日本M&Aセンターなど大手M&A仲介会社や金融機関等で構成する業界自主規制団体「M&A仲介協会」は1月23日、中小企業庁登録M&A支援機関向けの入会説明会を都内で開いた。オンラインも含めて全国のM&A仲介会社等から約500人が参加した。代表理事の荒井邦彦氏(ストライク代表取締役社長)は「皆さんと一緒に中小企業の存続と発展に貢献していきたい」と入会を呼び掛けた。
M&A仲介協会は業界の健全な発展と日本経済への貢献を目的に2021年10月に発足。これまでに仲介会社のほか、地域金融機関や大手損保会社など計20社が加盟している。中小企業庁のM&A支援機関登録制度によると、2023年末時点に3,031件の法人・個人事業主が登録している。
国も期待する中小M&A
説明会には、中小企業庁の木村拓也財務課長が登壇。2023年9月に改訂した「中小M&Aガイドライン」や昨年末の税制改正大綱に盛り込まれたM&A関連の税制優遇策を解説し、「中小企業のM&Aの期待は大きいが、M&A専門業者によるトラブルも増えており、利益者の保護の観点から中小企業庁としても看過できない状況だ。業界としてしっかりと自主規制に取り組んでもらい、官民で中小企業の成長の実現を目指していく」と話した。
業界自主規制ルールを策定
M&A仲介協会は2023年12月に、初めてとなる業界の倫理規程と業界自主規制ルールを策定した。取りまとめを担当した弁護士で日本M&Aセンターの横井伸法務部長が、策定の背景や意図を解説し、「我々の業界は今、責任者がいない状況となっている。業界の未来のために自主規制ルールをしっかりと守り、業界の未来を皆さんと一緒に決めていきたい」と話した。
M&A仲介協会は2024年4月までに80社の入会を目標としている。