日本大豆ミート協会(JSMA)は10月24日、都内で会見を開いた。
9月1日に任意業界団体として同協会を設立したことや、今後の活動について説明した。加盟企業はマルコメ、スターゼン、伊藤ハム米久ホールディングス、日本ハム、大塚食品の5社。会長にはマルコメの青木時男社長(写真左)、副会長にはスターゼンの横田和彦社長(写真右)が就いた。
加盟5社が中心となり、大豆ミート食品類JASの制定に向けて規格案を準備し、2022年2月24日に農水省に制定された。これにより、同協会が主体的に大豆ミート食品類JASを管理し、規格の見直し、規格の国際化などにあたる。
また、広報活動では、大豆ミートの最新情報、使い方や食べ方、大豆ミート普及のための活動、キャンペーンなどを実施する予定だ。アンケート調査や大豆ミート検定などの実施も計画している。大豆ミート以外のプラントベースフードの取り扱いに関しては、可能性はゼロではないが、当面は大豆ミートに集中していくといい、任意団体から法人化する可能性があることも言及された。
会見冒頭にあいさつした青木会長は、「プラントベースへの注目が高まっている。健康志向の高まりや食品を生産するための原材料や生産・流通・廃棄による地球環境の負荷を減らす動き、ベジタリアンやヴィーガンフードへの注目、宗教的な理由による食事制限や食物アレルギーへの対応などから、世界的にも植物由来の大豆ミートに対する興味関心が高まっている」とした。
その上で、「業界のルールを検討、運用を促進し、さらに市場を発展させていくためにも、大豆ミートに関わる協会を設立したいという思いから、各社が連携、協力しながら、日本大豆ミート協会が設立された」と経緯を説明した。
また、「マルコメはみそを主力事業にしているが、長年みそづくりで培ってきた原料の大豆に対する知見をもっとお客様のために活かしたいという思いから、2015年に『ダイズラボ』ブランドを立ち上げ、大豆ミート商品を発売した。ヴィーガン、ベジタリアン、健康志向のニーズを満たすヘルスコンシャスな大豆ミート食品にこだわっている」とし、代替ではない、大豆製品へのこだわりを示した。
質疑応答で横田副会長に対して、「食肉がある程度大豆ミートに置き換わる危機感はないのか」という質問に対しては、「飼料穀物価格が高騰しており、食肉の価格が下がる要素がない中で、経済的な面を考えても、食肉だけでたん白質をお客様に供給していくのは難しい。また、国産食肉だけを切り取ると、自給率は53%あるが、餌の7割以上が輸入穀物だ。これを含めて考えると自給率は8%ぐらいしかない。こういったことから、バランス良くお客様に選択肢を提供することがこれからの食肉業界の使命だ」と説明した。
〈大豆油糧日報2023年10月26日付〉