こんにちは。ウェルスパートナー代表の世古口です。みなさんはヘッジファンドという投資対象をご存じでしょうか。全くイメージがないか、もしくはリスクが高い、なんだか怖い、ハゲタカなど、どちらかというネガティブな印象をお持ちの方が多いかもしれません。
しかし、ヘッジファンドは海外の超富裕層や年金などの機関投資家、1,000億円以上の資産を運用する海外の大学や財団などの資産運用に必要不可欠な投資対象です。今回は世間から誤解が多いヘッジファンドを他のファンドと比較して、わかりやすく説明します。
代表的な3ファンド
世の中には大きくわけて3つのファンドが存在しています。まずファンドとは、多くの投資家からお金を集めて株や債券、不動産などのあらゆる対象に投資する手法です。ファンドのメリットはたくさんお金を集めて、いろんな資産に投資しているので、個人で直接投資するよりも、分散効果があります。そしてファンドはインデックスファンド、アクティブファンド、ヘッジファンドの3種類に大きく分類されます。
(1)インデックスファンド
まずインデックスファンドとは、S&Pや日経平均など指数に連動するように運用するファンドです。メリットは指数に連動するので、運用状況が把握しやすいことと運用コストが圧倒的に低いことです。年間の信託報酬は0.1%から高いファンドでも0.6%くらいでしょう。
(2)アクティブファンド
次にアクティブファンドは前述のインデックスファンドの運用指標であるS&Pや日経平均などのパフォーマンスを上回ることが目標です。ですので、日経平均が年間+3%だとすると+5%なら勝ちで、+1%なら負けということです。アクティブの難しいところは腕の良いファンドマネージャー(ファンドが何に投資するかを決める運用者)を見つけることです。多くのアクティブファンドがある中で、全てのパフォーマンスを平均化するとインデックスファンドに勝てないのが現状です。
なぜアクティブの平均がインデックスに勝てないかというと大きな理由は運用コストです。アクティブファンドの年間の信託報酬は1.5%から2%程度のものが多いですが、インデックスファンドは前述のように0.1〜0.6%程度になります。このコストの差がアクティブとインデックスの勝敗を決めていると言えるでしょう。
(3)ヘッジファンド
アクティブファンドに納得いかないという意見にはこういうものがあります。インデックスが年間−10%だとして、アクティブが年間−5%だとこのアクティブは勝ちということになりますが、「でも結局はマイナスですよね?」という感情です。どれだけインデックスに買っても、マイナスを受け入れたくないのが投資家の心理です。このどんなときでもマイナスのパフォーマンスを出したくないという投資家のニーズから生まれたのがヘッジファンドです。
どんなときでもプラスのパフォーマンスを出すことを「絶対収益」といいますが、ヘッジファンドはこの絶対収益を基本理念としています。コロナウイルスが蔓延しようと、リーマンショックが起ころうと、ITバブルが崩壊しようと、マイナスを出さないために徹底的に努力し、利益に執着します。