矢野経済研究所
(画像=PIXTA)

2018年のドローン世界市場規模は軍需と民需(産業用機体、個人用(ホビー)機体、サービス)合計で約1.6兆円

~2020年から2025年における年平均成長率(CAGR)8.3%の成長を予測~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、世界のドローン市場を調査し、軍用から民生用までのドローン(UAV、UAS)などの無人航空機とそのシステムを含め、現況、需要分野別、将来展望を明らかにした。

ドローンの世界市場規模予測(軍需と民需計)

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1.調査結果概要

2018年のドローン世界市場規模は軍用需要と民生需要(産業用機体、個人用(ホビー)機体、機体を活用した商用サービス)の合計で約1.6兆円(1USドル=110円で換算)で、2020年から2025年における年平均成長率(CAGR)は8.3%で成長すると予測する。軍需用ドローンの同年平均成長率が 4.1%に留まるのに対して、民間(産業用+個人用)ドローン機体は同11.7%、ドローン機体を活用した商用サービスでは同15.5% の成長を予測する。

2.注目トピック

ドローンを活用した商用サービス分野別の概況と展望

ドローンを活用した商用サービス分野の世界市場規模は、2020年から2025年における年平均成長率(CAGR)15.5%の成長を予測する。前回の2016年調査時において最大のサービス分野になると予測した点検・検査分野は、社会インフラ保全のための点検や災害時における状況把握などの需要により、2016年調査時の予測を大きく超える結果である。

ドローンを活用した商用サービス分野のうち、最も成長率が高いのは輸送・配送サービス分野で、2020年から2025年におけるCAGRは 29.7%を予測する。これは、現状がほぼゼロであるが故の成長率であるが、今後、主な先進国においてドローンを活用した輸送・配送サービスに対する許認可が進むとみられることが背景にある。一方で最も低成長なのは測量・マッピング分野である。すでにドローンを活用している土木測量は、徐々に利用拡大が進んでいくものとみるが、高精度な測量や3Dマッピングはドローン活用が期待されるものの、活用範囲がある程度限られるとみられることから、2020年から2025年におけるCAGRは10.7%を予測する。