ECサイトをパッケージ型で構築して得られるメリットとは?特徴から注意点まで解説します

ECサイトの構築を検討する際、ECパッケージが自社に適しているのか判断しかねている方は多いのではないでしょうか。安易に選んでしまうと、後々の運用で大きな問題が生じる可能性があります。

本記事では、ECサイトをパッケージ型で構築するメリットとデメリットを詳しく解説します。パッケージ選定の際のチェックポイントや注意点についても触れているため、ECサイト構築を検討する際の参考になるでしょう。

複数あるECサイト構築方法の中で、パッケージを選択すべきか判断するためのヒントが得られますので、構築方法にお悩みの方はぜひ最後までご覧ください。

目次

  1. ECパッケージの特徴
  2. ECパッケージで実現できる機能
  3. ECサイトをパッケージ型で構築して得られる3つのメリット
    1. 柔軟にカスタマイズできる
    2. 短期間で構築できる
    3. サポートが充実している
  4. ECパッケージならではの3つのデメリット
    1. 導入費用が高額になる場合がある
    2. メンテナンスに手間がかかる場合がある
    3. 機能が古くなるリスクがある
  5. ECサイトをパッケージ型で構築すべきかのチェックポイント
  6. ECパッケージの選択を見直したほうがよいケース
  7. 自由度があるからこそ気をつけたい注意点
  8. futureshopはパーツで理想的なECサイトを実現
  9. まとめ

ECパッケージの特徴

ECパッケージは、ECサイトに求められる基本的な機能を備えたプラットフォームです。一からECシステムを構築する必要がないため、自社の事業に必要な機能をカスタマイズするだけで利便性の高いECサイトを構築できます。

具体的には、商品管理・受注管理・顧客管理などの基本機能が揃っているため、微調整すれば短期間でECサイトを立ち上げられます。

ただし、選択するECパッケージによって利用できる機能や、カスタマイズできる範囲はさまざまです。そのため、自社の要件に合ったパッケージの選定が重要です。

特に、バージョンが上がるたびにライセンス購入の必要があるパッケージだと、カスタマイズを含めた開発費用がかかる場合もあり、費用が高額になります。場合によっては、1から構築する方法と同等になる可能性があるため、長期的な視点での選定をおすすめします。

ECパッケージで実現できる機能

ECパッケージには、ECサイトの運営に必要な機能が含まれています。主な機能は以下のとおりです。

機能 内容・メリット
注文管理 ・注文の受付、注文状況の確認、注文履歴の管理などができる
・受注業務を効率化し、迅速な顧客対応が可能
商品・在庫管理 ・商品情報の登録、在庫数の管理、商品検索などができる
・リアルタイムな在庫管理により、販売機会のロスを防げる
売上管理 ・売上の集計、売上レポートの作成などができる
・売上データを分析することで、販売戦略の改善に役立てられる
顧客管理 ・会員情報の管理、会員ランクの設定、ポイント管理などができる
・顧客情報を活用したターゲティングやリピート販売が可能になる
ショッピングカート機能 ・商品をカートに追加し、まとめて購入できる
・ユーザーの利便性を高め、購入率のアップにつながる
決済機能 ・クレジットカード決済、コンビニ決済、銀行振込などの決済方法をもたせられる
・多様な決済手段を用意することで、顧客の選択肢が広がる
メール配信 ・注文確認メール、配送通知メール、キャンペーンメールなどを配信できる
・メールを活用したマーケティングにより、顧客とのコミュニケーションが図れる
分析機能 ・アクセス解析、商品の売れ行き、顧客の購買行動などが分析できる
・データ分析に基づいた施策により、売上アップを目指せる

なお、利用できる機能はパッケージによって異なります。必要な機能が不足している場合は、カスタマイズや別途開発が必要になり、工数や費用がかかる点には注意が必要です。

ECサイトをパッケージ型で構築して得られる3つのメリット

ここでは、ECパッケージならではの3つのメリットについて詳しく解説します。

柔軟にカスタマイズできる

ECパッケージは、カスタマイズの自由度が高いため、自社のオリジナルサービスや独自の販売手法を実現できます。標準的な機能だけでなく、必要に応じて後から機能を追加したり、デザインを変更したりと柔軟な対応が可能です。

短期間で構築できる

ECパッケージには、ECサイトに必要な機能が標準装備されているため、構築期間を短縮できます。

サポートが充実している

ECパッケージの販売会社では、セキュリティ対策や外部ソリューションとの連携など、保守サービスやサポートを提供しています。自社対応の負担が軽減されるのはメリットといえます。

ECパッケージならではの3つのデメリット

ECパッケージには多くのメリットがある一方で、気をつけておきたいデメリットもあります。ここでは、具体的な3つのデメリットを解説します。

導入費用が高額になる場合がある

ECパッケージの導入費用は、多くの場合高額になります。また、大規模なカスタマイズの場合は、別途開発費用がかかるため、内容によってはオープンソースよりも高額になることがあります。

具体的な費用イメージは、以下のとおりです。

内容例 費用
標準機能実装 ・導入費用:500万円〜
・月額:20万円〜
・基幹システム連携
・POSシステム連携
・オムニチャネル化
・導入費用:1,000万円〜
・月額:30万円〜
・独自カスタマイズ
・店舗連携
・マルチブランド展開
・導入費用:3,000万円〜
・月額:50万円〜

そのほか、ECサイトに必要な費用の目安については、以下の記事で解説しています。ぜひご覧ください。

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2024-04-26

メンテナンスに手間がかかる場合がある

ECパッケージを使用するうえで、定期的なメンテナンスは欠かせません。具体的には、セキュリティ上の脆弱性やシステムの不具合などが見つかった際には、パッケージ提供会社が提供するアップデートプログラムの適用が必要です。

カスタマイズの仕方によっては、ECパッケージ自体のバージョンアップで整合性が取れなくなり、メンテナンスやカスタマイズ部分の修正に手間がかかる場合があります。

機能が古くなるリスクがある

ECパッケージを使用してECサイトを構築した時点では、最新の機能を備えていても、数年後には機能が古くなり、EC市場のトレンドに合わなくなる可能性があります。

特に独自のカスタマイズを入れた場合、ECパッケージ自体には新しい決済やマーケティング機能が追加されても対応できない事態が生じるためです。すると、古いバージョンの状態のまま使い続けざるを得なくなってしまいます。

機能が古いままでは、市場や競合他社に後れをとってしまう恐れがあるため、独自のカスタマイズの導入検討や定期的なバージョンアップの実施により、リスクを軽減していくことが求められます。

ECサイトをパッケージ型で構築すべきかのチェックポイント

費用がかかったとしても、スピード感と安定感を求める企業にとって、ECパッケージはよい選択肢となります。

ただし、ECパッケージが自社にとって最適な選択肢かどうかは、以下7つのチェックポイントを確認する必要があります。

チェックポイント 内容
ベンチマーク先が使っているか 業界標準のパッケージを使っている場合、安心感がある
求める機能が搭載されているか 商品管理、受注管理、決済、配送など、ECサイトに必要な機能が揃っているかどうかがポイント
セキュリティ性が高いか 個人情報の保護や、不正アクセス対策など、セキュリティ面での対策が十分に行われているかを確認
サポート体制が整っているか トラブル発生時に迅速に対応してもらえるかどうかが、安定運用には欠かせない
予算内で構築・運用できるか 初期費用だけでなく、ランニングコストも考慮に入れて、予算内に収まるかを確認
拡張性が十分か 事業規模の拡大に合わせて、機能追加や、サーバー増強などができるかどうか
希望日にオープンできるか パッケージの導入には一定の期間が必要なため、スケジュールに余裕を持って、計画的に進められるかどうか

なお、そのほかのプラットフォームも含めた詳しい内容については、以下の記事で具体的な比較と選定のポイントを解説しています。

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ECパッケージの選択を見直したほうがよいケース

ECパッケージは多くの企業にとって利用しやすいシステムですが、企業の規模や予算によっては、選択を見直したほうがよいケースもあります。

ECパッケージを導入する際の費用は、標準機能だけの実装でも、初期費用が500万円〜、月額が20万円〜かかります。さらに、独自のカスタマイズを加えると、初期費用が3,000万円〜、月額が50万円〜になることもあります。

年商1億円未満の企業にとって、ECパッケージを導入しても費用対効果が得られない可能性が高いでしょう。なぜなら、これだけの費用を投じることは非常に大きな負担となるためです。

以上の理由から、年商1億円未満の企業では、ECパッケージではなく、ほかの方法を検討したほうがよいでしょう。たとえば、オープンソースやASPは、ECパッケージよりも、導入費用を抑えられます。

自社の規模や予算、必要な機能などを考慮して、最適な方法を選びましょう。

自由度があるからこそ気をつけたい注意点

ECパッケージは、カスタマイズの自由度の高さが特徴ですが、自由度の高さゆえの注意点があります。

まず、追加開発の仕様検討や実装には、多大な時間とコストがかかります。自社に必要な機能を実装するためには、開発業者とのコミュニケーションが欠かせません。すると、仕様のすり合わせに時間がかかるほか、開発費用も高額になる可能性があります。

また、カスタマイズの自由度が高くても、開発の手間と費用が障害となり、頻繁な機能追加ができないケースも想定されます。ECパッケージは必要な機能を柔軟に追加できる点がメリットです。しかし、開発コストが高くつくために、なかなか実現に至らないジレンマが生じます。

ECパッケージの自由度の高さを活かすためには、開発コストを適切にコントロールする必要があります。優先順位を決めて本当に必要な機能から開発し、開発業者とのコミュニケーションを密にして仕様のすり合わせにも時間をかけるのがポイントです。

futureshopはパーツで理想的なECサイトを実現

futureshopは、ASP/SaaS型のECプラットフォームです。ECサイトに必要な機能を、パーツの組み合わせで提供しているのが特徴です。

futureshopでは、直感的かつ柔軟なカスタマイズができる「commerce creator」を用意しています。たとえプログラミングの知識がなくても、ECサイトのデザインや機能など、簡単に変更・追加することが可能です。

futureshopの詳しい内容については、サービス資料にまとめています。資料では、パーツを組み合わせる機能や、セキュリティ対策、サポート体制などについて、具体的に説明しています。ぜひ、資料をダウンロードして、futureshopの魅力に触れてみてください。

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まとめ

ECサイトをパッケージ型で構築するメリットには、カスタマイズの自由度の高さ、短期間での構築、充実したサポートなどがあります。一方で、導入費用の高さ、定期的なメンテナンスの必要性、機能の陳腐化リスクといったデメリットもあります。

自社に適したパッケージを選ぶためには、ベンチマーク先の事例や必要な機能などをもとに、総合的な判断が必要です。特に年商1億円未満の企業では、コストの面からパッケージ以外の選択肢も検討すべきでしょう。

もし、ECサイトにカスタマイズの自由度を求める場合は、適切な開発計画と管理が不可欠です。futureshopのようなASP/SaaS型のサービスを利用するのも一つの選択肢として考えられます。自社にとって何を重視すべきかを今一度考えてみてはいかがでしょうか。