2023年の呉服小売市場規模は前年比101.4%の2,240億円
~2021年は前年比109.6%の2,110億円で2020年の大幅ダウンからの回復となり、以降2022年、2023年とプラスで推移~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内呉服(きもの)市場を調査し、現況、参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。
呉服小売市場規模推移
販売チャネル別呉服小売市場構成比
1.市場概況
2023年の呉服小売市場規模は小売金額ベースで前年比101.4%の2,240億円と推計した。2021年は前年比109.6%の2,110億円であり2020年の大幅ダウンからの回復となった。2022年、2023年の同市場についてもプラスで推移している。
呉服市場は長年縮小トレンドにあるなか、大手小売企業をはじめ各企業はきものの販売以外にも、顧客を囲い込むイベントや日常的に着用できるようなカジュアルきものを提案するなど、独自サービスを展開してきた。
コロナ禍においては先行き不透明な状況が続いていたが、2022年後半以降はコロナワクチンの接種が進んだことで徐々に規制緩和がされた。これにより、中止や延期とされていた催事やイベントが復活し、市場も回復の兆しがみられるようになった。2023年は新型コロナウイルスの感染症区分が5類に移行し、店舗等への客足が徐々に戻り始め、特に百貨店を中心に催事場や呉服売り場に活気が戻りつつあるものの、購買につながるまでには至っていない。
2.注目トピック
チャネルの状況
2023年は、前年比で「一般呉服店」「チェーン専門店」「通信販売」「リサイクル」「その他」が増加した。ただし、「一般呉服店」「チェーン専門店」は1%前後の微増にとどまっている。
2023年の呉服小売市場規模はプラスで推移しているものの、チャネルごとで増減は生じており、その中でも「百貨店」「催事・訪問販売」は前年比でマイナスと厳しい状況となっている。
3.将来展望
2024年の呉服小売市場規模は小売金額ベースで前年比99.6%の2,230億円を予測する。
経済活動がコロナ禍前同様に戻りつつある中で市況の回復が期待されているが、横ばいから微減で推移するとみる。今の時代に合ったきもののニーズの掘り起こしを関連企業各社がどのように捉え、注力していくかによって、きもの市場全体に影響が出ていくものと考える。
調査要綱
1.調査期間: 2023年12月~2024年3月 2.調査対象: 呉服関連メーカー、呉服関連卸売業、呉服関連小売業等 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、郵送アンケート調査、ならびに文献調査併用 |
<呉服市場とは> 本調査における呉服市場には、正絹のきもの、紬類のきもの、帯類、リサイクルきものの他、和装小物、浴衣(ゆかた)、合繊素材のきもの等を含む。市場規模は小売金額にて算出し、きものレンタルは含まない。 |
<市場に含まれる商品・サービス> 正絹のきもの、紬類のきもの、帯類、リサイクルきものの他、和装小物、ゆかた、合繊素材のきもの等 |
出典資料について
資料名 | 2024 きもの産業年鑑 |
発刊日 | 2024年03月27日 |
体裁 | A4 493ページ |
価格(税込) | 154,000円 (本体価格 140,000円) |
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