バカルディジャパンは4月17日、「2024年事業・マーケティング戦略説明会」を本社内で開催した。まず、東智徳代表取締役社長がバカルディ社のグローバルな中長期戦略である「BEST10&BEYOND」を紹介した。
「バカルディ社は1862年創業、ことしで162年になる。200以上の商品を持ち、160カ国以上に展開している。日本で大きな飛躍となったのは、2011年とのサッポロビール社との業務提携だ。この14年間、ともに苦難を乗り越えてきた強い信頼関係のもとに、いま活動を行っている。BEST10とは中長期戦略で“最強の10年間になる”という決意を示しているもので、5年が経過した。そのうえでさらに高みを目指すという意味で、BEYONDとしている」。
2024年の事業方針として「日本の輸入スピリッツは、この10年、平均6%の成長率で成長し、プレミアム化(2,000円以上)が進んでいる。日本の文化に根付き、生活者に愛されるトップブランドを育み、市場をけん引するプレミアム洋酒会社となる。24年は2トップ戦略をとり、デュワーズ12年とバカルディ・ゴールドラムにマーケティングを集中する。加えてパトロンテキーラなどプレミアムの種植えをしていく」とした。
〈「デュワーズ12年」「バカルディ・ゴールドラム」の2トップ戦略〉
「デュワーズ12年」の方針について、マーケティングマネージャー金城従氏が説明した。「スタンダードのホワイトラベルを含めて、インテージ調べで2023年11月から24年3月まで、スコッチNo.1となっている。コロナの間も家庭用を伸ばした。新デュワーズ12年がこの2月にリニューアルし、プレミアムスコッチNo.1を目指す」。
マーケティング方針は「昨年比で1.3倍以上投資する。17日に開業したハラカドで開業記念のルーフトップバーイベントを21日まで行う。東京インターナショナルバーショーでは、5年連続でマスターブレンダーオブザイヤーのステファニー・マクラウド氏が5月11・12日にセミナーで登壇する。父の日や年末でのCM広告、秋から年末にかけてポップアップイベント、春夏のサンプリング・協賛イベント出店を予定している」とした。これまでは居酒屋などが強かったが、バーなどよりハイエンドの業態を目指していく。なお、現状、比率はホワイトラベルが多いが、理想形としてはプレミアムと5対5に持っていきたい意向という。
「バカルディ・ラム」についてマーケティングマネージャー奥村龍太郎氏が説明した。「調査では、ラムは、カクテルとして6カ月以内に飲んだお酒でウォッカと並んでいる。カテゴリーリーダーとして、ラムのすそ野を広げていきたい。現状、ラムは市場規模46億円(前年比2%減)だが、巨大な輸入スピリッツ市場でポテンシャルはある。2030年までに現状の2倍、100億円規模に育てる」とした。
ハイボールについて「ウイスキーハイボールの味わいに必ずしも満足していないユーザーが約2割存在する。飲んでいる理由に“好きというほどではないが”“皆が飲んでいるから”といった答えが少なからずある。そこに大きな機会が生まれる。バカルディ・ゴールドラムはウイスキーと同じオーク樽で熟成し、樽香がある。実際に飲み比べての調査でも、ウイスキーハイボールと並ぶポテンシャルがある」と述べた。
マーケティング方針は「カテゴリーで圧倒的No.1ラムとして、バカルディハイボールをメジャー化する。ブランド価値“Do What Moves You(らしく、いこう)”とともに訴求する。音楽をコミュニケーションのプラットフォームとする」。
4~7月にはシンガーソングライターのAile The Shotaがブランドテーマに沿って、楽曲をゼロから制作。8~12月には大物HIP HOPアーティストとコラボする。ポップアップストアを5月に東京で、6月に大阪で、音楽フェスは5月に神戸メロークルーズ、6月に日比谷音楽祭、8月にサマーソニックでブース出店する。
業務用ではカジュアルな居酒屋チャネルがメインとなる。構成比は現状、バカルディ・ホワイトラムが70%強を占めるが「ゴールドが追いかけて抜くというイメージだ」とした。
なお、販売実績は「1~4月でデュワーズが前年同期比125%。バカルディブランドは104%、うちバカルディ・ゴールドは167%。」(サッポロビール)。
〈酒類飲料日報2024年4月18日付〉