どこよりも分かりやすく「次年度」の補助金の動向を解説!

2023年11月2日に新たな経済対策「デフレ完全脱却のための総合経済対策~日本経済の新たなステージにむけて~」が閣議決定され、その実行の財源根拠となる令和5年度補正予算が2023年11月10日に閣議決定されました。
今後は、補正予算案が国会に提出され、年内には可決成立し順次経済対策の実行に移っていきます。
では、具体的に補助金・助成金はどのような動向になるのでしょうか。

① 事業再構築補助金は大幅な縮小・見直しが行われた上で継続

まず、現在の目玉の補助金である「事業再構築補助金」について。 こちらは新たな予算はつきませんでした。
そのため令和4年度補正予算で計上された「5,800億円(第10回以降の予算として執行中)」を消化して終了となる見通しです。
11月12日に行政レビューが実施され「事業再構築補助金」について有識者からさまざまな指摘が行われました。
その際に提示された資料によると、令和5年度の採択見込み件数が「29,000件」であったのに対して、令和6年度は「8,800件」の採択件数を見込むとなっています。
そのため、次年度は今年度と比較して1/3程度の縮小して残り数回の公募が行われる見込みです。
引用:令和5年度基金シート

一方で、事業再構築補助金の中に含まれる形で新設される補助金ができます。
「中小企業省力化投資補助事業」と名称で、通称「省力化補助金」です。

こちらは、令和5年度補正予算にて「1,000億円」の新たな予算が計上されています。
さらに、縮小する「事業再構築補助金」の基金を4,000億円程度こちらに回して実施するとのこと。
ですので、総額「5,000億円」の規模で「省力化補助金」が行われるので、次年度はこちらが主力の補助金になってきます。

「省力化補助金」は、人手不足に悩む中小企業のために省力化に即効性のある製品の導入に補助金が使えるというものです。
現時点で「カタログ」から選択し、簡易に導入できるようにする。とアナウンスされていますので、現在の「IT導入補助金」と同じように事前に要件に該当する設備を登録の上、申請できるようになるものと考えられます。
まだ補助金の上限額・補助率などは発表されていませんので、今後情報が分かり次第、発信いたします。

どこよりも分かりやすく「次年度」の補助金の動向を解説!

【引用】内閣府 総合経済対策 政策ファイル(P5)

②4大補助金は継続して実施
「ものづくり補助金」「小規模事業者持続化補助金」「IT導入補助金」「事業承継・引継ぎ補助金」の生産性革命4大補助金は、令和5年度補正予算で新たに「2,000億円」の予算措置が行われます。
こちらは令和4年度補正予算にて次年度も予算計上されることがわかっていました(※)ので予定通りです。
令和4年度補正予算と同じ「2,000億円」が計上されますので、今年と同じような形・同じくらいの採択率で実施されるものと想定されます。
※令和4年度補正予算にて、中小企業生産性革命推進事業は「国庫債務負担含め総額 4,000 億円」が計上され、令和4年度補正予算で「2,000億円」が計上されましたので、令和5年度補正予算にて残額の「2,000億円」が計上されました。

③大規模設備投資補助金が新設
省力化補助金と合わせてもう1つ「大規模成長投資補助金」が新設されます。
予算措置として令和5年度補正予算では「1,000億円」が計上されています。
こちらは中堅・中小企業を対象に成長のための工場拠点の新設や大規模な設備投資を促進する補助金になります。
補助金の上限額も億越えの大きなものになり、また複数年にわたって実施されると想定されます。
これから工場を新設を検討するなど大規模投資を考えている方はぜひ活用を検討いただければと思います。

まとめ

今回のブログでは、「事業再構築補助金の大幅縮小」と「省人化補助金の新設」。
「4大補助金の継続」と「大規模設備投資補助金の新設」を紹介いたしました。
いずれの補助金も中小企業の「持続的賃上げ」が大きなテーマになっていますので、補助金とセットで賃上げが求められます。
賃上げについては計画的にすることをお勧めいたします。
賃上げ計画なども含めて、ご相談を希望される方は、ぜひ弊社までご相談ください。