Nouns DAOのフォークとは?分裂までの経緯と将来性を解説

Nouns DAO(ナウンズ・ダオ)とは、最もDAOらしいDAOと呼び声の高い、毎日1つNFTが自動生成され入札の仕組みやトレジャリー等全てブロックチェーンで自動化しているNFTのプロジェクトです。

その中央に管理者のいない分散型の仕組みを実現しているNouns DAOですが、DAO内での対立によりブロックチェーンのフォークが起こりトレジャリーにあった資金が半減してしまいました。

フォークとは、プロジェクトやDAOが紛糾や方向性の違いなどにより2つに分かれることを差しますが、その現象がNouns DAOでも起こっています。

本記事では、Nouns DAOで起こっているハードフォークの詳細やハードフォークによる影響や将来性を解説します。Nouns DAOに興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

  1. Nouns DAOとは
  2. Nouns DAOのハードフォークの経緯や背景
  3. Nouns DAOハードフォーク後の状況
  4. Nouns DAOの今後や将来性
  5. Nouns DAOのフォークまとめ

Nouns DAOとは

Nouns DAOのフォークとは?分裂までの経緯と将来性を解説
引用:Nouns DAO

Nouns DAOとは、2021年8月にスタートしたプロジェクトであり、独特なコンセプト・手法を取っており概要は下記となっております。

・1日1つ、新たなNFTが自動的に生成される
・生成された瞬間、24時間を期限としたオークションが自動的にスタートする
・購入希望者は希望購入額を入札することが出来る
・期限が来た時点で最高額を入札している人が購入出来る
・購入額はすべて(中抜き・手数料などはなし)、Nouns DAOの共用ウォレット(トレジャリー)に送られる
・一定枚数(現在はNounsNFT2枚)以上のNounsNFTを保有する人はNounsDAOに対して、資金の使い道を提案できる
・提案に対してはNouns1枚が1票となり投票が行われる
・可決された場合、提案者が指定したウォレットに対して要求金額が送られる

このように、皆の資金を集め、その資金の使い道をホルダー全員で決めていく、という極めて民主的・全員参画的なNFTプロジェクトになっています。

また、著作権を放棄していたり(CC0)、NFTの画像自体もブロックチェーン上へ保存されるフルオンチェーンNFTであることも特徴の1つとなっており、Web3の概念を取り入れ誰でも参加しやすい仕組みとなっています。

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Nouns DAOのハードフォークの経緯や背景

Nouns DAOでハードフォークが起こった経緯や背景を下記します。

プロジェクトやDAOのフォークとは、ブロックチェーン上のルールが変更され分岐することを意味しますが、大きく「ソフトフォーク」と「ハードフォーク」の2つがあります。
ソフトフォークは、最終的には1つに統一されるのに対して、ハードフォークは分岐後、ルールの異なる2つのプロジェクト/DAOが残り続けます。

Nouns DAO内の対立

Nouns DAOのフォークとは?分裂までの経緯と将来性を解説
引用:Nouns DAO

Nouns DAOでは、1日1体販売されるNFTの売上が原資となり、Nouns DAOをより認知していく活動(イベント開催等)を募り(Proposal)投票により実施していく仕組みが特徴となっています。

しかし、一部のNouns NFTのホルダーからこの仕組み自体疑問視されるようになりました。それはProposal案の実行するための費用に対して、Nous DAOの認知の効果が小さいというものです。
そのため、「DAO資金をコミュニティ活動に積極的に使う派閥」と「DAO資金は貯めておく派閥」が対立するようになりました。

意見が対立した場合はフォークが可能になったNouns DAO

Nouns DAOのフォークとは?分裂までの経緯と将来性を解説
引用:Nouns DAO

通常、様々な面で参加者間で意見が対立することはありますが、Nouns DAOでは意見が対立した際にルール自体変えることができる仕組みがあります、つまりハードフォーク自体が可能となっています。

通常のDAOでは多数派の意見が尊重される仕組みになっているのに対し、Nouns DAOでは少数派の意見も尊重される仕組みとなっており、NFTホルダーの20%が同意することによりフォークを実行でき少数派の意見を保護できるものとなっています。

Nouns DAOハードフォーク後の状況

Nouns DAOのフォークとは?分裂までの経緯と将来性を解説
引用:Nouns DAO

結果として、Nouns DAOでは2回ハードフォークが実行されています。
1回目のハードフォークは2023年9月に行われ472個のNFTが、2回目のハードフォークは2023年10月に行われ69個のNFTが元のDAOから持ち出され、現状元のDAOには約9,000ETHが残っている状態となっており、以前よりウォレット数及びトレジャリーの資金も大幅に減少しております。

Nouns DAOの今後や将来性

今後もNouns DAOにてハードフォークが起これば、NFTホルダーである参加者の数及びトレジャリーの資金が大幅に減少していくことは避けられない状況となっています。

そのため、少数派の意見を保護するということ自体はとても素晴らしいことではあるものの、フォークという方法以外を模索する必要があります。

また、NFT購入額が精算額より小さくなると、購入者は精算へのインセンティブが生まれてしまうため、そもそも精算額より大きい金額でないとNFTを購入することができないような仕組み作りも必要であると思われます。

Nouns DAOのフォークまとめ

Nouns DAOのフォークは、DAO内での意見対立及びNFT購入者の売圧が高まったことが原因であり、仕組み上フォーク自体が可能であることにより、フォークが実行されDAO参加者及びトレジャリー資金が大幅に減少しました。

今後もフォークが起こる可能性があるため、フォーク自体が起こらない仕組みを構築することやNFT購入者の売圧を下げる仕組みが必要とされています。

世界で最もDAOらしいDAOだからこそ直面する課題も先進的なものであるため、その課題を解決しDAOを維持することができるかどうかも含めて、今後のNouns DAOから目が離せません。