「サントリーウイスキー 響 30年」
(画像=「サントリーウイスキー 響 30年」)

サントリーは11月21日、2024年4月1日出荷分から、国産プレミアムウイスキー、ウイスキー・リキュール・ワイン等の一部商品で値上げを行うと発表した。国産プレミアムウイスキーの値上げ幅は20%から125%の値上げ。そのほか、ウイスキー・リキュール・ワイン等では、4%から57%の値上げを実施する。

◆国産プレミアムウイスキー、「中味品質の向上」「生産設備の強化」
国産プレミアムウイスキーは5ブランド19品目で値上げを実施する。価格改定の理由は、ブランド価値向上を目的とした、「中味品質の向上」「生産設備の強化」「環境に配慮したものづくり」などを行うため。

国産プレミアムウイスキーの価格改定率は、希望小売価格ベースで20%から125%の値上げ。商品の値上げ率は、スピリッツで過去最高だという。価格改定を行うのは、「響」「山崎」「白州」「知多」は2022年4月以来、「碧」は初めて実施する。

サントリー 国産プレミアムウイスキー「主な価格改定実施品目」
(画像=サントリー 国産プレミアムウイスキー「主な価格改定実施品目」)

特に、「サントリーウイスキー 響 30年」「サントリーシングルモルトウイスキー 山崎 25年」「サントリーシングルモルトウイスキー 白州 25年」各700mlの長期貯蔵の商品で値上げ幅が大きく、現行の16万円から125%値上げし新価格36万円となる。

改定の理由として挙げている「中味品質の向上」の具体的な内容は、「原料へのこだわりおよび各工程における品質の追求による、長期熟成に耐えられるニューポットのつくりこみ、および貯蔵工程における技術革新による樽ごとの熟成管理強化など。結果として美味品質の向上、ブランド価値向上に繋がると考えている」とする。

「生産設備の強化」の具体的な内容は「これまでの製造能力増強のみならず、お客様に体感してもらえるような製品の知覚品質の向上に向けた設備の強化にも取り組んでいく。具体的には、熟成管理体制強化も含めた貯蔵庫の増設・瓶詰めおよびパッケージラインの増設・偽造防止の取組みなどを今後も行っていく」としている。

◆ウイスキー・リキュール・ワイン等、「製造コスト上昇」「FOB価格上昇」
サントリーは、ウイスキー・リキュール・ワイン等の一部商品(19ブランド98品目)について2024年4月1日出荷分から価格改定を実施する。価格改定する商品のブランド・品目数はウイスキー14ブランド63品目、リキュール2ブランド28品目、ワイン1ブランド3品目、スピリッツ1ブランド2品目、ブランデー1ブランド2品目。

価格改定率は希望小売価格ベースで4%から57%。価格改定の理由は「直近の穀物原料等の原材料・資材・輸送コスト高騰に伴う製造コストの上昇及びFOB価格上昇は企業努力だけでは吸収できない状況であり、従来の価格を維持することが困難となったため」としている。

サントリー ウイスキー、リキュール、ワインなど「主な価格改定実施品目」
(画像=サントリー ウイスキー、リキュール、ワインなど「主な価格改定実施品目」)

価格改定は、ウイスキー「ザ・マッカラン」「ボウモア」「バランタイン」「メーカーズマーク」は2023年3月以来、「レッド」「ホワイト」は2006年の酒税改正以来、「トリスクラシック」は初めて。リキュール「ルジェ」は2023年3月以来、「山崎梅酒」は初めて。ワインは前シリーズであるジャパンプレミアム価格改定から数えて、2019年4月1日以来で5年ぶり。

コストアップの中身としては、スピリッツ事業は直近の市況(2023年9月時点)の影響としては、新型コロナウイルス流行前2020年3月比で大麦の価格は約1.7倍に上昇した。ワイン事業は、原料ぶどうが2020年比約1.1倍となっている。

国内酒類事業において原材料・包材費、物流費は、直近の市況(2023年9時点)の影響としては、新型コロナウイルス流行前2020年3月比で大麦の上昇のほか、原油価格は約4.2倍に上昇したという。