経営者,投資家思考
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黒坂 岳央
黒坂 岳央(くろさか・たけお)
水菓子肥後庵代表。フルーツビジネスジャーナリスト。シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、東京で会社員を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。ビジネス雑誌やニュースサイトでビジネス記事を書いている。著書に『年収1億円超の起業家・投資家・自由業そしてサラリーマンが大切にしている習慣 “億超えマインド"で人生は劇的に変わる!』など。

投資というと、ほとんどの人は「株や不動産を運用して収益を上げる資産運用」と考えるのではないだろうか。

だが、筆者は「世の中のすべての人はすべからく投資家であり、経営者は行動こそ投資対象である思考を持つべき」と考えている。

そこで本記事では、経営者が投資思考を持つべき理由について解説する。

様々な「投資」の種類

「投資」と一口に言っても、様々な種類がある。

・資産運用:株、FX、不動産など
・事業投資:広告、インフラ整備、システムなど
・自己投資:英語、プログラミング、MBA取得など
・時間投資:ルンバ、ドラム式乾燥機、家事外注など

このように様々な投資先がある。経営者ではない場合、どれも関係のないもののように思える。しかし、投資に着目してみると
「時間の浪費や自己成長につながらない人的交流はカットする」
「一流ホテルやレストランを利用して一流のサービスを学ぶ」
「職場から近い場所に住んで通勤時間を削減する」
といった行動にもつながるのだ。

世の中みんなが投資家ですべての行動は投資である

世の中のすべての人、すべての行動は投資対象である。

投資思考を持たないとトータルで思考できず、その場に流されて行動してしまうのだ。

たとえば、「クリスマスだから奮発してフレンチを食べる」「年末年始には里帰りをする」など。みんながやっているからという理由で行動している人も少なくない。

かくいう筆者もかつてはそうだった。だが、最近では完全に「逆張り行動」を取るようにしている。

クリスマスに外食をするならフレンチやイタリアンではなく、中華料理を食べに行く。なぜなら多くの人はクリスマスに中華にはいかないため、混雑から開放されてゆったりとした時間を過ごせる上に「クリスマス特別プラン」という割高なサービス料も取られずに済む。

また、里帰りは割高で混雑する年末年始を避けて、帰省ラッシュが終わってからにするなどである。コストと時間の両面でお得であり、実家に帰って両親に会うというリターンは変わらない。

故に、すべての行動はその一挙手一投足が投資である、という思考を持つことでQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を可能な限り高めることが出来るのである。

経営者にとって投資思考が必須

投資思考は会社員にも重要な要素ではあるが、経営者にとってはより重要だ。

まず、経営者は自分の時給を常に意識することが絶対的に必要である。月収200万円の社長なら、月22日、一日8時間働くと仮定するとざっくり「時給は1万円」ほどだ。本来はビジネスの価値や収益を高めることに使えたはずの時間を、他のことに使うのであれば時給1万円以上の価値を生み出すことに使わなければいけないのである。

たとえば、人に任せれば自分でやらなくて済む作業を「お金を使いたくないから」という理由で1から勉強をして取り組むのは、投資の観点から言えば大きな損失となる。

「現場で一緒に汗を流してくれる社長に好感が持てる」などの美談を聞くが、ビジネス上の観点から言えば間違いである。社長が作業をやるなら、時給1万円以上の価値を生み出さなければいけない。他の従業員と同じ結果にしかならないなら、新たに人を雇ってその人に対応してもらうべきである。

筆者は経営者になってから、完全に時給思考が備わった。先日も新たに広告を運用して売上アップを見込むことを決めたら、その煩雑な初期設定はすべて外注の人にやってもらった。

自分でやると時間がかかるだけでなく、その間は新たな売上アップの施策に使えた時間を失うため、自分がやってはいけないと考えていたのだ。また、定期的にセミナーを開いているが、会場探しや懇親会手配はすべて秘書業務として他の方に一任している。その代わりにセミナーの内容を充実させることに時間を集中させるのだ。

自分が割くべき投資先を見極める

経営者こそ、任せられる仕事は他人に依頼し、本来自分がやるべきビジネスに集中することが絶対的に必要である。それには自分の労力や気力、資金、時間といった経営資源をもっともビジネス合理性の高い領域へ適切に投資する思考が必要なのだ。

専門領域では卓越した知識と経験を持っている経営者も、経営資源の使い方は意外なほど非合理的なケースが多い。この機会に一度、ご自身の行動を見直してみてはいかがだろうか。

文・黒坂 岳央(水菓子肥後庵代表 フルーツビジネスジャーナリスト)