、「〇○することができました」という定型文を使って簡潔に報告するのが特徴です。部下は、仕事を少し進めるたびに小刻みに報告することになるので、何か間違いがあっても早めに軌道修正ができます。これによってミスを未然に防ぐことができ、上司はミスをフォローする手間がなくなります。

【ラク3】部下の成長が早まるので「ラク」になる

1分で終わる「できました」という報告によって、上司は、部下のできたこと、できなかったことを短期間で把握することができます。部下の状況に応じて充分なフィードバックが行えるので、部下の成長のスピードが早まります。

【ラク4】部下の主体性が育つので「ラク」になる

「できました」と報告することで、部下は上司の「ありがとう」を引き出すことができます。上司から指示を受けているようでいて、実は部下が場をリードしています。部下は、この経験を積み重ねることで、主体性を持って行動する姿勢が身につきます。

【ラク5】営業力を育てるのが「ラク」になる

「できました」の報告はコミュニケーションを活性化し、人間関係を良好なものにします。どんなビジネスでも、入り口はまず良好な人間関係を築くことから始まるので、営業のためのスキルも身につきます。

【ラク6】褒めることが「ラク」になる

日本人は、部下を褒めるのが苦手な人が多いようです。ですが、部下の方から「できました」と報告してくれれば、上司は自然と「ありがとう」と答えることができるので、ラクに部下の承認欲求を満たすことができます。承認欲求を満たされた部下は、自分に自信が持てるようになるので、成長のスピードが早まります。結果として上司はさらにラクができるようになります。

【ラク7】社風改善が「ラク」になる

「できました」「ありがとう」が行き交う社内に、ぎすぎすとした空気はありません。「できました」教育を取り入れるだけで、社内の雰囲気が良くなります。

【ラク8】人員確保が「ラク」になる

「できました」教育が行き渡ると、社員が粗利脳を持つようになり、儲けられる会社になります。会社が儲かるとホワイト企業化するので、社員は辞めなくなります。ホワイト企業には、求人をするといい人が集まるので、人員確保がラクになります。

さらに、「おまけのラク」として、部下本人が「ラク」になるというメリットもあります。「できました」の報告は、自分ができたところを見つける練習になるので、自分や他人のプラスの面を見つける癖が自然にできるようになります。これを続けていくと、生き方そのものが前向きになり、幸せに生きるコツがラクに身につくのです。

社員は1分で変わる! ──儲かる会社をつくる「できました」の魔法
牧野 剛
社会保険労務士法人ローム代表社員。1961年、静岡県浜松市生まれ。静岡大学人文学部卒。1989年に社会保険労務士の資格を取得。2007年に社会保険労務士法人ロームを設立。社会保険労務士としての業務以外に、企業の研修講師なども行う。

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