重要事項説明を徹底するために求められる姿勢

リーディングカンパニーとして、当社が高いレベルで重要事項説明を行うことは大前提です。ただ当社だけ取り組んでいれば良いかという問題ではありません。当社の重要事項説明のノウハウを業界に提供することも選択肢として考えていかなければなりません。ただし業界に前例がないだけに重要事項説明は決して簡単なものではなく、形式的に契約の注意点を告知するだけでは決して十分ではありません。重要事項説明を担うコンサルタント一人ひとりが常に業務においてレベルアップし、スキルを上げていかなければなりませんし、関係する法律なども勉強しなければなりません。お客様からの質問に応え、しっかりと理解してもらうためには高いスキルが必要だからです。重要事項説明の対応にも精一杯応えていく必要があります。

副本部長 日本M&Aセンター品質本部の齋藤秀一副本部長

日本M&Aセンターの対応

社内の弁護士や公認会計士、コンプライアンス担当役員など計13人が参加するプロジェクトで、重要事項説明のルール化や説明方法を検討し、研修等を企画しています。重要事項説明をしっかりと現場に落とし込むことをミッションとしました。2024年2月からコンサルタント向けに、1コマ90分間の研修会を各拠点で計十数回にわたって実施し、約600人のコンサルタントが参加しました。当社はこれまでもお客様にしっかりとM&Aの注意点を説明してきた経緯もあるので、大きく変わるということはありませんが、お客様がより理解しやすい内容に変更することが求められています。お客様と現場のコンサルタントが混乱しないように、バランス感覚を持って重要事項説明を徹底することを心掛けています。

誰が重要事項説明を担当するか

説明者はもちろん誰でもいいわけではありません。重要事項説明は一定の経験年数・実績のある資格者が必ず実施しなければなりません。当社では社内の上級試験に合格し、成約実績があるコンサルタントが重要事項説明をするように仕組化しました。経験豊富なコンサルタント200人が重要事項説明を担うことになります。全国の商談に同行したり、オンライン面談で出席したりして、基本的には譲渡希望と譲受け希望のお客様全てにご説明します。

重要事項説明の内容は

お客様の視点に立って、M&Aで分かりにくいポイントを13項目に分類しました。13項目は下記の通りです。 ① 仲介とFAの違い ② 業務の範囲 ③ 報酬 ④ 実費について ⑤ 契約期間 ⑥ 存続条項 ⑦ テール条項 ⑧ 専任条項 ⑨ 直接交渉の制限 ⑩ 秘密保持(インサイダー) ⑪ 契約の解除 ⑫ 免責条項 ⑬ 利益相反のおそれのある事項

上記項目に加えて、M&Aの流れに沿って説明することでお客様が理解しやすい内容を意図しています。説明するパンフレットに重要事項説明の内容を盛り込んでいます。これまでの当社の商談数から予想すると、年間で約5,000回の重要事項説明を実施することを想定しており、営業日で換算すると1日当たり20回程度、全国の経営者にご説明する流れです。2024年4月から、すでに現場では重要事項説明を実施しており、お客様やコンサルタントから意見を聞きながら方法について改良していきます。