Suiは、Mysten Labsが開発しているレイヤー1ブロックチェーンです。Meta社の元社員のエンジニアが関わっているプロジェクトとして注目を集めました。
これまでに著名なベンチャーキャピタルなどからの資金調達を行っていることから、期待値や知名度が高いプロジェクトとなっています。
Suiは、2023年5月にメインネットが立ち上げられたばかりの比較的、新しいブロックチェーンです。将来的には、従来のブロックチェーンの問題を解決し、世界中の人がネットワークに参加できるようにすることを目指しています。
本記事では、Suiの特徴や今後の応用や展望などについて解説します。また、Suiの技術的な部分についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
Suiとは何か
Suiの開発者と開発の動機
Suiを開発したのは、Mysten Labsという企業です。Mysten Labsは、Sui Networkの開発などを行うために2021年9月に設立されています。
Suiは、Meta社の元エンジニアであるEvan Cheng氏をはじめとした5名によって立ち上げられたプロジェクトです。
従来のブロックチェーンのスケーラビリティ問題や拡張性などの課題を解決し、現実社会で利用できるように開発されたのがSuiです。
Suiの基本概念
Suiは、Meta社出身のメンバーが開発を進めているため、プログラミング言語などはDiemの技術を受け継いでいます。
Diemとは、Meta社が開発をしていた暗号資産プロジェクトです。
Suiの主要な特徴は、極めて高い処理能力です。1秒間に12万件のトランザクションを処理できるとされており、イーサリアムをはじめとした他のブロックチェーンと比較しても非常に処理能力が高いと言えます。
Suiの技術的な特徴
プログラミング言語「Move」を採用
Suiは、プログラミング言語「Move」を採用しています。
Moveは、Meta社が開発した言語で、Diem ブロックチェーンのために設計されたプログラミング言語となっており、高い柔軟性の安全性が特徴です。
Suiでは、既存のブロックチェーンでは対応できない、高グラフィックなゲームやSNSなどで必要とされる膨大なデータを効率的に格納するために使用されています。
処理速度とスケーラビリティ
Suiの処理速度は非常に速く、1秒間に12万トランザクションを処理することができます。これに対して、イーサリアムは1秒間に15~25件、ソラナは2,825件のトランザクションを処理します。
Suiの処理能力は非常に高いと言えます。
従来のブロックチェーンには、トランザクションが集中した際に処理の遅延などが起きる、スケーラビリティの問題があります。
将来的に多くのユーザーがブロックチェーンを利用するようになると、高い処理能力が求められます。Suiは既に高い処理能力を備えていることから、今後利用者が増加していく可能性があります。
セキュリティ
Suiは、安全性に特化して開発されたプログラミング言語「Move」を採用しているため、セキュリティは高いと言えます。
Web3業界でよく利用されている「Solidity」よりも高い安全性が保証されています。
Moveは、二重支払いや所有権の複雑化などのリスクを防止できるのが特徴です。
Suiの将来性や今後
ゲームでの利用
Suiは処理速度が非常に高いため、ゲーム分野で活用される可能性があります。
従来のWeb3ゲームの場合、処理速度が遅く、ネットワークが混雑した際に遅延や手数料の高騰などが発生してしまうなどの課題があります。
これらはゲームにおいて非常に大きな課題となっており、Web3ゲームが普及させるためには課題の解決が必要です。
Suiでは、開発者向けにツールを提供しており、ゲームやNFT開発者向けには「SuiEcho」が用意されています。
SuiEchoなどのツールを活用することで、今後多くのゲームが開発される可能性があります。
パートナーシップとコラボレーション
Suiは様々な企業やプロジェクトとパートナーシップを結んでいるため、今後コラボレーションを実施する可能性があります。
既に、株式会社電通グループがSui上で、クリエイターエコノミー形成を目的としたプロジェクトをスタートしています。
またグリー株式会社との戦略的パートナーシップにより、Layer1ブロックチェーン「Sui」のバリデーションを開始し、日本発のIPを活用したWeb3ゲームの展開に向けた取り組みを進めることも発表されています。
国内外の多くの企業がSuiとのパートナーシップを結んでいるため、今後多くのプロジェクトがSui上で開発される可能性があるでしょう。
Suiの将来展望
Suiは、従来のブロックチェーンの課題を解決するために開発されたブロックチェーンです。
トランザクションの高速処理が可能で、ネットワーク手数料が安いことから、大量のトランザクションの高速処理が求められる分野での活用が期待されています。
将来的に、ブロックチェーンの利用者が増加していくに連れて、処理能力の高いSuiの需要が高まっていく可能性があります。
今後、Suiのように高い処理能力を持ったブロックチェーンが登場する可能性があり、どのように差別化をして成長していくか注目です。