【NFT×ふるさと納税】返礼品にNFTが活用されている事例5選

日本国内では、様々な企業やクリエイターがNFT市場に参入しており、2023年はふるさと納税におけるNFTの活用も進められています。

ふるさと納税の2022年の市場規模は9,000億円を超え、今後も拡大していくことが予想されています。

従来のふるさと納税は、地域の特産品などのようなリアル商品が返礼品に用いられていました。

最近では、ふるさと納税市場拡大のためにふるさと納税とNFTを掛け合わせ、これまでリーチできていなかったデジタル層を取り込むことで、地域活性化の促進が期待されています。
ふるさと納税におけるNFTの活用は、多くの自治体で進められており、今後も拡大していく可能性が高いです。

本記事では、NFTを活用したふるさと納税の事例を紹介します。

目次

  1. ふるさと納税とNFT
  2. NFTによる地域活性化事例と効果
  3. ふるさと納税にNFTを活用するメリット・デメリット
  4. ふるさと納税でNFTを受け取る手順
  5. ふるさと納税におけるNFT活用事例5選
  6. ふるさと納税とNFTのまとめ

ふるさと納税とNFT

ふるさと納税の仕組みや、ふるさと納税とNFTの結びつきについて解説します。

ふるさと納税の仕組み

ふるさと納税は、自治体に一定額以上の寄付をすることで、所得税と住民税の控除が受けられる制度です。
ふるさと納税を活用することで、本来は居住している地域に支払うはずの税金を、自分が応援したい地域や故郷の自治体に寄付することができます。

都市部への人口流出による地方の過疎化や税収減税対策として、2008年5月からスタートしています。

控除を受けられる限度額は、納税額などによって異なりますが、控除額は寄付した金額から2,000円差し引いた金額と決まっています。

また、自治体に寄付するだけでなく、返礼品を受け取れるのも特徴です。

ふるさと納税NFTとは?

ふるさと納税NFTとは、ふるさと納税の返礼品としてNFTを活用しているものです。

ふるさと納税制度によって、地方自治体への寄付額が増加したものの、地方の過疎化の改善には至っていません。
ふるさと納税NFTは、NFTを活用することでデジタル層を巻き込み、地方の関係人口増加を狙っています。

また、関係人口増加による税収増も期待されています。

NFTによる地域活性化事例と効果

ふるさと納税に限らずNFTによる地域活性化事例として、最も注目度が高いのが、居住者約800人の新潟県長岡市山古志地域(旧山古志村)のプロジェクトです。
山古志は、2022年12月に「Nishikigoi NFT」を発行しています。このNFTは、デジタル住民票としての役割も持っており、NFTを購入することで、どこに住んでいても山古志のデジタル村民になれます。

また、NFTの購入者が参加できるコミュニティでは、山古志地域の課題解決に向けて議論が行われています。
これまでに2,845枚、オーナーウォレット数が1,658あり、実際の居住者数759人(2023年10月1日時点)ですがデジタル村民は1000人を超えています。

NFTの発行は、全国・全世界に地域の魅力を発信するきっかけとなり、関係人口創出の効果が期待できそうです。

ふるさと納税にNFTを活用するメリット・デメリット

ふるさと納税にNFTを活用するメリット・デメリットを解説します。

メリット

ふるさと納税NFTのメリットの一つが、人口減少が進む地域の関係人口創出です。

人口減少が進む地域では、地域の力だけでは今後維持していくのが困難ですが、NFTのようなデジタル技術を活用することで、全国どこにいても・誰でも地方創生に関われるようになります。

これにより、新たな経済圏の創出やコミュニティ構築、地域活性化が期待できます。

また、NFTやブロックチェーンに知見がある人材が地方自治体に関わることで、都市部と地方のデジタル情報格差を解消できる可能性があります。

デメリット

ふるさと納税NFTにはデメリットらしいものはありませんが、あえていえば

・発行数が限られている点
・転売制限のあるNFTが一部ある点

はデメリットと捉えることも可能です。

ふるさと納税の返礼品としてNFTを活用している自治体は増加傾向にあるものの、他の返礼品に比べてまだまだ少ないのが現状です。

NFTの発行枚数が数百程度しかないこともあります。そのため、一つのふるさと納税NFTにユーザーが集中してしまい、入手が困難となっています。人気のある、ふるさと納税NFTは数分で完売してしまうので、入手できない場合が多いです。
NFTに限った話ではありませんが、売り切れで「応援したい」という気持ちに応えられないことはデメリットと言えるかもしれません。

また、一部のふるさと納税NFTでは転売制限があります。 通常のNFTは自由に売買が可能です。しかし、一部のふるさと納税NFTには規約で「購入後1年間は転売不可」などの制限が設けられている場合があります。こちらは購入前に事前に確認する必要があるでしょう。

どちらもふるさと納税NFT特有のデメリットとは言い切れませんが、あえてあげればこういったことが言えるかもしれません。

そもそもふるさと納税NFTはウォレット作成の手間もかかりますので、他のふるさと納税に比べ人を選ぶものでもあり、単なる節税策と考えるのも安易といえそうです。

ふるさと納税NFTには大きな可能性がありますが、その真価はまだまだ先にあるようで、現時点ではNFTに対する一定のリテラシーとふるさと納税の本来の趣旨を理解していない人にはメリットは限定的かもしれません。

ふるさと納税でNFTを受け取る手順

ふるさと納税でNFTを受け取る手順は下記になります。

  1. ウォレットの作成
  2. ふるさと納税NFT販売サイトで寄付申し込み
  3. NFTの受け取り

ウォレットはNFTや暗号資産を保管するためのお財布のようなもので、必ず必要になります。

ウォレットを作成できたら、ふるさと納税NFT販売サイトで寄付したい地域を選択し、申し込みをします。

申し込みが完了したら、指定したウォレットアドレス宛にNFTが届く流れです。

ふるさと納税におけるNFT活用事例5選

ふるさと納税におけるNFT活用事例5選を紹介します。

・ふるさとCNP
・旅するあおぱんだ(APP)
・LLACふるさと招き
・NCP(Naito Cat's Pajamas
・くまもとトマトNFT

ふるさとCNP

【NFT×ふるさと納税】返礼品にNFTが活用されている事例5選
引用:CNP

自治体:宮崎県高鍋町、岡山県美作市、和歌山県白浜市
HP:https://furu.alyawmu.com/
NFT運営会社:株式会社あるやうむ、株式会社バケット
販売場所:https://furu.alyawmu.com/

ふるさとCNPは、国内最大級の取引高を誇るNFTコレクション「CryptoNinja Partners(CNP)」を運営する株式会社バケットと株式会社あるやうむが共同で制作したふるさと納税NFTです。

ふるさとCNPは、2022年10月に北海道余市町で第一弾がリリースされ、これまでに多くの自治体で採用されています。

CNPキャラクターが地域の特産品を手にしているアートとなっており、数分で完売してしまうほどの人気です。

参考:CNPとは?

旅するあおぱんだ(APP)

【NFT×ふるさと納税】返礼品にNFTが活用されている事例5選
引用:APP

自治体:熊本県阿蘇郡高森町、大阪府太子町
HP:https://furu.alyawmu.com/
NFT運営会社:株式会社あるやうむ、Aopanda Party
販売場所:https://furu.alyawmu.com/

旅するあおぱんだは、アニメスタジオの設立を目標にしているNFTプロジェクト「Aopanda Party(APP)」と株式会社あるやうむが共同で制作しています。

2023年1月に熊本県阿蘇郡高森町の受付を開始し、約9分で333個が完売しています。

NFTのデザインは、APPのファウンダーであるAo Umino氏が高森町の名産名所をモチーフにして作成しています。

寄付金の一部は、高森町が力を入れている事や、APPの「各地域のキーパーソンが大切にしている言葉」を紹介するショートアニメの制作費用にあてられます。

参考:APPとは?

LLACふるさと招き

【NFT×ふるさと納税】返礼品にNFTが活用されている事例5選

自治体:愛媛県今治市
HP:https://furu.alyawmu.com/
NFT運営会社:株式会社あるやうむ、Live Like A Cat
販売場所:https://furu.alyawmu.com/

LLACふるさと招きは、猫のように生きるがコンセプトのNFTプロジェクト「Live Like A Cat(LLAC)」と株式会社あるやうむがコラボしたふるさと納税返礼品企画です。

2023年6月にコラボ返礼品企画第一弾として、愛媛県今治市の受付をスタートしました。

村上水軍をモチーフにしており、LLACの猫が船に乗っているデザインになっています。NFTとセットで今治市の特産品である、今治タオルが返礼品となっています。

参考:LLACとは?

NCP(Naito Cat's Pajamas)

【NFT×ふるさと納税】返礼品にNFTが活用されている事例5選
引用:ないとー

自治体:奈良県(大淀町、上北山村、五條市、平群町、御杖村、吉野町)
HP:https://earth-corporation.co.jp/
NFT運営会社:株式会社アースコーポレーション、NFT COLOR、ないとー
販売場所:楽天市場、ふるさとチョイス

NCPは、ふるさと納税の運営支援を行う「株式会社アースコーポレーション」、NFTサービスを展開する「NFT COLOR」、YouTuberないとーがコラボして企画・制作しています。

日本初となる、6自治体同時リリースされています。

ないとーさんがデザインするオリジナルキャラクター「NCP(Naito Cat’s Pajamas)」の背景に各市町村の特産品などが描かれたNFTになっています。

くまもとトマトNFT

【NFT×ふるさと納税】返礼品にNFTが活用されている事例5選
引用:農場人

自治体:熊本県
HP:https://metagri-labo.com/
NFT運営会社:株式会社くまもとDMC、株式会社農情人
販売場所:https://item.rakuten.co.jp/f430005-kumamoto/197-0844/

くまもとトマトNFTは、株式会社くまもとDMCとMetagri研究所を運営する株式会社農情人が共同で制作したふるさと納税返礼品企画です。

返礼品NFTは、熊本城や阿蘇などの観光名所や特産品であるトマトの魅力をオンラインで伝えることを目的としています。

5点限定の販売となっており、NFTの他に熊本県山都町で育てられている希少なトマトである「日の宮」1箱が返礼品となっています。

ふるさと納税とNFTのまとめ

ふるさと納税におけるNFTの活用は、全国の自治体で進められており、今後も事例が増加していく可能性が高いです。

NFTを活用することで、地方自治体の関係人口増加や新たな経済圏の創出が期待されています。
今回紹介した5つの事例を、寄付する自治体を選択する際に役立ててみてください。

多くの人が、ふるさと納税NFTで自分が応援したい自治体に寄付をしながら、地域おこしに参加することで、地方創生が促進されるのは望ましいことです。
日本全体の持続可能な未来にNFTが貢献していくのかもしれません。

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