成長性、安全性が高い国マレーシア

マレーシアを統括会社の移転先として選ぶ理由として、“税制優遇”、“ビジネスのしやすさ”を挙げる企業は非常に多いです。

マレーシアはシンガポール同様に積極的な外資の誘致を行っており、政府も2024年度の予算案にマレーシアに地域統括会社を置く企業に対し、5~10%の税制優遇措置を最大10年間与える「グローバルサービス・ハブ」制度を盛り込んでいます。また、“ビジネスのしやすさ”においても、多くのビジネスパーソンが英語を当たり前のように使い、財務税務の健全性が高いマレーシアは安心してビジネス活動ができる国として、シンガポールに引けを取らない魅力を持っています。 2024年度のGDP予想成長率は5%と、成長著しい他のASEAN諸国に対しても負けない力強い成長を続けています。

出典:Amro: Malaysian economy to expand by 5% in 2024; semiconductor upcycle to peak at year-end(The Edge Malaysia, 2024年4月8日)

クロスボーダーM&Aを活用した進出例

先にご紹介をした株式会社加藤産業のようにM&Aを通じて地域統括会社を設立する事例も多くみられます。従前は地域統括会社が実ビジネスを伴わず、あくまで統括目的で設立することが多かったですが、せっかく拠点を持つのであれば統括機能と実ビジネスを併せて持たせるという目的で現地の企業を買収する事例も出てきています

レカム株式会社は2023年6月にマレーシアのSin Lian Wah Electric Sdn. Bhd.を子会社化することを発表しました。同社は既にマレーシアに統括機能を持つ会社を保有していましたが、実ビジネスの強化を目的として本買収に実行しており、このような流れは今後も加速していくものと思われます。

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プロフィール

福島  裕樹 福島 ふくしま 裕樹ゆうき

営業本部 法人チャネル IN-OUT推進部

大手金融機関を経て2018年に日本M&Aセンターの海外事業部に入社。入社から一貫してクロスボーダーM&Aに従事。主に譲受をする日系企業に対してアドバイザリー業務を行う。2023年4月よりマレーシア担当となり、AESAN各国での成約実績に基づきマレーシアの魅力を発信している。